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 何しろお隣の支那がその領土的野心と帝国主義ばりの侵略意図をあからさまにしてくれるものだから、少々ご無沙汰してしまった感あるのが原発はじめとしたエネルギー政策問題だ。
 再三繰り返している処だが、「エネルギー政策」なるモノの本質・存在理由・基本原則は、見通せる将来にわたって「電力の安定供給」に他ならない。「電力の安定供給」の目途が無いシロモノは「エネルギー政策」と呼ぶにさえ値しない。従って、2030年代までに原発ゼロを実現する事にあらゆる政治的資源を投入するなどとした先の民主党政権が抜かした革新的なエネルギー政策」なるモノは、「再生可能エネルギーの普及に150兆円を投じる」などと言う効果不明の夢想的計画を謳っていようがいなかろうが、「革新的」ではあっても「エネルギー政策」ではない。

 であるからして、そんな「革新的ではあるがエネルギー政策ではない何物か」は早晩「エネルギー政策」の座を追われて然る可きであり、事実、その見直しを先の衆院選挙では自民党は掲げていた。

 民主党の打ち出した「革新的なエネルギー政策」なるモノが、民主党共々忘却土に叩き込むべきモノと、国民=民意が判断したか否かは議論の余地があろう。所詮、選挙とは、通常は政党、良くても候補者を選択する機会でしかなく、「自民党の金融政策には賛成だがエネルギー政策には反対」と言うような個々の政策に対する是々非々を表わすものではない。これは、選挙結果をいかに分析しようとも、得票率だの借敗率だの種々統計処置しようとも、変わりようがない事実だ。神ならぬ身の人が為せることは、階層にわけるだのアンケート調査するだのして出てきた結果を「解釈」する事だけ。

 であるならば、先の衆院選挙に於ける自民党の大勝を、「国民が脱原発ヒステリー/放射能アレルギーから脱却した結果」と考えるのは、少なくとも早計とせざるを得ない。そのほぼ同じ「世論」が「脱原発支持7割」なんて結果(*1)を叩き出したり、先々回の衆院選挙では「民主党に憲政発足以来最大多数の衆院議席数」を与えてしまったりするのだから、なおさらだ。

 但し、現・自民党政権としては、公約に掲げた「エネルギー政策の見直し」を実施すべき義務を負う。それは、前・民主党政権が公約破りの常習犯であった事によって免れる義務ではない。

 であるならば・・・

<注釈>

(*1) ま、サンプリングに問題ありそうな結果が多いがね。電力会社関係者を排除した「公開ヒアリング」なんてのは、その好例だ。

転載開始=========================================


原発輸出は「今後も進める」、エネ政策議論で組織変更の意向=経産相
http://jp.reuters.com/article/jp_energy/idJPTYE90E02B20130115
2013年 01月 15日 12:31 JST
[東京 15日 ロイター] 茂木敏充経済産業相は15日の閣議後会見で、原発輸出について「安全な原発インフラの輸出はこれからも進めていきたい」と述べた。同相はまた、国のエネルギー基本計画策定では従来とは違う組織で議論を進める意向を明らかにした。

原発輸出の条件として茂木経産相は「相手国側の希望を重視して判断する。安全性が大前提だ」と指摘した。「脱原発」方針を打ち出した民主党前政権でも原発輸出は継続の意向だったことから、政権交代によってもこの点では大きな方針変更はない。

国のエネルギー政策の根幹となる「エネルギー基本計画」について前政権は、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原発の事故発生を受けて、2011年10月に見直しに着手。総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)基本問題委員会で有識者が1年以上にわたり33回の議論を重ねてきたが、前政権が昨年9月に打ち出した脱原発方針を受け昨年11月14日の会合を最後に中断していた。

エネルギー基本計画はエネルギー政策基本法に基づき3年ごとに見直される。現行計画は2010年6月策定のため今年6月ごろが見直し期限だ。茂木氏は策定議論の再開時期について「スケジュールは決まっていないが、早々にこの問題については取りかからないといけない」と語った。基本計画策定の議論の場として、34回目の基本問題委員会を開くのか、新しい委員会を立ち上げるのかについて同氏は「組織については若干これまでと違った形を考えている。固まった段階で報告する」と述べた。

(ロイターニュース 浜田健太郎;編集 内田慎一)


=================================転載完了

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この世は「より安全」の積み重ねであり、日本の原発jは「必要な安全性」を確保している


