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「バズーカ砲」と言うのは「大口径大威力の必殺兵器」と言うイメージがあるら
しい。
本来はアメリカ軍が第2次大戦末期に開発した肩撃ち式の対戦車ロケットランチャーM1/M9の俗称。第2次大戦で急速に発達・大型化して「歩兵の携行火器では最早手に負えなくなった」戦車に対し、再び歩兵から一矢を報いるべく、成形炸薬弾頭のロケットランチャーとして開発され、ドイツ軍も同様の拡大型8.8㎝口径のパンツァー・シュレックを第2次大戦に投入したし、米軍も口径大型化したM20スーパーバズーカを開発している。
とは言え、朝鮮戦争勃発当時は韓国軍が持つ唯一の対戦車火器であり、それが北朝鮮軍の主力戦車T-34/85に対し全く無力であったと露呈したのが朝鮮戦争劈頭の韓国軍・米軍大敗退の一因だった。
だから、なまじっか史実戦史を知っている私(Zero)何ぞには、「バズーカ=大口径大威力」とは、少なくとも直接には結びつかない。後にT-34/85に対しても有効なM20スーパーバズーカが投入され、毎度おなじみ航空支援(*1)や機甲戦力=戦車部隊の増援と相まって「バズーカの汚名」は些かなりとも雪がれたし、CityHunterでマッチョな大男・海坊主が軽々と振り回して大活躍しているし、成形炸薬弾の他に、榴弾、白燐弾、照明弾と弾種も豊富で使い勝手が良い。我らが陸上自衛隊でもM20スーパーバズーカは、長い事「普通科(*2)の友」であった。故に「バズーカ砲」と言う名前そのものには、好印象を私(Zero)も持っている。
そんな「バズーカ砲に対する好印象」と言うのは、ロイター紙も共有しているモノ、らしい。
<注釈>
(*1) 米軍と言えば、航空支援・ヤーボである。【断言】(*2) 陸上自衛隊で言う「歩兵」。海上自衛隊の平仮名艦名共々、「国防軍化」するなら是非にも改めて欲しい処だな。ああ、階級名称もな。「一尉」を「大尉」にすると、読み方でもめるかも知れないが。(普通は「たいい」だが、帝国海軍では「だいい」だった。)
①市場も驚いた異次元緩和、黒田日銀の「バズーカ砲」炸裂
2013年 04月 4日 16:42 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93304D20130404/?sp=true
?[東京 4日 ロイター] 黒田日銀の「バズーカ砲」に市場も驚いた。長期国債やETFの買い入れ額は市場の予想上限さえ上回ったことで、ドル/円は2円以上円安に振れ、約200円安だった日経平均は272円高まで急反転。10年債利回りは史上最低水準を更新した。政策目標を金利からマネタリーベースの量に変更したことは、ボルカー元FRB(米連邦準備理事会)議長がとったインフレ退治政策以来の衝撃との声もある。
<ECBのLTROに匹敵>
黒田総裁就任からちょうど2週間。時間の乏しさや購入可能な資産は限られているとの見方から、今回の決定会合ではサプライズはないと高をくくっていた市場参加者も多かったが、黒田東彦日銀総裁が、就任後初の日銀決定会合で打ち出した金融緩和策は、予想されていた緩和メニューがほぼ盛り込まれ、各資産の購入額も市場予想の上限さえ超える内容となった。
長期国債の償還を考慮しないグロスの買い入れ額についての市場中心予想は月5兆円、上限でも6兆円だったが、今回の緩和では7兆円強になる見込みだ。長期国債購入の上限を定めていた銀行券ルールは一時、停止されることになった。上場投資信託(ETF)は市場規模が4.4兆円程度と小さいため、増額されても少額との予想が多かったが、これも市場予想を大きく上回り、ETF及びJ─REITの保有残高は、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加するよう買い入れることになった。
シティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏は、ドラギECB総裁のLTRO(長期流動性供給オペ)に匹敵するような黒田総裁の「バズーカ砲」がさく裂したと指摘。「現時点でできるものは全て出したという印象だ。打ち止め感さえ心配されるほどだが、海外勢は日本勢以上に驚きをもって受け止めそうであり、材料出尽くしにはしばらくならないだろう」との見方を示す。
<ボルカー以来の衝撃>
今回の「量的・質的金融緩和」では金融市場調節の操作目標をこれまでの無担保コール翌日物からマネタリーベースに変更し、年間60─70兆円に相当するペースで増加させる。「金利」からマネーの「量」にターゲットを変更したわけだが、市場では「政策目標がわかりやすくなり、市場とのコミュニケーションがとりやすくなる」(国内銀行)と好評だ。
三菱東京UFJ銀行シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は「1979年にボルカー元FRB議長が、米国のインフレを止めるために、マネタリーベースの量をターゲットにし、インフレを退治した。黒田総裁がデフレを止めるためにマネタリーベースの量を目標を変更したことは、それ以来のインパクトがある」と驚きを隠さない。
3月ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数が5カ月ぶり低水準となったことで、今週末の3月雇用統計に警戒感が強まっている。米10年債利回りは1.811%に低下し、ドル/円も上値が重くなっているが、日本の10年債利回りは0.43%を割り込み、史上最低水準を更新した。「ここまで日本国債の利回りが押し下げられるとドル高/円安要因になる」(国内シンクタンク)との見方が多く、ドル/円は4日夕方時点で95円前半まで上昇。調整が続いていた日経平均も円安を好感し、一気に年初来高値を視界にとらえた。
