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「未来の党」は「現在の党」ではなく、「現実の党」も怪しい
上記の通りであるからして、東京新聞が「未来の党」に期待するような「原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉へのビジョン」は、「大きな枠組みとして統一的な考え」どころか、せいぜいが「大法螺・大風呂敷」としてしか出て来ないだろう。現時点ではそんなビジョンが無くて、まだこれから「脱原発」の旗印欲しさに群がってくる有象無象の現職議員がいくらも居りそうで、衆院選挙投票日まで1ヶ月も大きく割り込んでいる現状では、なおさらだ。
そこは脱原発原理主義の東京新聞の事だ、いかな大法螺大風呂敷の「ビジョン」であろうとも、「原発稼働ゼロから全原発廃炉への道」である限り、大絶賛してしまうに違いない。またそのビジョンなり、「未来の党」なりに期待して、同党に投票してしまう国民も相応に出て来るかも知れない。正に先の衆院選挙で「政権交代!」報道に煽られて、民主党に「憲政史上最多の衆院議席数(*1)」を国民が与えたように。
端的に言って、東京新聞や琉球新報の社説が唱えるように、今度の「未来の党」が「脱原発と言う民意の受け皿になる」事は、私には歓迎すべき事態なのだ。望むらくは、その「脱原発と言う民意を受けて」、そのまま忘却土に落ちてくれるのが最善だ。
ひょっとすると「未来の党」は「脱原発支持票」を集めて大躍進し、民主党を凌駕して第2党になるとか、さらには政権与党入りするとか、あるかも知れない。そんな事態は我が敵・小沢一郎にとっては大朗報で、私にとっては大凶報、ではある。が、先の衆院選挙で「国民が政権交代を支持し、民主党に憲政史上最多の衆院議席数を与えた」と言う「衝撃の事実」は、そんなな可能性を「ありえない」として排除する事を許さない。
それだけ私は、日本国民に、その民意に、信用を追置いていないと言う事だ。まあ、そうなっても「日本における民主主義に絶望しない」だけの覚悟は、先回衆院選挙結果=政権交代=民主党政権誕生のお蔭で、出来たがね。
再三繰り返す通り、我が国で脱原発なんぞ愚挙にして暴挙だ。「未来の党」がどんな大法螺大風呂敷を「ヴィジョン」として示そうとも、そこに見るべきものがあるとは到底期待し難い。別の報道では「発送電分離」なんてものがその「ヴィジョン」の中に入っているようだが、発電と送電を分離して発電会社を増やした処で、期待しうるのはせいぜいが「競争原理によるコストダウン」だけ。太陽光発電の稼働率約1/8が劇的に向上する事も期待できないし(*2)、大容量高効率畜電技術の開発には一長一短(*3)且つこちらは実用化までに10年単位の時間が必要だ(*4)。
なるほど、「未来の党」とは絶妙なネーミングだ。その「ヴィジョン」とやらは、「未来の超技術」たとえば大要項高効率畜電技術などを前提にせざるを得ない筈であり、今日明日の電力供給安定にはほとんど寄与しない。そのくせ「原発稼働ゼロから全原発廃炉への道」と謳うのだから、二階に上がる前に梯子を外してしまうようなものだ。否、梯子を外した上で二階から叩き落とす、が正しいか。
「未来の党」は、「現在の党」ではない、と言う事だ。
大容量高効率の畜放電技術が完成普及したら、「卒原発」とやらも芽はあるかも知れないが、それでも太陽光発電や風力発電が必要とする広大な面積(*5)。は大問題。まだ、水力発電所の増設=ダム建設推進の方が、現実的だろう。
さて、どうするね、国民。
「脱原発の民意の受け皿」として登場した、この「未来の党」とやらに、その「脱原発の民意」を受けてもらうのかね。今のところは「ヴィジョン」すらなく「脱原発」だか「卒原発」だかの「思い」だけらしい、この党に。
<注釈>
(*1) 今回の「新たな衆院選挙」を迎える前に、今や見る影もなく、過半数を切っているが。(*2) 日本の日照量からすると1/4ぐらいまでは「原理的に向上する可能性がある」ようではあるが・・・入原発論
http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36713808.html http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36713836.html 入原発論:補足 http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36827511.html(*3) 長所の方は、そんな技術開発しようと言う主体・会社などが増えて、技術開発が進む可能性が有る事。短所の方は研究規模の分散で「結局だれもモノにできない」可能性が有る事。(*4) どんな規模の畜電設備になるか全く不明だが…開発完了から普及まででまず10年かかるだろう。コンセプト確立までなら、数年、ひょっとして1年ぐらいかも知れないが。開発完了までなんて、神のみぞ知る。
(*5) 必ずしも陸地である必要はないが・・・「私の自然エネルギー推進論」でも論じたとおり、我が国領海洋上も、船の航路を考えれば、やたらに占有できるものではないぞ。