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投票率の低下・低迷と言うのは先進国共通の悩みであるらしい。大陸・支那では民衆は鼓腹撃壌=満腹で腹鼓を打ち、遊びに興じるのみ であるのを一種理想状態(*1)としていたが、鼓腹撃壌状態の国民では成り立たないのが民主主義(*2)。とは言え「衣食足りて礼節を知る」もまた大陸・支那の理想なれど、衣食が足りると怠惰になってしまう人間も増えるのが人の性。ある程度「衣食の足りた」先進国の国民が「鼓腹撃壌」に近い状態となり、投票率が低下・低迷するのは、「理の当然」とか「自然」とかは言わないが、「大いに在り得る事」ではあろう(*3)。実際なって居る。
投票率が低いと言うと、有利になるのは組織票が固い政党。具体的には共産党が筆頭であり、社民党や公明党がこれに続く。党員だの組合員だの学会員だのの組織票はコンスタントに「高い投票率」を期待できるから、ナントカ員以外の一般人の票が少ない「投票率の低い状態」の方が「固い組織票」の重みが増し、当選率が高くなる。逆に投票率が高いと、ナントカ員以外の一般人の票が増え、「固い組織票」では太刀打ちし難くなって、当選率が下がる。
だから共産党など「組織的背景の強い」党(*4)は、低い投票率を望む。民意の反映とか民主主義と言う意味では大いにに問題有る事なので、公言する/公言されるのをあまり聞いた覚えはないが。
だが、どうも、民主党は違うらしい。
<注釈>
(*1) うーん、うろ覚え。なのでネットで確認。http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/idiom/鼓腹撃壌/m0u/ 堯瞬帝の時代と言うから、大陸にとっての「神代の昔」だな。(*2) 民主主義体制下に於いては、有権者=国民は、少なくとも一時的には政治家となり、軍人となる事が要求される。(*3) 逆に北朝鮮の投票率100%を筆頭に、東側世界の投票率がやたら高いのは、「衣食が足らない」から…ばかりではないな。
(*4) と、言うよりは、「組織的背景しかない党」、と言うべきか。
転載開始=========================================
「投票率」にやきもき 無党派層の指標、勝負左右も
2012.12.14 07:05 [民主党]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121214/elc12121407070039-n1.htm
16日の衆院選投票日を前に、各党が投票率に気をもんでいる。勝敗を左右する無党派層の動向の「指標」となるためだ。現行の小選挙区比例代表並立制が導入された平成8年以降、投票率が過去最高だった21年衆院選では政権交代が起きており、各陣営は行方を注視する。
8年以降、過去5回の衆院選で投票率は50~60%台だった。17年の郵政選挙は15年衆院選の59%台から伸びて67・51%。自民党が郵政民営化法案に反対した議員に対立候補を擁立する「劇場型選挙」として関心を集め自民党が圧勝した。
21年の前回衆院選は69・28%と17年を上回り、民主党が政権交代を果たした。
今回、期日前投票を済ませた有権者は現時点で前回を下回っており、与野党からは「12党もの乱立で選挙戦の構図が分かりにくく、投票率が下がる」との見方が出ている。
一般的に、投票率が伸び悩めば、大きな支持組織を持つ大政党に有利とされる。今回は民主党の支持率低迷に加え、多党乱立の影響で自民党が追い風を受ける構図だ。
無党派層を取り込んで躍進を狙う第三極勢力は「無党派層が投票に行かなければ勝ち目はない」(日本維新の会関係者)と、投票率の低下を懸念する。
これに対し民主党幹部は「投票率が下がれば民主党が持ちこたえ、敗れたとしても『負け幅』を減らせる」と、支持団体など第三極にはない組織力を生かした戦いに望みをつなぐ。
=================================転載完了
「選挙は水物」とも言うけれど・・・
さて、如何だろうか。
タイトルからも判ろうが、私が上掲記事を取り上げたのは、以下の一節にある「民主党幹部の発言」故、だ。
1〉 これに対し民主党幹部は
2〉「投票率が下がれば民主党が持ちこたえ、敗れたとしても『負け幅』を減らせる」と、
3〉 支持団体など第三極にはない組織力を生かした戦いに望みをつなぐ。
