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「レオパルドⅠ」とはまた懐かしい名前だ。戦後第2世代の西ドイツ(当時)国産戦車で、”Panzelland「戦車の国」”とも呼ばれるドイツに於いては、戦後の再軍備=連邦軍Bundeswehr結成の象徴とも言える戦車。戦後第1世代をアメリカ原産のM48GA2に甘んじなければならなかった西ドイツ(※1)が、「満を持しての」国産戦車だから、世界中に輸出されたし、派生型も多々ある。報じられて居る写真からすると、この鋭角的に角ばった砲塔はレオパルドⅠA4の様に見えるが、何しろ全体を「手編みのセーター」で覆われているモノだから、確とは判りかねる。
何にせよゲルマン魂溢れる(※2)レオパルドⅠ主力戦車が、最早第一線兵器とは言い難くなってはいても(※3)十分な威容の「鋼鉄の騎士」が、「手編みのセーター」にくるまれている理由は・・・
〉ドレスデン空襲から68年に合わせた、世代間をつなぐ手工芸プロジェクトとして制作された
のだそうだ。つまりは「ドレスデン空襲68周年に平和の尊さを訴える」イベントと言う事らしい。「世代間をつなぐ手工芸プロジェクト」ならば巨大な「手編みニット」で事足り様から。
確かに、スペースドアーマーによる角張った形の(※4)レオパルドⅠ戦車も、「手編みのセーター」に包まれたままでは、走行も発砲もままならず、実に「平和的」ではあるな。その意味では大いに訴求力のある「ドレスデン空襲68周年に平和の尊さを訴える」イベントに違いない。
だが、一戦車マニアとしては、些かならず不満だね。戦車が走行も発砲もままならないと言う事は、戦車としての本分・存在理由を全うできないと言う事だ(※5)。
「戦車は、止まったら愚だ!」
一緒に写真に写っている赤ベレーの男性は、服からするとドイツ軍人の様だが、私と似た感想・感慨を抱いているのではなかろうか。
<注釈>
(※1) そりゃま、東ドイツがソ連(当時)開発戦車を装備するばかりであったのに比べれば、西ドイツは主力戦車を自主開発し、アメリカと共同開発の計画(MBT70/KPz70 試作のみ)まであったのだから、随分な違いだが。(※2) と、私には思われる。「ナンチャッテ脱原発」などと言う愚行ともパフォーマンスとも断じかねる「決定」を下すまでは、私はドイツと言う国、ドイツ人と言う国民を結構好いていたんだがね。(※3) とは言え、我らが74式戦車と「同世代」であり…我が陸上自衛隊の戦車の相当部分は、未だに74式戦車だ。そうでなくても我が陸上自衛隊の戦車は、数が少ないんだがね。(※4) 多分。これは間違いないと思うが・・・(※5) 無論、当該レオパルドⅠが最早稼働状態にない「展示物」である可能性は否めないが、「展示物の戦車」ならば「展示物としてその機構・メカニズムなどを見てもらう」のが本分であろう。