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 偏見とか差別と言うモノは、結局の処、偏見/差別する者自身にとって「損な考え方」となる(筈)と、既にいくつかの記事で書いて来た。偏見/差別は正常な判断・正当な評価を阻害する要因であるから、誤判断の元でもある。人間なんてのは理想的状態でもいくらでも判断を誤れるのだから、誤判断の元を増やした日には目も当てられまい。だから、偏見/差別は「する方に損」、となる(筈)。

 その一方で神ならぬ身の人が為す事であるから、「偏見/差別をなくそう」ったってそうそう無くなるモノではなく、私(ZERO)自身「偏見/差別は持たない」なんて主張する心算は毛頭無い。ただ、偏見/差別を減らそう/無くそうとする努力は必要であり、尊かろう。その為には、自分自身の持つ/持ったまま放棄できない偏見/差別を認識するのが第一歩。私(ZERO)の場合、「WSJ紙+日本人女性記者=ダメ記事」と言う偏見/差別が認識されており…またそんな認識=偏見/差別を助長するWSJ紙記事を弊ブログでいくつも取り上げている(※1)。

 今回取り上げるのも日本人女性記者によるWSJ紙の記事。さて、今回の「WSJ紙+
日本人女性記者」は・・・


<注釈>



【WSJ】米ロの板挟みに悩む安倍首相―G20ではシリア問題の対応に苦慮
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http://realtime.wsj.com/japan/2013/09/05/%e7%b1%b3%e3%83%ad%e3%81%ae%e6%9d%bf%e6%8c%9f%e3%81%bf%e3%81%ab%e6%82%a9%e3%82%80%e5%ae%89%e5%80%8d%e9%a6%96%e7%9b%b8%e2%80%95g20%e3%81%a7%e3%81%af%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%82%a2%e5%95%8f%e9%a1%8c/

 クレムリンで会談し、握手する安倍首相とプーチン大統領(4月29日)安倍晋三首相は昨年政権についた後、オバマ米大統領やプーチン・ロシア大統領と個人的な関係を構築するため、並々ならぬ努力を続けてきた。安倍首相は米国との同盟関係強化を最優先の政策課題に掲げるとともに、北方領土問題を巡るロシアとの紛争解決を目指している。

だが、米ロ関係が冷却化するなか、安倍首相は難しい立場に追い込まれている。

5-6日にロシアのサンクトペテルブルクで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に出席する安倍首相にとって、シリア問題が焦点の1つとなる今回のG20は特に対応が難しい。

オバマ大統領はシリアのアサド政権が化学兵器を用いたと主張し、シリアへの軍事攻撃を目指しており、日本政府は米国の最も親密な同盟国としてオバマ大統領を支持する必要性を感じている。だが、それは日本とロシアの関係に複雑な問題を投げかける。ロシアはアサド政権を支援しており、米国と対立しているからだ。

今のところ、日ロ関係はうまくいっているようだ。プーチン大統領は安倍首相との会談にかねてから積極的な姿勢を見せている。今回、サンクトペテルブルグでの安倍首相とプーチン大統領の会談は安倍政権誕生後3度目で、日本側には北方領土問題の解決につながるのではないかとの期待感が高まっている。

日本政府はプーチン氏との2者会談について、シリア問題から距離を置き、日ロ問題に焦点を当てたい考えだ。ある日本政府高官は匿名を条件に、「シリア問題は会談の議題にはならない」と述べた。

一方、オバマ大統領は安倍首相に対して一定の距離をおいており、中国の習近平国家主席には多くの時間を割いているのとは対照的だ。一方、中国側も安倍首相と習近平国家主席との初の2者会談を求める日本政府の要請を拒否している。

今回のG20では、オバマ大統領は習近平国家主席と2者会談、及びシリア攻撃を支持しているフランスのオランド大統領との会談は早々に決めていたが、安倍首相と会談は、前日の夜、ギリギリのタイミングでやっと設定した。

これまで安倍首相がオバマ大統領と公式会談したのは就任後1度だけで、それも米政府が安倍首相の訪米を1カ月先延ばしするよう要請した後だ。それとは対照的に、オバマ大統領はその後、習近平国家主席をカリフォルニア州のリゾートに招き、2日間にわたって緊密な会談を行っている。