 さて、如何だろうか。

 ま、まっとうな意見と言うべきだろうな。2030年代に、日本だけ原発ゼロなんて御題目掲げていた前・民主党政権でさえ、

「脱原発」方針を打ち出した民主党前政権でも原発輸出は継続の意向だった

のだから、現・自民党政権が原発輸出を進めるのは理の当然で、それを「前のめり」だのなんだのと批難するのは、筋違いと言うものだ。
 況や現・自民党政権に対しては、前・民主党政権の頃に使えた常套句「整合性が取れていない」は使えない。原発を、少なくとも当面容認する現・自民党政権に「原発輸出を停止する」理由は無い。(*1)

 この世に「絶対安全」なんてモノは滅多にない。せいぜいが新幹線(*2)ぐらいで、大概の「絶対安全」は「安全神話の中」にしか存在しない。

 この世の大半は「より安全」の積み重ねで成立している。航空機も、原発もまた然り。ここで言う「成立」と言うのは、基本的には「商売として成立」と言う意味であり、航空機であろうが原発であろうが「安全対策に無限のコストを掛けられる」訳ではない。航空機ならば運搬・運行による運賃。原発ならば発電量に対する電気料金によって自ずと「商売として掛けられる安全対策コストの上限」があるし、無限に金をかけても「絶対安全」になる訳ではない。(*3)

 さらに言うならば、「私の自然エネルギー推進論」などで論じた通り、「再生可能な自然エネルギー」として脚光を浴びる太陽光だの風力だのは、なるほど「放射能をまき散らすリスク」は無いかも知れないが、その発電力・発言形態・発電原理が「商売になる」には程遠いのが実情。だからこそ、今太陽光発電の電気は、火力や原子力の4倍近い高値で電力会社に強制的に全量買い上げされている。これが全発電量に占める割合は、我が国ではいまだ1.4%程度に過ぎず、その程度だからこそ電力供給の不安定要因にもならずに済んでいる。
 
 逆に言えば「殆どの原発が停止している」現状の電力供給を担っているのは、ほぼ全面的に火力発電である。現時点及び当面の間、少なくとも大容量の畜放電技術の普及まで、電力は需要に応じて発電する他なく、そんな制御可能な発電は、火力、原子力、水力しか出来ない(*4)。

 であるならば、福島原発事故の教訓は「より安全な原発」として活かされるべきであり、それは可能である。上掲記事に於ける経産相は、何も「嘘を吐いている」訳でもなければ、「安全神話を吹聴している」訳でもない。原発を輸出するのに、嘘を吐く必要も、安全神話を吹聴する必要も、ない。

 我が国は、原発を輸出すべきであるし、原発をより安全なものとすることで、福島原発事故を教訓として活かすべきだ。

 前進せよ、日本。

 Japan Vor!



<注釈>

(*1) 忘れちゃいけないな。ドイツが福島原発事故の後に「脱原発」にかじを切った際、ドイツ政府はドイツは脱原発するが、原発輸出は続けると抜かした。そんな虫の良い主張は通用せず、ジーメンス者は早々に「原発事業からの撤退」を宣言してしまったが。 ドイツ降伏-独シーメンス社 原子力事業から撤退  http://www.afpbb.com/article/economy/2828751/7793213  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36006950.html
 この事から二つの事が判る。
 第一に、国と言うものは、「自国だけ脱原発して、他国には原発を輸出する」と言う虫の良い主張を為す事がある、と言う事。
 第二に、そんな「虫の良い原発輸出」は商売として成り立たない。少なくともシーメンス社は「成り立たない」と判断した、と言う事。

(*2) 新幹線はその操業開始以来40年間以上、乗客乗員に未だ事故死者を一人も出して居ない。高速鉄道の起源にして頂点、αにしてω。
 新艦船に続いた高速鉄道は世界中にいくつかあるが、どれ一つとしてこの大記録に追いつくどころか、追いかける事すら出来ていない。

(*3) 新幹線がそんな「事実上の絶対安全」を実現し、維持し続けている理由は…鉄道技術が航空機や原発よりも成熟した技術である事と、新幹線関係者の「名人芸」「職人芸」に依るのだろう。
 技術の成熟は、時間である程度なんとかなろうが、「名人芸」「職人芸」は、さてどうやって保持・維持・継承させようか。

(*4) 後在るとしたら、地熱発電だろうか。貯水量に制御量が左右される水力と、どちらが制御性が高いか・・・水力は、貯水量さえ十分ならば、一番レスポンスは良いそうだが。