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国際関係を近所づきあいに例え、「お隣の嫌がることはやらないでしょう」と大間抜けな事抜かしたのは、自民党歴代首相の中でも相当下位の福田元首相だ。
再三繰り返す通り、外交とは、戦争と同様に国益追求の手段である。我が国には憲法9条と言う境界条件があるから、戦争で国益追求する訳にはいかない。となればなおの事、外交は国益追求の手段である。「お隣の嫌がる事」であろうが、我が国益とあれば断行しなければならないし、断行するのが外交だ。
国益追求手段としての外交と言う意味では、安倍政権が実行している価値観外交は、相当な成果を挙げている、と人民網記事から、読み取る事が出来る。
【人民網】安倍氏の口から出任せと逆ねじで中日関係は悪化の一途
http://j.people.com.cn/94474/8315714.html
日本メディアによると、日本の安倍晋三首相は7日、参院選の党首討論で外交・安全保障問題について発言した。安倍氏は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題と南中国海問題にかこつけて中国のイメージに泥を塗り(※1)、誤った歴史観に基づく歴史の「誇り」、および「価値観外交」によって中国を封じ込める妄想(※2)を大いに語った。
数々の謬論は、日本の指導者の思想がどれほど混乱しており、中日関係の現在の深刻な困難が一体どのようにもたらされたものなのかを再びはっきりと世界の人々に見せた。
釣魚島問題と南中国海問題で安倍氏は「中国は今、力による現状変更を試みている。これは間違っている」と妄言を吐いた。
釣魚島及びその附属島嶼(日本名・尖閣諸島)は、その領海と領空の主権を含め中国に属する。中国の海洋監視船・航空機の正常な巡航は領土を守る責務の行使、自国の領土主権と権益の理にかなった合法的な維持であり、これについて非難し、干渉する権利は日本側には全くない。対日関係において中国側は常に自制を保ち(※3)、最大の誠意を堅持している。だがこれは、領土問題における日本側の度重なる挑発を座視するという意味では断じてない。
中国は善隣友好政策を堅持し、南中国海の平和・安定維持に尽力し、当事国の二国間友好協議・交渉を通じた係争の解決を堅持しており、いわゆる「力による現状変更を試みている」など話にもならない(※4)。ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議では多くの国々の外相が、南中国海の安定維持における中国とASEANの新たな進展を十分に認め、南中国海係争は直接の当事国による協議・交渉を通じて解決すべきだと指摘した。外部勢力と域外国は南中国海係争に介入すべきでないし、南中国海問題は国際化すべきではない。さもなくば問題の解決にマイナスとなる(※5)。ASEAN諸国は中国と共同で地域の平和・安定を守る意向を次々に表明している。
歴史問題で安倍氏は「各国共に自国の歴史に誇りを抱いている。互いに尊重することが大切だ」との理論をもっともらしくぶち上げた。
日本軍国主義の対外侵略の歴史については揺るぎない証拠があり、国際社会ではとうに最終結論が出ている(※6)。この不名誉な歴史について深く反省することを拒絶し、「自国の歴史に誇りを抱く」と通り一遍な議論をするのは、靖国神社参拝や歴史改竄教科書と同様、誤った歴史観の露呈だ。世界公認の正しい道理と戦後国際秩序に公然と挑発するようでは(※7)、日本が国際社会から尊敬を得るのは不可能だ(※8)。
いわゆる価値観外交のためにあちこちで壁にぶつかってもなお、安倍氏は自分でも信じていない「構想」によって有権者を欺き、「日本と同様の志を持つ国と同盟を結ぶことで中国を変えさせる」などと大口を叩かずにはいられない(※9)。
安倍氏はどうやら忘れたようだ。歴史上犯した侵略の罪について省察することを拒絶する国が、アジア諸国の信頼を得ることは全く不可能であり、ましてや普遍的価値観などと大口を叩く資格はないということを(※10)。アジア協力の大局に楔を打ち込もうとする日本の企みは、アジア諸国の強烈な反感を招く運命にあり(※11)、何の利益も得られない(※12)。
中日関係の今日の局面は、完全に日本側が一方的にもたらしたものだ。昨年9月の日本政府の不法な「島購入」は、中日関係に深刻な打撃を与えた(※13)。その後、日本側はしきりに挑発を繰り返している(※14)。釣魚島問題では決して悔い改めず(※15)、歴史問題では逆行し(※16)、外交では「対中包囲網」を煽動しているのだ。これに対して中国政府と中国国民が全く無関心で、放置して取り合わないことがどうしてできようか(※17)?