オバマ政権と安倍政権の間には、わずかではあるが緊張関係が広がっているようだ。一部の米政府高官によると、米政府は、安倍首相の中国や韓国に対するタカ派的な姿勢が東アジアの緊張を高めかねず、米国が望まざる紛争に巻き込まれる恐れがあると懸念している。

一方、日本側でも、中国や北朝鮮との紛争が起きた場合、米国が本気で日本を守ってくれるか懐疑的な見方が生まれ始めている。

安倍首相は2日、G20の場で2者会談ができないということを前提に、オバマ大統領と30分にわたり電話で会談をおこなった。日本政府当局者によると、オバマ大統領はその中で、日本を含む主要国がシリア問題で密接に協調行動をとることの重要性を強調した。

しかし、安倍首相は米国に対する支持表明を避け、米議会の審議を見守っていくとの考えを示した。

日本は憲法の規定により、国連の承認なしに行われる外国の軍事行動を支持するには高いハードルがあり、まして軍事行動に参加することは難しい。だが、外交専門家は、オバマ大統領が実際に武力行使に踏み切った場合、日本はいずれ強力に支持する姿勢を表明せざるを得なくなるとみている。欧米が1998年に国連の承認なしにコソボに軍事介入した際、日本は米国の立場を「理解する」と表明しただけだった。

青山学院大学国際政治経済学部の中山俊宏教授は日本は今回は「理解する」というより、もう一歩踏み込んだ対応になるだろうと話している。これは今回のシリアの件は大量破壊兵器や核不拡散の問題で、北朝鮮やイランにメッセージを送る意味合いもあるからだと話している。


記者: Yuka Hayashi
原文(英語):Abe’s Syria Conundrum: Friendly Putin Or Elusive Obama
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/09/04/abes-syria-conundrum-friendly-putin-or-elusive-obama/



ピントはボケているが、的は外していない…辛うじて

 さて、如何だろうか。

 私(ZERO)の所感は、章題にした通りだ。登場するのが、日本・安倍首相、アメリカ・オバマ大統領、ロシア・プーチン大統領で、お題が「シリアへの軍事攻撃可否」という事からの上掲記事タイトル「米ロの板挟みに悩む安倍首相」であり、上掲記事の行間からは「日本は、アメリカのシリア軍事攻撃に同意するな!」と言う主張が読めてしまってしょうがない(※1)のだが、我が国が「米ロの板挟み」になったならば、何れに与すべきかは、殆ど自明ではないか。

 アメリカと我が国は日米安保を組んだ同盟国であり、共に西側自由主義諸国の一員であり、政治的にも軍事的にも経済的にも重要な「パートナー」だ。一方ロシアは、北方領土をめぐる対決を別にしても、少なくとも同盟国ではないし、経済的にも大した相手ではないし、「価値観を共有する」とも言い難い。米ロが対立し、日本が板ばさみゐなるならば、余程の自浄が無い限り、与すべきはアメリカ以外にあろうか。

 上掲記事からは、特に英文記事のタイトルからは、「親密なプーチンとつれないオバマ」を対比し、「シリア軍事攻撃支持に対するハードルの高さ」を挙げ、何とか「ロシア有利」、然らずんば「米ロ伯仲」と言いたげな記事になっている。が、それ故に、「ピンボケ」感が強い。そりゃ国家元首との個人的つながりが効かないとは言わないが、外交なんてのは国益追求の手段。ロシアに与して「米国のシリア軍事攻撃反対」に回って、我が国に如何許りの国益があるかと考えても、日ロ関係を親密にした場合想定しうる国益を考えても、自明であろうが。

 ま、Yuka Hayashi記者と同様に、「シリア軍事攻撃反対」を願う記者は掃いて捨てるほどあろうから、何とか安倍首相を、日本政府を、「米ロ板ばさみ」=「シリア軍事攻撃賛否難航」に持って行きたいのだろうが・・・

 章題にはしたが、「やっぱり、的も外してるんじゃないか?」と思えてきたぞ。

 こりゃ、私(ZERO)の「WSJ紙+日本人女性記者=ダメ記事」と言う偏見/差別が払拭される日は、遥か遠そうだぞ。


<注釈>


(※1) ああ、これも私(ZERO)の偏見/差別である可能性は、忘れてはいけないな。