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中国の「民間人(*1)」が香港から尖閣まで船で乗りつけ、上陸まで果たしたところを我が海上保安庁が逮捕し、身柄拘束した。今のところは野田首相も「厳正な対処」とか言っているが、中国はまたぞろ厳重抗議の構えであるし、前回・尖閣沖中国「漁船」体当たり攻撃事件と同様に、逮捕した「船長」を無罪放免してしまう恐れは十分にあるのが現状だ,と、思っていたら案の定だ。
その中国「民間人」尖閣上陸を、地元である筈の沖縄タイムスが取り上げると、こんな記事が出来上がるらしい。
敢えて語るまい。タイトルをヒントにして、下掲沖縄タイムス記事を御一読あれ。
<注釈>
(*1) 当てになるものか。
転載開始=========================================
尖閣上陸:地元に余波 日中に自制求める声
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-08-16_37816
社会 2012年8月16日 09時49分
尖閣諸島の領有を主張する香港の団体メンバーが15日、石垣市の尖閣諸島に上陸、逮捕されたことを受け、地元関係者からは、国内法にのっとった対応を求める声が上がった。2004年の中国人上陸事件、10年の漁船衝突事件では、日中関係が緊張し、沖縄観光に影響が出た過去があり、日中双方に自制的な対処を求める声も聞かれた。
石垣市の中山義隆市長は「領海侵犯は許されないし、不法上陸も当然認められない。国は毅然(きぜん)とした対応を示してほしい」と強調。「中国漁船衝突事件の船長を不起訴で帰したような甘い対応じゃなく、国内法に従って裁いてほしい」と求めた。
その上で「外交摩擦を起こさせないためには、わが国が実効支配を強めるべきだと思う」とした。
八重山漁協の上原亀一組合長は「(都や国の尖閣購入計画に対する)反発だろう、という感じはする。中国も日本も、互いに挑発するような行為はやめてほしい」と訴え、「上陸してしまった以上、国内法にのっとって粛々と対応してほしい」と求めた。
「尖閣列島戦時遭難者遺族会」の慶田城用武会長は「日本であれ中国、台湾であれ、上陸は根本的な解決にならず、方法をはき違えている。強行な上陸がエスカレートし、やがて武力衝突に発展しないか」と懸念する。「やられたらやり返すのでは悪い方向に行くばかり。外交によって平和裏に解決してほしい」と要望した。
沖縄・中国友好協会の西田健次郎顧問は中国からの観光客を呼び込もうと約13年前から沖縄と中国の懸け橋として奔走。逮捕による中国からの観光誘客への影響について「今のところ、深刻に落ち込むことはない」とみるが、「中国側は、今のような挑発的な態度をやめるべきだ」と語気を強めた。
=================================転載完了
「中国の自制の声」なんて何処にある?
さて、如何だろうか。
章題でネタバラシしているようなもんだな。当該記事は、「尖閣上陸:地元に余波 日中に自制求める声」と銘打ち、
1> 2004年の中国人上陸事件、10年の漁船衝突事件では、日中関係が緊張し、沖縄観光に影響が出た過去があり、
2> 日中双方に自制的な対処を求める声も聞かれた。
とも明記している。ところが「声」として登場する人物と発現は、以下の通り。
①石垣市の中山義隆市長
「領海侵犯は許されないし、不法上陸も当然認められない。国は毅然(きぜん)とした対応を示してほしい」
「中国漁船衝突事件の船長を不起訴で帰したような甘い対応じゃなく、国内法に従って裁いてほしい」
「外交摩擦を起こさせないためには、わが国が実効支配を強めるべきだと思う」
②八重山漁協の上原亀一組合
「(都や国の尖閣購入計画に対する)反発だろう、という感じはする。中国も日本も、互いに挑発するような行為はやめてほしい」
「上陸してしまった以上、国内法にのっとって粛々と対応してほしい」
③「尖閣列島戦時遭難者遺族会」の慶田城用武会長
「日本であれ中国、台湾であれ、上陸は根本的な解決にならず、方法をはき違えている。
強行な上陸がエスカレートし、やがて武力衝突に発展しないか」
「やられたらやり返すのでは悪い方向に行くばかり。外交によって平和裏に解決してほしい」
④沖縄・中国友好協会の西田健次郎顧問
「中国側は、今のような挑発的な態度をやめるべきだ」
以上の通り、「声」として登場するのは日本人ばかりで、「中国側の声」は登場しない。況や「中国側の自制を求める声」なんて物は薬にしたくても無いと言うのに、上掲タイトルは「日中に自制求める声」と明記されている。日本人の「声」ばかりなのは地方ローカル紙の悲しさと目を瞑るとしても、「日本側の自制を求める声」さえ上記四人の内の③、④のみ。上記2>「日中双方に自制的な対処を求める声」となると上記③のみで、④は中国側に「自制を求める声」だ。ソリャ四人の「声」の内、一人でも「日中双方に自制的な対処を求める」ならば、上記2>「日中双方に自制的な対処を求める声も聞かれた。」と一応書けようが、それをタイトルに持ってくるところに沖縄タイムスの「ナントカ日中双方に持ち込みたい」と言うあからさまな意図が見える。
それは、上記①、②に共通する「日本政府に毅然たる態度を求める」事が、当該記事タイトルではせいぜい「地元に余波」としか表現されていないことで、さらにハッキリする。
さらには、タイトルのつけ方が実に巧妙だ。「日中に自制求める声」とあるが、本文をよく読めばそれが「日中双方政府に対し自制を求める声」の意味とわかるが、タイトルだけでは「日中双方の側に自制を求める声」と読める。つまり「中国側にも自制を求める声もある」と誤解を誘導するようになっている。前述の通り、当該記事は「日本側の声」しか伝えては居らず、中国側にどんな声があるか全く触れて居らず、そこで漸く「日中に」が「日中双方の側に」ではなく「日中両政府に対して自制を求める(日本側の)声」と理解できるようになっている。
本記事のタイトルを「殆ど詐欺」としたのは、上記「日中に」表記の難解さ・巧妙さ・姑息さ故、だ。