今年は中日国交正常化41周年だ(※18)。日本側は両国の昔の代の指導者のように、国家としての責任、政治的な知恵、歴史への責任を具体化し、困難を克服して引き続き前向きに発展するよう中日関係を後押しする必要がある(※19)。安倍氏のように口から出任せを言い、逆ねじを食わせるようでは、事態はまずくなる一方だ(※20)。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年7月8日
<注釈>
(※1) つまり、「中国のイメージ悪くなった」事だけは、流石に自覚があるのだな。(※2) 「妄想」ならば、実害はなく、非難するにも値しないだろう。かくも盛大に非難するという事は、「中国封じ込め」がある範囲で有効である事の証左だ。
(※3) 人民解放海軍艦艇が、中央政府の事前承諾もなく、外交部も知らないうちに射撃管制レーダーを我が自衛艦へ向けて照射しておいて、かね。全く、恐れ入るなこの厚顔無恥には。(※4) 南沙諸島を占領しておいて、かね。チベットやウイグルを併呑して、もあるな。(※5) 実に正直だな。「それは中国にとって都合が悪い」だろう。
(※6) それって、東京裁判のことを言っているのかね。笑止だな。(※7) 「世界公認の正しい道理」とは、安倍政権の掲げる価値観外交でいう「自由・人権・民主主義」ではないのかね。戦後国際秩序に公然と挑発しているのは、正に中国ではないか。(※8) 少なくともいくつかの調査では、中国より我が国の方が遥かに尊敬されていますが、何か?「尊敬を得るのは不可能」な筈じゃないのかね?
(※9) ただの大口ならば、叩かせておけば宜しい。「大口を叩かずにはいられない」などと非難する必要すらない。左様な非難を態々報道記事にし宣伝吹聴しなければならないのは、その「大口」が、確かに有効だから、だ。
(※10) 誰が、何を、忘れているって?(※11) 「運命にあり」という事は、未来形だな。まだ「アジア諸国の強烈な反感」は「招かれていない」という事だ。さあ、半島は韓国と北朝鮮位は、支那の尻尾になりそうだがね。あとはどれだけ続くやら。こりゃ見ものだぞ。(※12) ならば、中国にとって願ったり適ったりだろう。なにも日本に「忠告」する必要もあるまい。(※13) 事実として、私有であった島を、我が国の国有に出来たのは、我が国が支配しているから、だ。中国共産党政権が支配する島ならば、日本の国有化は出来まい。(※14) 射撃管制レーダーを照射する以上の挑発と言ったら、発砲ぐらいしか思いつかないんだが…ああ、体当たり攻撃があったか。でも、どっちも我が国はやってないし、体当たりしたのは中国の「漁船」だ。で、「日本側はしきりに挑発を繰り返し」ってんだから、笑うしかないな。(※15) 「悔い改め」るとどうするんだ?十字でも切るのか?(※16) そりゃ、民主党が随分「先行」していたからねぇ。(※17) つまり、いずれも有効な手段、という事だ。
(※18) 「41周年」って、何かの区切りなのかね?