ただ、中央銀行がマーケットに深く介入することで発生する「歪み」には警戒が必要だ。円債市場の財政規律に対する警告機能は事実上失われてしまった。企業業績も市場の期待ほどには回復していない。衝撃の「余韻」はしばらく続きそうだが、資産価格が経済実体から大きくかけ離れれば、反動も大きくなる。
(ロイターニュース 伊賀大記;編集 久保信博)
②英FT紙「日本が金融革命」とトップで報じる 日銀の新緩和策を詳しく
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130405/fnc13040511230014-n1.htm
2013.4.5 11:22 [欧州]
衆院議院運営委員会で所信を述べる日銀の黒田東彦総裁=5日午前、国会・衆院第3委員室(酒巻俊介撮影)
5日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は、日銀が決定した新たな金融緩和策について「日本が金融革命」とするトップ記事を掲載、「世界で最も慎重だった中央銀行が、日本の力強い成長と物価上昇率を取り戻すため、他の中銀の先を行こうとしている」と報じた。
記事は、日銀が今年、国債などの買い入れ増額により、資産規模を国内総生産(GDP)比で毎月1%ずつ拡大させるとの見通しを紹介。米連邦準備制度理事会(FRB)が現在、毎月0・54%の拡大ペースなのと比較し、「非常に大胆で驚きを与えた」とする市場関係者の言葉を伝えた。
別の社説でも「黒田東彦新総裁が、20年間失敗を重ねてきた日本の金融政策に、最初の政策決定会合で大変革をもたらした」と評価した。
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バズーカ砲、旧式武器とて、使い様
さて、如何だろうか。
安部自民党政権発足に伴い、「アベノミクス」を担う期待の新日銀総裁として出発した黒田氏に対し、ロイターもファイナンシャルタイムスも好意的な記事を書いて居る様だ。上掲記事①のタイトル「バズーカ砲」も「大威力」と言う肯定的なイメージで、「隠れバズーカ砲ファン(*1)」としては嬉しい限りだ。
尤も、黒田日銀総裁の「バズーカ砲」新金融緩和策については、上掲①、②のような肯定的評価ばかりではない。4/5のNHK-AM朝のラジオでは、何やら「有識者」だか「専門家」だかが登場し、「この金融政策は、一度発動したら止められない。泥沼だ。」とか、「従来型の金融政策と発想が変わらない」とか、「今度反動が来た時に、もう打つ手がなく、絶望的な状態に陥る」とか、いろいろ批判していた。尤も、批判はするが、代替案はと言うと、「経済がグローバル化してしまったが故に、国内経済が世界経済の影響を直接受けるようになってしまった。”自給率”を高めて世界経済の影響を局限化するような、抜本的政策が必要」とかナントカ抜かしていた。『なんだ、鎖国のススメか?この狭い国土に一億の人口を擁して文化的生活を営むのに、海洋立国貿易立国以外の解が、あるとでも言うのか?』と聞いていたら、「脱原発と自然エネルギー」と来たもんだから、”力が抜ける”どころの騒ぎじゃぁない。呆れ返ってしまった。
寝言は、寝たまま言っているから許されるのであって、起きたまま寝言言う奴は狂人だ。
再三繰り返す通り、我が国で「脱原発」なぞ愚挙にして暴挙であるし、福島原発事故を受けて「脱原発」に踏み切った数か国は、全て欧州に在って、発達した欧州電力網お蔭で「足りない電力は外国から輸入できる」国々。そんな国の「脱原発」なんざぁ、「お気楽脱原発」の「ナンチャッテ脱原発」だ。
「ドイツの電力貿易は輸出超過=黒字だぁぁぁぁぁ!」と喜んでいる人もあるらしいが、ソリャ「余って居る発電量を外国に買ってもらって、外国は制御可能な発電力=原発、火力の燃料代節約と水力の水量貯蔵に当てられた」と言うだけ。太陽光だの風力だの潮汐力だのは、制御不可能な発電力だから、「余ったら、外国に買ってもらう」なりなんナリして「燃料節約か水量貯蔵」に廻すか、チビチビとならば「蓄電池に貯める」ぐらいしか、消費のしようがない。で、電力の安定供給の最低限の目的は、「停電の回避」なんだから、「トータルで電力輸出入が黒字」である事なんかより、「電力が足らない時に輸入できる」事の恩恵・メリットの方が遥かに意義が大きい。「電力貿易量が一瞬なりとも赤字に転じた」と言う事は、「電力貿易が出来ない国ならば、停電に至って居た重大事態」だ。
而して我が国は島国であり、日本海を挟んだ対岸には原発大増産しても電力不足になりかねない様な国が揃って居る。何が、脱原発。なんの再生エネルギーなものかよ。況や、それが経済政策だと言うならば、これはもう噴飯もの通り越して宗教の領域だ。
脱原発原理主義も、ここまで来たか。病膏肓に入る、って奴だな。そんな狂人の黒田日銀総裁”バズーカ砲”新金融政策批判であれば、気にするまでもあるまい。
さはさりながら、事実として「バズーカ砲」が少なくとも対戦車兵器として「過去のモノ」になったのは確かだ。命中率も貫通力も向上した新型ロケットランチャーやら無反動砲やらミサイルやらが今はある。黒田日銀総裁の新政策が「従来の延長」であると言う点では上記「狂人」の言も正しかろう。その意味では「旧式兵器」と言えなくもない。
だが、旧式兵器とて使い様だ。バズーカ砲が多彩な弾種を利用すれば、現在でも用するように、黒田日銀総裁の「従来の延長」金融策とて、通用する可能性はあろう。
<注釈>
(*1) 隠れるまでもなく、「バズーカ砲ファン」ってだけで十分マイナーだが…歩兵の携行火器で戦車を仕留めるなんざぁ、”男のロマン”を感じるじゃぁないか。