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 福島原発事故と、菅直人の最後っ屁「再々可能な自然エネルギー発電全量強制高価買い上げ制度」のお蔭で、我が国で太陽光発電や風力発電が続々作られ、発電量にして1%のシェアしかなかった「水力以外の自然エネルギー発電」が、1.6%に増加。もう一寸で倍増しそうな勢いだそうだ。
 倍増しても2%でしかないから、今ほとんどの原発が稼働停止に追い込まれつつ電力不足が起きないのは、主として火力発電フル稼働のお蔭であって、メガソーラーや風力発電は束になっても屁のツッパリでしかないのだが、それでもまあ、発電しないよりはマシではあろう。

 今度は、北海道に15MW級メガソーラーを作るそうだ。我が国では相当大きなメガソーラーで、流石北海道と言う処だが・・・
.ワタミが北海道厚真町でメガソーラー建設
2013.8.21 16:40
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130821/biz13082116410015-n1.htm
飲食店チェーンのワタミは21日、北海道厚真町に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設すると発表した。出力は1万5千キロワットで、投資額は約45億円という。

年間発電量は一般家庭約5千世帯分に相当。10月に着工し、来年11月末に稼働する予定。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を用い、北海道電力に売電して年間6億円の売上高を見込む。

厚真町が約25ヘクタールの遊休地についてメガソーラー事業者を公募し、選ばれた市民風力発電(札幌市)の事業にワタミグループが共同出資や融資を行う。

利用地では、設置したソーラーパネルの下で農作物の生産も検討。ワタミは「厚真町の海産物や農作物を飲食店で使うことも含め、地域との連携を深めたい」とした。

.推算式


  さて、例によって始めようか。

1〉 出力は1万5千キロワットで、投資額は約45億円という。
2〉 年間発電量は一般家庭約5千世帯分に相当。

 例によって、上記1〉から定格出力15000kwで24時間365日発電した場合(※1)の理想的通念発電量は、

15000kw × 24h × 365日/年 = 131400000kwh/年   式(1)

 これに対して、実際の発電量は、これに従来の「冷たい計算式」シリーズで取り上げた岡山や淡路島のメガソーラー発電報道からの推算「一般家庭の一世帯当たり年間消費電力」は、大凡3600kwh/世帯・年」を適用すれば、上記2〉から今回の北海道15MW級メガソーラーの年間発電量が推算できる。

 3600kwh/世帯・年 × 5000世帯 = 18000000kwh/年   式(2)

 上記式(1)と式(2)から、例によって稼働率が計算出来て、

 18000000kwh/年 ÷ 131400000kwh/年 = 0.13698 
                             ≒ 13.7%  式(3)

 稼働率約14%と言うのは、我が国にある太陽光発電としては高い方の稼働率であるが、やっぱり「我が国に於ける太陽光発電の稼働率は約1割」である事が、さらに裏付けられた形だ。

 ついでだから、上記式(2)で計算した年間発電量を、現在の太陽光発電量買取価格( http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/kakaku.html )37.8円/kwhで売ると、


 18000000kwh/年 × 37.8円/kwh = 680400000円/年 
                         = 約6.8億円/年 式(4)

 上記1〉の「投資額 約45億円」は7年足らずで回収出来る勘定だ。商売としては、悪くない話なのだろう。

 無論、37.8円/kwhの太陽光発電固定買取価格が、そのまま維持されれば、だが。

 つまりは、投資者たるワタミには、なるほど「おいしい話」であろう。だが例によって例の如く、目いっぱい発電して出来高払い、発電量制御不可能な太陽光発電は、やっぱり「稼働率約1割」。逆立ちしたって、基幹電源に何ぞ、なり様が無いのである。

 そりゃ、二酸化炭素も、放射性廃棄物も出さないけどさ。発電量が制御不可能で稼働率が低いのだから、原理的に基幹電源にならないぞ。少なくとも、我が国の様な島国では(※2)。


<注釈>

(※1) くどい様だが、斯様な「定格出力24時間365日発電」と言うのが、太陽光や風力発電では特にナンセンスである事は百も承知だ。だが、発電手段である以上、特に基幹電源を目指す発電手段は、「定格出力24時間365日発電」に対する実際の発電量を「稼働率」として評価すべきだろう。
 「定格出力24時間365日発電」が、理想的に求められる/期待される発電量であるのだから。 

(※2) 隣国から不足分の電力は輸入出来る、ドイツの様な立地条件ならまだしも。