(※19) その「昔の代」が、中国共産党政権の言う「棚上げ論」を「黙過した」事が、今日の事態を招いているのであろうが。
(※20) それこそまさしく、「日中関係の正常化」だろう。
良き事なり、と受けつ
さて、如何だろうか。安倍首相の価値観外交の成果、上掲人民網記事に明白に表われていたろうか。
「明白に」と言うのは議論の分かれるところかもしれない。上掲人民網記事は、表面上安倍政権に対する罵詈雑言であり、安倍首相の「誤った歴史認識」と「価値観外交」、分けても「対中国包囲網」を「逆ねじ」だの「大口を叩く」だのと、非難と言うより誹謗中傷に近い。
また、上掲人民網記事を含め、大陸は支那における「報道」は、中国共産党の謀略宣伝と考えるべきであり、少なくとも「中国共産党により、事前検閲削除されることは免れた」という事は念頭に置くべきだろう。況や人民網は、人民日報を母体とする電子版新聞であり、押しも押されもせぬ「党の口舌=宣伝機関」だ。
即ち、上掲人民網記事と、人民網が典型的な「党の口舌=中国共産党宣伝機関」である事からすれば、殆ど議論の余地無く以下の事が言える。
【1】「安倍首相の歴史認識、価値観外交、対中国包囲網は、中国共産党政権の嫌がる事である。」
ここで先述の、上掲記事でいう「昔の代の指導者」にあたるのかも知れない福田元首相の「知恵」を適用するならば、「お隣の嫌がることはやらないでしょう」だから、価値観外交も対中国包囲網も中断し、歴史認識さえ「近隣諸国に配慮」する処だろう。実際、それに近い行動をとってきた歴代首相は枚挙に暇が無い。その筆頭は何と言っても三代民主党首相達ではあるが、先述の通り福田元首相は自民党である。
「外交は国益追求の手段」と言う「正しい外交認識」を持たず、「外国と仲良くするのが外交」とでも勘違いしているんだろう。「外交とは、他国同士を争わせる術」なんて説も「遠交近攻」なんて言葉も知らなかったのに違いない。あるいは憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」なんて空念仏を鵜呑みにしていたか。確かに、そんな輩なら、
1〉 中国は善隣友好政策を堅持し、南中国海の平和・安定維持に尽力し、
2〉 当事国の二国間友好協議・交渉を通じた係争の解決を堅持しており、
3〉 いわゆる「力による現状変更を試みている」など話にもならない
なんて上掲記事の主張も、鵜呑みに出来そうだ。
だが、僅かばかりの常識と史実を知り、この世の醜さ人間の愚かさを正視する勇気ある者からするならば、「諸国民」は「平和を愛してなんかいない」し、「諸国民の公正と信義」なんざぁ「信頼できることの方が珍しい」ぐらい。況や大陸は支那の中国共産党政権に至っては、朝鮮戦争からチベット併呑、南沙諸島占領まで、侵略実績随時更新中の一党独裁国家である。価値観外交の掲げる「自由・人権・民主主義」に人類普遍の価値があるか否かは議論の余地があっても、中国共産党政権が「自由・人権・民主主義」と相容れない事には、議論の余地は無かろう。であるならば、価値観外交が対中国包囲網になるのは当然で、その事に安倍首相の歴史観は直接の関係はない。
而して、安倍首相の歴史認識、価値観外交、対中国包囲網が、上掲記事にある通り「妄想で大口」であるならば、実害はないのだから非難する価値は無い。上掲記事の通り「ヘイトスピーチ直前」の激烈な非難を宣伝吹聴するという事は、以下のことを明示している。
【2】「安倍首相の歴史認識、価値観外交、対中国包囲網は、中国共産党政権に対し有効である。」
上記【1】【2】を踏まえた上で、さて、我が国の国益は、「日中友好」であろうか、それとも「価値観外交」であろうか。
ま、答えは自明だな。
安倍首相は、価値観外交を断固続行すべし。
それは、我が国の国益であるが故に。