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発電コストが現状で火力・原子力の4倍であるとか、昼間しか発電できないとか、発電量が出来高で発電した分「畜電」する手段は現状揚水式水食発電所の水量でしかないとか、発電源としてはあれこれ原理的な欠陥がある「太陽光発電」である事は、僅かながらでも思考を巡らす知性があれば明らかな処である(※1)。その事は「私の自然エネルギー推進論」でも、「入原発論」でも記事にしたところであるが、その先行記事の中で「太陽光発電の稼働率は、年平均では1/4程度ではないか」と当たりを附けていた訳だが、脱原発原理主義者・東京新聞の記事のお蔭で「千葉の2メガワット級メガソーラーでは実に稼働率約1/8である」事が判明し、これも「冷たい計算式」と記事にしたところだ。
無論、この「稼働率1/8」と言うのは、「千葉」と言う立地条件に依るのだから、日本国内でも他ならどうだろう、とは以前から気になっていた処。
今度は毎日新聞(※2)が報じるのは、岡山のメガソーラーである。
<注釈>
(※1) そんな事すらわからない、もしくはわからないふりをする者は多いが。孫正義なんてのはその筆頭だろう。(※2) やっぱり、脱原発原理主義だな。
転載開始=========================================
メガソーラー:赤磐市に設置 県内立地6件目、8月から稼働へ /岡山
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130129-00000221-mailo-l33
毎日新聞 1月29日(火)16時40分配信
太陽光発電所の企画設計・コンサルティング会社「環境発電」(本社・広島県廿日市市、土屋昇社長)は赤磐市桜が丘東1の市有地(約3ヘクタール)に発電出力1・5メガワットのメガソーラー(大規模太陽光発電所)設置を決めた。県が28日発表した。メガソーラーの県内立地は6件目。
同社が県に提出した事業計画によると、パネルは5760枚で年間発電量は184万キロワット時。一般家庭の年間消費電力量510世帯分に相当する。投資額は約4億2000万円を見込んでいる。
同社はメガソーラーを設置・運営するための特定目的会社を設立して赤磐市と賃貸借契約を近く結び、今年8月から稼働させる予定。発電した電気は国の固定価格買い取り制度により中国電力に販売する。【小園長治】
1月29日朝刊
=================================転載完了
.定量的に評価せよ
さて、今度は岡山県で、県内6カ所目のメガソーラー。1.5MWと言う定格出力は、千葉のより少し小さいが、ほぼ同規模と言えよう。
このメガソーラー発電所が1年365日24時間定格出力を発電すると仮定すると、その発電量は・・・
1.5MW × 24H ×365日 = 13140MwH = 13140000kwH …式(1) となる。
無論、先行記事にも書いた通り、「太陽光発電所が24時間365日定格出力運転する」と言うのは馬鹿げた仮定ではある。当たり前だが1年の半分は夜で、夜の間は太陽光発電はメガソーラーだろうがギガソーラーだろうが発電できない。とは言え、これまた先行記事にも書いた通り、火力発電や原子力発電、水力発電(※1)は「定格出力による長期連続運転が可能」であり、稼働率は「24時間365日連続定格発電に対する実際の発電量の比率」で表されるのだから、分母となる発電量は、太陽光発電と言えども上記の仮定のもと、上式(1)の通りとなる。
これに対して、実際の発電量は…
1〉 同社が県に提出した事業計画によると、パネルは5760枚で年間発電量は184万キロワット時。
2〉 一般家庭の年間消費電力量510世帯分に相当する。
と言うから、年間1840000kwh。上記2〉「一般家庭の年間消費電力量510世帯分に相当する。」なんてのは、「太陽光発電は発電量が制御できないし、大容量畜電技術は現状効率悪い揚水式水力発電しかない」からほとんど意味がなく、単なる虚仮脅しだが、これをもとに稼働率を計算すると・・・
1840000kwH ÷ 13140000kwH = 0.14003 ≒ 14% ………式(2)
先行記事にした千葉の「1.9MWメガソーラー」の「稼働率(実に)12.7%」よりは幾分マシではあるが、殆ど同レベル。「稼働率約8分の1」の千葉のメガソーラーに対して「稼働率約7分の1」に若干の改善が見られるぐらいでしかない。
もし仮に、この岡山の1.5MW級メガソーラーで、新型の原子炉(※2)1基、1GW級を代替するとすると、原発の稼働率を6割としても、
(1GW × 稼働率0.6)÷ ( 1.5MW × 稼働率0.14 )
= ( 1000MW × 0.6 )÷ (1.5MW × 0.14 )
= 600 ÷ 0.21
= 2857.14 …式(3)
大凡2800カ所の「1.5MW級メガソーラー」が必要になる勘定である。このメガソーラーが約3ヘクタールである事から計算すると、式(3)から計算される2857ヶ所の「1.5MW級メガソーラー」の敷地面積は、
2857ヶ所 × 3ha = 8571ha = 85.71平方㎞ ……式(4)
因みに岡山県の面積は、7,113.23km2。と言う事は、「県の面積の約1.2%をメガソーラーに費やして、ようやく原子炉1基分の発電量」であり、それも「高効率な大容量畜放電技術が確立したならば」と言う条件付きだ。
つくづく、こと発電量に関する限り、太陽光発電と言うのは、趣味ないし宗教だな。
ああ、上記1〉「年間発電量は184万キロワット時」は、現行「42円/kwh」で全量電力会社が高価買い上げしてくれるから、「年間売電高7728万円」と言う事。「投資額は約4億2000万円」は、約5年半で回収できる勘定だから「全発電量強制高価買い上げ制度」のお蔭で、商売にはなる様だな。制御可能な発電手段である火力、水力、原子力発電のお蔭でな。
その発電量は、一応「燃料の節約」にはなるだろうが…「燃料の節約」でしかないぞ。
<注釈>
(※1) 無論、水量が十分ならば、だが。
(※2) 原発ではない。当たり前だが2基以上の原子炉を組み合わせたのが原発である。
【当ブログの主な原発関連記事】
(4) 私の「自然エネルギー推進論」―フクシマ後も原発推進の立場から―(5) 入原発論