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 「西部劇の古典(※1)」と言って良さそうな映画「シェーン」の冒頭は、些か衝撃的なシーンから始まる。やって来る余所者・シェーンに対し、未だ小学校低学年ぐらいと思しき男の子が長大な旧式小銃を構えて「我が家を守ろう」とするシーンだ。その直後に、男の子の父親が余所者・シェーンに対して、この旧式小銃が弾丸の出ないシロモノである事を説明するシーンがあり、視聴者は一安心できる。だが、年端も行かぬ子供に実弾が出ないとは言え実銃を持たせ、使い方を教える(※2)親の教育方針であるとか、その「実弾は出ない実銃」で余所者に対し我が家を守ろうとする男の子の高い防衛意識であるとか、その男の子の持つ銃が「実弾が出ない」なんて遠目からは絶対に判らないのだから、出合頭に男の子が余所者に射殺されたかも知れない事実(※3)共々、「西部劇」と言うある種「架空のアメリカ」を背景としても、深く考えさせられるシーンだろう。

 少なくとも現代アメリカの一部では、衝撃的な「シェーン」冒頭シーンに類似した状況が再現されているから、尚更だ。

<注釈>


(※1) 西部劇の大半は古い映画なのだから、「メジャーな西部劇」はほぼ自動的に「古典」になってしまうのだが。 

(※2) 使い方を教えるのでなければ、実銃を持たせる意味が無い。 

(※3) 言うまでも無かろうが、シェーンは映画タイトルにもなる位だから此の西部劇のヒーローで(主人公は、男の子の方だろう。多分。)、射撃の名手。特に扇撃ちを応用した早撃ちは、西部劇史上伝説的な程だ。 



【AFP】「初めてのライフル」で妹を射殺、相次ぐ悲劇に揺れる米社会
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2942004/10683733

5月4日 【AFP】5歳の男児が2歳の妹を誤ってライフルで射殺した事故は、米国でこれまで幾度となく繰り返されてきた銃についての議論を再燃させた。

米ケンタッキー(Kentucky)州カンバーランド(Cumberland)郡で4月30日に起きたこの事故を引き起こした22口径ライフルは、「マイ・ファースト・ライフル」のキャッチコピーで子ども向けに販売されていた「クリケット(Crickett)」というブランドだった。この銃は事故当時、兄妹の自宅の部屋の片隅に、弾丸一発が装填された状態で置かれていた。

今回が他の似たような事故と異なるのは、銃が男児のものであったという点だ。ライフルは昨年、プレゼントとして買い与えられていた。

「常軌を逸した事故の一つにすぎない」。カンバーランド郡検視官のゲイリー・ホワイト(Gary White)氏は、地元紙レキシントン・ヘラルドリーダー(Lexington Herald-Leader)にこう語った。「子ども向けの小型ライフルだった…男児は、この小さな銃を撃つことに慣れていた」

クリケットのメーカー側は、この件について今のところコメントを出していない。この銃はグリーンとブルーの他、女の子向けとしてピンク色のモデルも販売されている。

コネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で子ども20人と大人6人が犠牲になった銃乱射事件の衝撃にいまだ揺れる米国で、今回の事故は新たな怒りの声を生み出した。

銃規制を呼びかけるロビー団体「Americans for the Protection of Children(子どもを守る米国人)」は、「クリケット、全米ライフル協会(National Rifle Association、NRA)とその支持者らが、われわれの子どもたちに向けて銃を販売するのを阻止する」ためのオンライン請願運動を立ち上げた。

一方、NRAはテキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)での年次総会に合わせ、子ども向け銃のメーカー各社を招いて「若者の日」を5日に開催する予定だ。請願運動はこれを「恐ろしいことだ」と批判している。

■年間6万丁販売される子ども向けライフル

2日の時点ですでにアクセス不可能となっているクリケットのウェブサイトには、ライフルを扱う子どもたちの写真、数十枚が掲載されていた。中には迷彩柄のロンパースを着て、膝に置かれた銃をしっかりとつかむ赤ちゃんの写真もあった。

