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転載開始=========================================

「原発は重要争点ならず」独紙
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121217/erp12121718420004-n1.htm
2012.12.17 18:41
【ベルリン=宮下日出男】2022年までの「脱原発」を目指すドイツでは、主要経済紙ハンデルス・ブラット(電子版)が、福島第1原発事故後初の衆院選の結果について、「(日本は)原発支持派を選択」との見出しを掲げて報道。民主党など「脱原発派」政党の敗北を受けて、原発が重要な争点にはならなかったと伝えた。

同紙は、多くの国民が「脱原発」を支持したが、「経済危機」への対応を優先させた結果、自民党勝利につながったと分析。「経済に重点を置かねばならない
中、島国の日本は国外からエネルギーを簡単に買えるドイツと違う」との専門家の見解も紹介した。



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訳の判らぬ「ドイツ紙」


 さて、如何だろうか。

 短い産経の記事だが再掲すると、ドイツの主要経済紙ハンデルス・ブラット(電子版)は、以下の様に今回衆院選挙結果=安倍政権発足(決定)を以下のように報じたと言う。

1〉 「(日本は)原発支持派を選択」との見出しを掲げて報道。
2〉 民主党など「脱原発派」政党の敗北を受けて、
3〉 原発が重要な争点にはならなかったと伝えた。

4〉  同紙は、多くの国民が「脱原発」を支持したが、「経済危機」への対応を優先させた結果、
5〉 自民党勝利につながったと分析。
6〉 「経済に重点を置かねばならない中、島国の日本は国外からエネルギーを簡単に買えるドイツと違う」
7〉 との専門家の見解も紹介した

 さて、読者諸兄に問おう。上記1〉~7〉の報道を、何の疑問も違和感も抱かずに最後まで読めるだろうか。当該記事を掲げている以上、少なくとも産経の宮下日出男記者は、ここに矛盾は感じていないのだろうが…

 とてもじゃないが私にはそんな芸当はできない.そんなダブルシンク二重思考は生理的に受け付けない。具体的には、先ず上記1〉(日本は)原発支持派を選択との見出し と上記3〉「 原発が重要な争点にはならなかったと伝えた。」齟齬が看過出来ない。上記1〉(日本は)原発支持派を選択との見出し が正しいとするならば、その記事は「日本国民は原発支持派を選択」したのだから、少なくともある程度の原発支持ないし容認の意思が「日本国民の民意」と示されたのであり、「原発は争点」であった筈だ。従って上記3〉の表現は理解しがたい。今次衆院選挙では、「未来の党」をはじめとする有象無象の「脱原発」政党が、林立と言うより乱立していたのだから尚更だ。
 逆に上記3〉原発が重要な争点にはならなかったが正であるならば、その記事に上記1〉「(日本は)原発支持派を選択」は理解に苦しむモノであろう。

 唯一可能な解釈は、「原発は、「争点」はあったが、「重要な争点」では無かった」と言う解釈。これで漸く、上記1〉の記事タイトルと上記3〉記事の内容が結びつく…と言うと言い過ぎで、矛盾だけは解消される。

 この、かなり苦しい(*1)解釈によって、ようやく上記4〉~7〉の独ハンデルス・ブラット紙の「言い訳」が理解できる。要は(*2)「日本国民は脱原発よりも経済性を優先した」であり、「日本国民にとって重要な争点は経済であった」と…なんだか、東京新聞社説の言い訳読むようだな。

 だが、一方で、同じドイツの新聞でも、こういう報道もあるようだ。

<注釈>

(*1) 少なくとも私にとっては

(*2) と要約するほど長い記事ではないが


転載開始=========================================

【衆院選】 自民党は原発維持 独メディア
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121217/erp12121720190007-n1.htm
2012.12.17 20:18
 17日付のドイツ紙ターゲスツァイトゥンクは衆院選で圧勝した自民党について、原発維持の政策を進めていくだろうと指摘、次期政権のエネルギー政策に高い関心を示した。

同紙は今回の選挙で原発政策が主要な争点の一つだったと紹介。日本の世論調査では大半が脱原発を望んでいると述べた上で、民主党が決めた脱原発方針は自民党が覆すとみられると分析した。

ドイツは東京電力福島第1原発事故後、2022年末の脱原発を決めている。

またフランクフルター・アルゲマイネ紙は自民党の安倍晋三総裁を「タカ派のプリンス」と紹介。安倍氏が憲法を改正し、自衛隊を「軍隊」にするため全力を尽くす決意だと報じた。(共同)


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記事内容とタイトルが乖離してないか?


 上掲②は、今度は共同通信の報道で、記事のタイトルは報じず、記事の中身だけ。

 一方上掲①の記事は、どうやら「産経報道の不備」と言うよりは「ドイツ紙の言い訳」であるようだ。まあ、産経が誤訳なり曲解なりをしていなければ、だが。

 で、産経報道に誤訳・曲解が無いものとすると・・・章題にした通り。「記事タイトルの付け方が、おかしくないか、独ハンデルス・ブラット紙。

 上掲②記事のターゲスツァイトゥンク紙の記事、

8〉 衆院選で圧勝した自民党について、原発維持の政策を進めていくだろうと指摘、
9〉次期政権のエネルギー政策に高い関心を示した。
10〉 同紙は今回の選挙で原発政策が主要な争点の一つだったと紹介。日本の世論調査では大半が脱原発を望んでいると述べた上で、民主党が決めた脱原発方針は自民党が覆すとみられると分析した。

の方が、随分事象に対して素直なのではなかろうか。

 東京新聞と同様に、余程日本に「脱原発」させたいんじゃぁなかろうか、独主要経済紙ハンデルス・ブラット。

 如何に、ハンデルス・ブラット紙。