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 中国人民解放軍による日本侵攻を描いた小説「新・次の一戦( http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37955670.html )」に於いて、私(Zero)は人民解放軍の第一撃をサイバー攻撃として描いた。これは私の独自の発想でもなんでもなく、リアルな武力攻撃とサイバー攻撃の併用は、チェチェン紛争におけるロシア軍も実施した事が知られている。その一方で、同小説の解説部分に書いた通り、「サイバー攻撃の特徴」は「攻撃主体の正体を隠匿しやすい事」にある。かてて加えて(※1)、如何なるレベルのサイバー攻撃を以ってリアルな武力攻撃と同等の戦闘行為とみなすか、戦争と見なすかと言う点では未だ明確な国際的合意は無い(※2)。これ即ち現状は、「如何なるレベルのサイバー攻撃を以て戦闘行為=開戦と見なすかは、サイバー攻撃を受けた当時国次第」とも言い得る。

 であるならば、「米中は既に交戦状態である」と、言えない事もなさそうだ。


<注釈>


(※1) これは小説「新・次の一戦」ではふてていなかった部分であるが。同小説ではサイバー攻撃は、リアルな武力侵攻に先立ち、支援するものと位置付けた。 

(※2) 「私の知る限りは」だが。 



【ロイター】中国、軍近代化に向け国家ぐるみで産業スパイ活動推進=米国防総省
  
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE94501T20130506
2013年 05月 7日 06:21 JST

[ワシントン 6日 ロイター] 米国防総省(ペンタゴン)は6日、中国が急速な軍近代化を進める上で必要となる技術を得るため、国家ぐるみで産業スパイ活動を行い、海外の軍需企業への依存度を減らしているとする報告書を公表した。
報告書では「中国は軍事的な研究開発等に利用し得る技術や専門性の強化に向け、海外投資、商業合弁事業、学術交流、帰国した留学生や研究者らの経験に加え、国家が支援する産業・技術スパイを利用している」と指摘。具体的には、経済スパイ活動や企業秘密の不正入手、輸出規制違反、技術移転などが含まれるとした。

中国が発表した2013年度の国防費予想は前年比10.7%増の1140億ドルだが、米国防総省では、中国の国防費が12年度の段階で1350億─2150億ドルに達していたと推計している。


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我が国にとって米中戦争は、米中結託よりはマシである


 さて、如何だろうか。

 ロイターが報じるのは、米国防総省が公式に「国家ぐるみの産業スパイ活動」を認め、

1〉 国家が支援する産業・技術スパイを利用している」と指摘。
2〉具体的には、経済スパイ活動や企業秘密の不正入手、輸出規制違反、技術移転などが含まれるとした。

と報告した、と言うモノ。

 先述の( あるいはタイトルにした )サイバー攻撃/Cyber Warと断じるのには些か飛躍が有る事は認めなければならない。が、上記2〉「企業秘密の不正入手」には「ハッキングによる情報入手」が含まれると解釈できるが、それを「サイバー攻撃/Cyber Warと断じる」特に「リアルな戦闘行為と同等な、サイバー攻撃/Cyber Warと断じる」には無理がある。その意味で、先述の『「米中は既に交戦状態である」と、言えない事もなさそうだ』は「米中戦争、米中開戦を煽っている」と批難されてもやむを得なかろう。

 さらには、アメリカ側から中国に対し、サイバー攻撃を準備中とか実施したとか言う情報はトンとないし、「Zeroは米中戦争を煽っているが、無駄な事だ。」なんて非難も、聞こえて来そうだ。

 だが、リアルな武力攻撃だって、成功させるためには事前の偵察・情報収集が重要であろう(※1)。ハッキングはある種の情報収集であり、「サイバー攻撃に於ける偵察」と解釈する事も出来る。

 確かに上掲報告書で国防総省が公式に認めたのは、「中国国家ぐるみの産業スパイ活動」までであり、直接「ハッキング」にすら触れていない様であるし、上述の通り「米中開戦/米中戦争」にはさらに程遠いのも事実だ。だが、上掲報告書が出される以前、米国防総省が「中国国家ぐるみの産業スパイ活動」を公式に認めていない状態に比べれば、公式に認めた現状は、より「米中戦争、米中開戦に近付いた」とは言い得よう。

 私(Zero)は、「米中戦争、米中開戦を望んでいる」訳ではない(※2)。

 だが、章題にもし、前述の小説「新・次の一戦」にも示した通り、「我が国としては、米中結託よりも米中開戦の方が望ましい」と考える。「理想は、米中冷戦なのではないか」とすら考えている。

 であるからこそ、些か扇動的とも言える冒頭記述『「米中は既に交戦状態である」と、言えない事もなさそうだ。』なのである。確かにこの冒頭記述は扇動的ではあるが、上掲ロイター記事報じる国防総省報告書が、我が国にとってのある種朗報である事は、間違いなかろう。



<注釈>


(※1) 下手な偵察は、攻撃意図を察知され、奇襲効果を殺ぐ可能性もあるが。 

(※2) まあ、信じる者も、信じない者もあろうが。