クリケットの製造元でペンシルバニア(Pennsylvania)州に本社を置くキーストーン・スポーティング・アームズ(Keystone Sporting Arms)は、同ブランドのライフルを販売初年の1996年に4000丁、2008年には約6万丁を販売したとしている。

同社は「銃を使う若者たちに安全性に対する意識を植え付け、狩猟や射撃に必要かつふさわしい知識と敬意を身に着けるよう奨励する」ことを目指しているとうたう。

重さわずか1.1キログラムで銃身40センチメートル、全長が76センチのクリケットは、一度に一発しか撃つことができない単発式で、引き金はロックすることができる。モデルごとに異なる価格は110~140ドル(約1万1000~1万4000円)で、大手小売店ウォルマート(Walmart)で簡単に購入できる。

銃に関する意見交換サイト「ファイアリング・ライン(The Firing Line)」には、わが子にライフルを買い与えた親たちが集まり、その経験について熱のこもった書き込みをしている。中には、3歳の子に銃を与えた親もいる。

「息子が私と一緒に銃声を聞きたがるのでワクワクしている。息子が何を撃とうが構わない。今の時点では、何でも『大当たり』だ」。ユーザー名「Saltydog235」さんは4歳の息子について、2010年にこう書き込んだ。「息子には今、銃の安全性と扱い方について教えている。今の時点では、正確さよりもその方が重要だ」

■子どもは「新たな顧客層」

非営利組織(NPO)「バイオレンス・ポリシー・センター(Violence Policy Center)」のジョシュ・シュガーマン(Josh Sugarmann)事務局長は、米国には「さまざまな種類の」銃が幼い子ども向けに販売されていると指摘。米ABCニュース(ABC News)に対し、「ここ数十年にわたり銃の所有者数は減り、銃器産業は衰退を続けている。たばこ(産業)と同じように、銃産業には新たな顧客層が必要なのだ」と説明した。「子どもたちを将来の銃の消費者として取り入れるには、幼いうちが最も効果的だ」

米国児童青年精神医学会(American Academy of Child and Adolescent Psychiatry)によると、米国では年間、10代の若者と子ども合わせて3000人以上が銃により死亡し、1万5000人以上が負傷している。これはつまり、イラク戦争があった約9年間において、米兵の死者数を上回る子どもたちが犠牲になったということだ。

今年4月初めには、ニュージャージー(New Jersey)州で4歳の男児が一緒に遊んでいた6歳の男児の頭部を撃つ事件が、その2日前には、テネシー(Tennessee)州で家族とバーベキューをしていた4歳児が女性を撃ち死亡させる事件が起きている。
(c)AFP/Fabienne Faur

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②【ロイター】全米ライフル協会が年次総会、幹部「自由が攻撃の対象に」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94400020130505/
2013年 05月 5日 09:03 JST

[ヒューストン 3日 ロイター] 米国の銃愛好家らでつくるロビー団体、全米ライフル協会(NRA)の年次総会が3日、テキサス州ヒューストンで始まっ
た。同協会の幹部らは、わずか数人の犯行によって法律を順守するすべての銃保持者が非難されているとし、このような非難は止めるべきだと強調した。
NRAの幹部クリス・コックス氏は「われわれの自由が、かつてないほどの攻撃の対象となっている」と指摘。「混乱した犯罪者が無実の子どもを殺害すると、われわれの責任とされる」と述べた。

テキサス州のリック・ペリー知事は「正常でない、悪意に満ちた人物が恐ろしい事件を起こした場合」、新たな規制法案を加えようと銃規制派が呼び掛けを始めるとし、そのような法案は法律に従う米国人が銃を持つことをより困難にさせるだけだと語った。

またNRAのウェイン・ラピエール副会長は、「われわれは米国人であることを誇りとし、自らの自由を守っていく」と述べた。

年次総会は5日まで開催され、会合や展示などが行われる。主催者は約7万人が来場すると予想している。今回の大会は、昨年12月にコネティカット州の小学校で児童を含む26人が死亡した銃乱射事件の発生以来、初めての開催となる。




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