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.一つの解釈成立、新たな大疑問と反論

 さて、タイトルに言う「昔からのタカ派」が「昔からのタカ派のポーズと補足説明する事で、漸く一定の論理を得た、かに見える当該WSJ紙社説であるが、新たな疑問が浮上せざるを得ない。

 それは、安倍新首相の「タカ派ポーズ」が(※1)「昔から」であり、前回の第1次安部政権がその「タカ派主張がポーズに過ぎない」事を証明したとしても…今回の衆院選挙で、少なくとも言葉として、主張として繰り返された「再びのタカ派主張」を、「今度もまたポーズのみに終わらせ、実行はしない」と日本国民が期待して安倍総裁と自民党に投票し、自民党に政権を付託したと、何を以って断言できるのか。断言し得るのかと言う事だ。

 その根拠はと、当該社説を再読しても…以下しか私には見つからない。

 〈8〉の 、
5〉 日本国民は外国との争いに興味がなく、平和国家という戦後の自己像に深い愛着を持っている。

 〈12〉の、
7〉【抜粋】日本を「普通の国(元民主党幹事長、小沢一郎氏が主張する国のあり方)」にする

 上記7〉は、「普通の国(元民主党幹事長、小沢一郎氏が主張する国のあり方)」と言うコンセプトが広く日本国民一般の同意を受けている、と仮定した上での「根拠」だ。

 上記5〉は、私に言わせれば『平和ボケ』の一言で一蹴してしまうところだが、何しろ世論調査では「脱原発支持7割」なんて数字をたたき出せてしまえる我が日本国民の事だ。判ったものではない。少なくとも私には。「脱原発なぞ我が国では愚挙にして暴挙」と断じ、「福島原発事故を経てなお原発推進論者」と自認する私なんぞより、WSJ紙の方が「日本国民を知っている/理解している」可能性は、あると考えるべきだろう。

 それは、凄まじい程に深い理解に違いない。何しろ、上記5〉『平和ボケ』と上記7〉「小沢一郎提案の普通の国コンセプト」を根拠に、安倍新首相の主張が主張だけに終わって実行されない事を、日本国民が期待し、その期待故に今回自民党に投票したと断言しているぐらいなのだから。

 と・て・も・信・じ・ら・れ・な・い。

 私とて、日本国民の端くれだ。「日本国民の代表」と主張するつもりは毛頭ないが、そんな捻くれた言葉だけで決して実行する事のないタカ派」に期待して安倍総裁と自民党を支持したなんて解釈よりは、「正しくそのタカ派主張ゆえに支持し、期待した」と考える方が、遥かに合理的で無理が無い。WSJ紙社説の主張する通り考えるには、「日本国民は平和ボケしており、決して平和ボケから覚める事は無い」と言う大前提が必要だ。

 ああ、ひょっとするとWSJ紙は正しいかもしれない。

5〉 日本国民は外国との争いに興味がなく、平和国家という戦後の自己像に深い愛着を持っている。

のが正しく、日本国民は中国が尖閣諸島から沖縄まで「核心的利益」と称する侵略宣言を出した現時点もこれからも、「平和ボケ」のままかも知れない。そうであればWSJ紙の主張通り「安倍新首相のタカ派主張は言葉のみに終わる」事を期待しての今次衆院選自民党大勝利であると言う解釈は、一応成立しそうに見える。

 だが、そうだとすると・・・「言葉だけタカ派」を期待する安倍総裁率いる自民党でも石原慎太郎(一応)率いる維新でもない、そもそも言葉からしてタカ派ではない第三極なり、腰抜け腑抜けである事を実証し続けた輝かしい実績を持つ民主党なりが、今次衆院選挙の勝者となりそうなものではないか。当該社説冒頭のパラグラフ〈1〉でWSJ紙自身が、

8〉 今回の選挙では外交政策がより重要な争点になった

と断言しているのだから尚更だ。

 以上からすると・・・やっぱり最初に感じた通りらしい。一体当該社説で、何を主張したかったんだ。WSJ紙。

 安倍晋三新首相のタカ派主張が、言葉だけに終わる事(第1次安部政権当時の様に)を期待している。それだけは辛うじて読み取れる。だが、その根拠と来た日には、あやふやと言うか支離滅裂と言うか、訳の判らない事になっている。これがWSJ紙と言う「アメリカで1、2を争う発行部数を誇る有力紙」の社説なのか、the Wall Street Journal(略称WSJ)。【Q1】

 アメリカでは、新聞の社説は「新聞社の主張」ではないのか。the Wall StreetJournal(略称WSJ)。【Q2】

 上記【Q1】【Q2】の何れかにNoと答えるのだとしたら、アメリカの新聞産業が風前の灯と言うのも、大いに肯ける話だ。否、さっさと滅びるが宜しかろう。(※2)


<注釈>

(※1) くどい様だが、「タカ派ポーズのみが」 

(※2) 滅びて欲しいのはWSJ紙ばかりじゃぁないがね。