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 再三繰り返す通り、私(Zero)は「福島原発事故を経てなお原発推進論
者」だ。従って、我が国の原発輸出にも積極的な賛意を表明している。
 対して、東京新聞はじめとする(※1)脱原発原理主義者達は、総じて「日本の原発輸出に反対」である。ところが、その「脱原発原理主義者の日本製原発輸出反対論」と来た日には、まあ、ロクでもないモノばかりで、以前取り上げた朝日社説は原発ではなくインフラ整備で貢献しろ!」とか(※2)核不拡散の為に原発輸出するな!」(※3)(※4)とか、おかしな理屈ばかり述べる。甚だしいのは東京新聞で、「原発政策 国内外で使い分けるな」では日本の原発輸出に反対していたはずが、「日印原子力協定 経済優先がすぎないか  (※5)」では核不拡散の為の日本製原発輸出」を、少なくとも容認、恐らくは推進しているぐらい。

 全国紙の「一流紙」と呼ばれる新聞からしてこの体たらくだ。混乱と言うより混沌としている。であるならば、沖縄と言う特異な地理条件に安穏としている(※6)琉球新報の社説が混沌化するのは無理もない、と言えるかもしれないが・・・

<注釈>

(※1) 具体的には、朝日、琉球新報、沖縄タイムスの「三アカ新聞」に、東京、毎日を加えた五紙が挙げられよう。
 「左翼が脱原発で、右翼が原発推進/擁護なのは何故か?」とは、だいぶ以前にMunemitsu様から頂いた質問。その際にはろくにお答えできなかったが。今では、「日本の核武装の可能性を容認するか否定するか」ではなかろうかと、考えている。
 日本が「脱原発」したならば、「日本核武装」の可能性は、相当に低下させられる。大陸の中国共産党や、半島の朝鮮労働党及びそれらに追従する左翼にしてみれば、こんな好機は見逃さないだろう。
 無論、心底から誠心誠意「脱原発」と言う人もあるかも知れないから、「脱原発論者」を「左翼」と決めつけるとは、私(Zero)はしないが。 

(※2)インフラは、発電しないだろう。相手は「原発を輸入しよう」としているのに、インフラ整備を提案するなぞ、頓珍漢も良い処。気違いに近い。 


(※4) 日本が原発輸出を止めても、核不拡散には貢献しない。「核拡散に貢献してしまう」事を回避出来るだけ。相手は、日本以外から原発を買うだけだ。 


(※6)と、考えると合点がいく 


【琉球新報社説】対印原発輸出 再生エネルギーで貢献を
2013年5月31日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-207357-storytopic-11.html
 あまりにも経済優先でモラルを欠いたダブルスタンダード(二重基準)ではないか。安倍晋三首相は、インドのシン首相との間で、原発輸出を可能にする原子力協定の早期妥結で合意した。
核兵器を保有するインドは、核拡散防止条約(NPT)に加盟していない。過去に核実験を行い、核弾頭搭載可能な弾道ミサイルの発射実験を繰り返してきた。同国への原発技術の供与は軍事転用などの核拡散につながる可能性が否定できない。 北朝鮮には核放棄を求めながら、一方でインドにはなぜ寛容なのか。ダブルスタンダードに映る。
日本は被爆国として、核廃絶を訴えてきた。ところが4月、その実行性に疑問符が付く出来事があった。70カ国以上の賛同を集めた「核兵器の人道的影響に関する共同声明」への賛同を見送ったからだ。理由は、米国の「核の傘」に依存する国策の否定につながりかねないというもので、自己矛盾もはなはだしい。
今回、NTP未加盟のインドに原発を輸出すれば、日本の唱える核廃絶は、ますます説得力が乏しくなるだろう。
国際原子力機関(IAEA)との包括的保障措置(査察)協定を結んでいないインドには、本来原発を輸出できない。しかし対印原発輸出を進める米国がインドを例外扱いにして、輸出を可能にしてしまった。安全より商売優先だ。
国内では運転停止中の原発の再稼働を含め、原発新設に慎重なのに、海外への売り込みとなるとこうも違うのか。これもダブルスタンダードだ。安倍首相は何を根拠に世界一安全な原発と言っているのか。理由を明らかにしてほしい。トップセールスで積極的に原発を輸出することが、果たして成長戦略と呼べるのか疑問だ。
福島第1原発事故から2年以上たってもなお、放射性物質に汚染された廃棄物や汚染水処理のめどは立たず、除染作業も続く。原発事故の教訓は、人間の手で原発を制御できない、というものだ。事故を機にドイツは脱原発へ政策転換した。
英国の調査機関によると、風力や太陽光などの再生可能エネルギーは、大型水力発電を含めると、2030年には最大で世界の総発電量の37%を担う可能性があるという。日本は原発輸出を凍結して再生可能エネルギー分野で世界に貢献すべきではないか。


