応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/  
 
 私は昔から、パンダという奴が好きではない。ソリャ白黒ツートンカラーで愛くるしい姿形をしている上、絶滅危惧種であるから、自然保護運動のシンボルとなり、「人寄せパンダ」などと普通名詞化されるぐらいの「普遍的価値」を持つと認められているのだろう。生物学的には第6の指があるそうで、仲々興味深い(*1)が、「可愛さ」を強烈に増幅したキャラクターから「可愛さ」を排除するならば、色こそ変わっていて(*2)笹を主食とするとは言え、熊の一種だろう。
 そんな「熊の亜種」パンダがやたらと人気があるのに中国共産党情報部が関与しているか否か、私は知らない。が、「パンダに人気がある」と言う事実を中国共産党政権は最大限に利用している(*3)。利用されているパンダには罪がないのかも知れないが、魂の自由を愛するが故に中国共産党政権を「不倶戴天の敵(*4)」と考える私としては、「パンダ関連ニュース」と言うだけで「警戒警報発令」だ。
 
 だから、上野動物園に中国から貸し出されているパンダの「心神」もとい「シンシン」に赤ん坊が生まれたなんてニュースにも、それが死んでしまったなんてニュースにも、特に感慨は沸かなかった。そもそもパンダが絶滅危惧種であるのは、そのやたらに弱い生命力・繁殖力の故もあると聞いていたから。
 
 だが、パンダ外交を得意とする中国としては、この「シンシンの赤ん坊死す」と言うニュースも、利用価値があるようだ。
 

<注釈>

(*1) スティーブン・ジェイ・グールド著「パンダの親指」なんて面白そうな本になっているんだが、未だ買ってもいないし読んでも居ない。 
 
(*2) シマウマだって白黒2トンカラーなんだが、パターンが細かいためにあちらは「迷彩」としかみなされないらしい。ま、実際、トラ縞と同様に迷彩なのだろうが。 
 
(*3) その事自体は「外交の手本」と賞賛はされても、非難の対象ではない、のだが。 
 
(*4) 「不倶」ってところが重要でね。共産党政権が大陸を支配し、大陸の住民「支那人」達がそれをよしとするならば、私がとやかく言う心算はない。
 支那人を善意で「解放」なんかしてもろくな事にならない事は、先の大戦・大東亜戦争や今は亡き満州帝国が示している。 
 
転載開始=========================================
①【赤ちゃんパンダ死ぬ】悪意満ちた中国反応「小日本が殺したんだろう」
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/120712/trd12071207320000-n1.htm
2012.7.12 07:27 [中国]
東京・上野動物園の入り口で、赤ちゃんパンダが死んだことを知らせる掲示板を見る中学生=11日午後
 【北京=川越一】上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃんが死んだことについて、中国のインターネット上には11日、故意の殺害を疑うなど悪意に満ちた書き込みがあふれた。
 ネット上には「小日本(日本人の蔑称)が殺したんだろう!」といった書き込みが目立っている。中国のサイトにはニュースの感想を問う簡易アンケートがあるが、回答者の8割以上が「憤怒」を選択した。
 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の購入計画を進める東京都の石原慎太郎知事が、赤ちゃんパンダの名前について、「尖尖」「閣閣」と語ったことで、中国国民の間ではパンダと領土問題が同時に論じられている。
 「日本の不正な政治手段が国の宝にも波及した。全く手段を選ばない」など、政治的判断で殺害したとの“暴論”に発展。「小日本を殺せ」という報復論にまでエスカレートしている。
②【赤ちゃんパンダ死ぬ】繁殖の難しさ痛感 生後1週間以内に死ぬ確率6~7割
   http://sankei.jp.msn.com/life/news/120711/trd12071119370025-n1.htm
2012.7.11 19:35 [動物園・水族館]
哺乳瓶から母乳を飲むジャイアントパンダ、シンシンの赤ちゃん(東京動物園協会提供)
 生後1週間で死んだ赤ちゃんパンダ。24時間体制で見守ってきた上野動物園スタッフらの落胆も大きい。妊娠、出産自体が“奇跡”ともされるジャイアントパンダだが、赤ちゃんは小さく、未成熟な状態で生まれるため、早期の死亡率も高い。繁殖の難しさが改めて浮かび上がった。
 発情期は年1回、そのうち妊娠可能なのは数日というパンダ。奇跡の母子を見守り続けてきた同園の福田豊副園長は会見で「正確な統計はないが、初産の場合は1週間以内に死ぬ確率が6~7割」と説明した。
 北海道大学大学院獣医学研究科の坪田敏男教授(51)は「残念だが驚くことではない」と語る。坪田教授によると、ひとつの原因は未成熟な状態で生まれてくることだ。「イヌやネコの場合、子供の体重は母親の約30分の1だが、パンダは600分の1から700分の1」といい、生後3カ月までがヤマだという。
 上野動物園では、自然交配での誕生が初めての上、シンシンが初産ということもあり、24時間体制で飼育係と獣医が観察。中国では「介添え保育」として、母親から子供を預かって人工保育をする手法がとられるが、これも取り入れた。中国の専門家も常駐する中、育児疲れのシンシンから子供を保育器に移し、哺乳瓶で母乳を与えるなど成果を上げていた矢先だった。
 坪田教授は「パンダ専用の繁殖センターがなく、人員などの問題から人工保育の体制が十分にとれない日本では、自然保育が主流。シンシンが子育てに慣れれば、次はうまくいくかもしれない」と話している。
 