この発言は、縦から見ようが横から見ようが、「(今週末投票の衆院選における)低い投票率を望んでいる」。なおかつそれを、「公言までしている」。しかもそれが「組織的背景しかない」共産党や社民党ではなく、先の衆院選挙で「憲政史上最多の議席数」を獲得して華々しく与党デビューして見せた、現与党たる民主党の幹部様の発言と言うのだから、恐れ入る他ない。
それは先ず第一に、前述の通り『民主党が頼みとするモノは、「政権与党としての実績」でも「政権の安定性/連続性」でも「革新的エネルギー政策と称する『脱原発』」でもなくて、「支持団体などの組織力」しかない」と言う宣言・公言である。三代にわたって「支持率最低政権記録」を更新し続けた結果であり、前回衆院選挙結果が「民意と言う風を捉えた」結果であった裏返しであり、ある意味当然の帰結とは言え、それを公言できてしまう厚顔無恥ぶりは…ああ、これまたある意味、非常に「民主党らしい」のであるが。
第二に、この発言・公言は、ある意味ある部分の民主主義の否定である。
無論、投票率は「高ければ高いほど良い」ものとも言い難い。北朝鮮なんざぁ、その選挙は「常に投票率100%で支持率100%」を誇っている。それ即ち「非常に高い投票率」自身が「全く民主主義とはかけ離れた強制選挙」を意味しているのである。とは言え、自由投票・自由選挙下での「低い投票率を望む」と言うのは、少なくとも「民主主義体制の弱体化」を望んでいる事に他ならない。
以前から書いている事だが、民主主義自身は「絶対前」などではない、と私は考えている。民主主義は、有権者たる国民が真面目に真面に政治を考える事などを前提条件とした、次善の策である。そんな脆弱な(*1)次善の策を採用するのは、誤判断を減らし、誤判断を素早く修正するため。従って民主主義そのものは、絶対善でもなければ目的でもない。
だから、民主党が「民主主義の弱体化を望んだ」とて、それだけで直ちに非難糾弾するには及ばない。
但し、上記2〉の発言は、以下の諸点を理由に、大いに非難糾弾されて然るべきものがあろう。
①「民主主義弱体化」と言う大仰な手段の目的が「民主党の議席数を増やす/減らさないようにする」と言う全くの党利党略である(*2)事
②「全くの党利党略」を民主主義より優先する事を、公言までしている事
③その党の党名が「民主党」である事
無論、この報道自体が、虚報や誤報である可能性を、忘れるべきではない。神ならぬ身の人が為す事、虚報・誤報は常にあると思うべきで、皆無であれば、ソリャ奇跡だ。実際、上掲記事を報じる産経も、かつて「夢のエネルギー製造装置」とエセ学者の変わり水車(*3)を報じてしまった事実がある(*4)。だから、上記2〉の発言について後ほど訂正報道がなされるか(*5)、或いはそれ以前に、民主党から「誤報訂正を求める抗議」なり「誤解を招いた発言の真意説明」なりが出るかもしれない。
だが、上記産経報道が事実であり、民主党がまともな弁明・釈明を行わないのならば…民主党はその党名に値しない党であり、速やかに忘却土に落ちるが相応しい党である。私も宣戦布告した(*6)甲斐があったと言うものだ。
さて国民よ。前回衆院選挙では圧倒的に民主党を支持し、憲政史上最多の議席数を与えた国民よ。
かかる民主党を未だ支持するのかね。
かかる民主党に利するような、低投票率を示す心算かね。
<注釈>
(*1) なぜ脆弱化は、「国民が真面目に真面に政治を考える」とは限らないから。先回衆院選挙結果である「政権交代」=「民主党で意見成立」が「真面目に真面に政治を考えた結果」とは、私には全く信じられない。(*2) ソリャ、議員先生方にしてみれば「生活が懸かって」いようが、議員とは、政治家とは、そういうものと覚悟して居て然る可きだろう。「サルは木から落ちてもサルだが、政治家は選挙に落ちたら唯の人だ。」(*3) 変わり水車を「夢のエネルギー製造装置」かの如くのたまう輩は、エセ学者でなければ、唯の詐欺師だ。まあ、エセ学者も、詐欺師の一種だろうが。(*5) 付け加えるなら、上記エセ学者について訂正記事を出した覚えのない産経は、「日本の教科書が、”「旧日本軍の侵略」を「進出」と書き換えた!”と大誤報され、国際問題になったときには、真っ先にその誤報を大々的に全面的に認め、謝罪した。となると、エセ学者のニセ「夢のエネルギー製造装置」記事を訂正しないのは、国際問題になって居ないから、かな。(*6) 民主党に対する宣戦布告 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34685282.html
<参考>当ブログの民主主義関連記事
(2)真の民主主義国家は最強である(楽観的観測)
(3)科学と民主主義
(4)「私の歴史観」観
(5)「一書に曰く」-日本書紀に見る、異説を排さぬ知恵-