.
再生エネルギーが登場するのは、最後の2行


 さて、如何だろうか。

 ご覧の通り、社説の大半は「対印原発輸出反対」に割かれている。だが、その中でさえ「対印原発輸出反対」の理由は、主に「核不拡散」と「核廃絶」のため。どちらも「原発輸出が核兵器開発につながる」事から来ているのだろうが・・・

1>  核兵器を保有するインドは、核拡散防止条約(NPT)に加盟していない。
2> 過去に核実験を行い、核弾頭搭載可能な弾道ミサイルの発射実験を繰り返してきた。
3> 同国への原発技術の供与は軍事転用などの核拡散につながる可能性が否定できない。

と言うのだから、先ず訳が判らない。上記1>で琉球新報自身認める通りインドは核兵器保有国だ。だから、今更インドがいくら核兵器を作ろうとも、それは「核拡散」とは言えないだろう。
 上記3>「可能性が否定できない。のは、その通りであるが、それは、インドならざる核兵器保有国以外でも同じ事。原発技術が核拡散につながらないよう配慮は必要であろうが、日本が原発輸出しなければ、余所から買うだけのインドに、なんの「軍事転用など」があろうと言うのか。
 況や、既にに核兵器を開発製造し、核兵器保有国であるのがインドだ。核兵器づくりの、少なくとも基本技術は既に有している。そのインドへの原発輸出が、上記3>「軍事転用などの核拡散につながる可能性が否定できない」とは、ためにする反対、反対の為の反対、「原発輸出禁止」の自己目的化であろう。

 挙句の果てに・・・

4>  北朝鮮には核放棄を求めながら、一方でインドにはなぜ寛容なのか。ダブルスタンダードに映る。

・・・端的に言って、「北朝鮮の核兵器は我が国にとって脅威であるから」だ。北朝鮮の核兵器開発阻止は、「核兵器廃絶」などと言う空念仏の為ではない。同時に、北朝鮮は未だ核兵器保有国と「公認」されていないから、でもある。そんな視点が全く欠落しているのは、流石は琉球新報と言うべきか。

 で、「核不拡散」「核兵器廃絶」の為の「対印原発輸出反対」を並べ立てた後は、①「原発輸出が成長戦略につながるとは限らない」 だとか、②「福島原発事故の惨状」 ③「福島原発事故後、ドイツは脱原発に転じた」 と、まあ、思いつける限りの「対印原発輸出反対理由」を挙げている様だが、実に馬鹿馬鹿しい限りだ。辛うじて、上記①「原発輸出が成長戦略につながるとは限らない」は、「日本としてのメリットが小さい可能性(※1)」ではあるが、上記②も③も、インドの原発輸入にも日本の原発輸出にも、全く関係ない。脱原発するのは(※2)ドイツの勝手であるし、福島原発事故を経てなお原発を輸入しようとしているのは、インド(※3)だ。

 挙句の果てに最後の2行で・・・・

5>  英国の調査機関によると、風力や太陽光などの再生可能エネルギーは、
6> 大型水力発電を含めると、2030年には最大で世界の総発電量の37%を担う可能性があるという。
7> 日本は原発輸出を凍結して再生可能エネルギー分野で世界に貢献すべきではないか。

…いや、実に美事な逃げ口上だ。上記6>「大型水力発電を含めると」と入れる/入っている事で上記6>「2030年には最大で世界の総発電量の37%を担う可能性」に一定の現実味を与えている。何より上記5>「英国の調査機関によると」であるから、その「37%」の大半を大型水力発電が占め様が(※4)、そもそもこの予想が大外れに外れ様が、琉球新報としては一切関知しない事が出来る。

 ああ、当該社説を通じて、一つだけ喜ばしい事実があるな。

 「ダブルスタンダード(二重基準)は、「悪い事」と言う認識が、琉球新報にもある。」事が確認された事。
 尤も、琉球新報の言う「ダブルスタンダード」は、相当に恣意的なものでありそうだが。


<注釈>


(※1) メリットである可能性さえあるならば、それに賭けるのは、別に悪い事でもあるまいに。 

(※2) それが、「電力不足になれば外国から電力を輸入できるナンチャッテ脱原発」であろうとも。 

(※3) インドばかりに限らないが。 

(※4) そうでなければ、その「37%」は殆ど役に立たないだろう。水力発電ならば、水量が充分なウチは制御可能な発電力である。が、太陽光も、風力も、発電量は制御できない。