③【外信コラム】北京春秋 犯人にされた都知事 
  http://sankei.jp.msn.com/world/news/120713/chn12071303130002-n1.htm
2012.7.13 03:13 [中国]
 上野動物園の赤ちゃんパンダが急死したとの知らせを受け、中国国内のインターネット掲示板をのぞいてみると案の定、罵詈(ばり)雑言が連なっていた。
 「石原慎太郎がやったんだろう!」。沖縄・尖閣諸島の購入計画を進め、赤ちゃんパンダに「尖尖」「閣閣」と名付けることを提案した東京都の石原知事が“口撃”の標的になることは、最近の中国メディアのあおり方からも容易に想像できた。
 反日姿勢を示せば賛同が得られると思い込んでいるようだが、「故意に殺した」「政治的判断」といった声には付き合いきれない。裏を返せば、中国政府がパンダを政治利用してきたことが、国民の思考を歪(ゆが)めているのだろう。
 1972年、ニクソン米大統領の歴史的訪中にあたって贈られたつがいは、米国内の対中観を和らげた。昨年1月、胡錦濤国家主席が訪米した際には、ワシントンの動物園への貸与期間延長を米中摩擦の改善につなげようとした。日本も然(しか)り。中国の“パンダ外交”にまんまとはまってきた。
 死んだ赤ちゃんパンダが誕生した際、中国外務省の劉為民報道官は「パンダは友好の使者だ」と述べ、珍しく相好を崩した。“愚論”がまかり通る中国世論を目にすると、その笑みを好意的に受け止めた自分が恥ずかしい。(川越一)
=================================転載完了

所詮「日中友好」なんざこんな物

 さて、如何だろうか。
 
 改めて要約するならば、上掲①は「シンシンの赤ちゃんパンダが死んだのは、日本が殺したんだ!!」と騒ぐ中国ネット情報。上掲②はパンダの繁殖の難しさを伝える記事。上掲③は上掲①の続報で、とうとう石原都知事が「パンダ殺し」の犯人に祭り上げられて居ると言う。
 
 上掲記事②にある通り、パンダの繁殖は難しいそうだ。生後3ヶ月も気が抜けないし、生後1週間で6~7割死ぬと言う事は、生後1週間の生存率は3~4割でしかない、と言う事。無論この生存率は「パンダ専用の繁殖センター」があれば向上しそうだが、上野動物園に居る2頭のパンダすら「中国からの貸与品」とあっては、そんな「パンダ専用の繁殖センター」を持てるのは、中国だけだろう。いわば、パンダは、中国の独占商品である。
 
 それでも、パンダを中国が独占しようが、その為に中国以外でのパンダの繁殖が困難だろうが、些事である。少なくとも当ブログで取り上げるような話ではない。
 
 が、上掲記事①及び③のように、「赤ちゃんパンダの死」を「日本の故殺」と盲信し、「犯人は石原都知事だ」と言うような「妄言」が中国ウエブ上に跳梁跋扈する事態は、これは看過し難い。
 
 一つには、無論それが中国側の「悪意ある誤解・曲解」に基づいているから。恐らくは中国がその文字をNew Speak化して「簡字体」を採用普及させた事もこの「誤解・曲解」には寄与していよう。
 
 もう一つにはその「悪意ある誤解・曲解」が中国ウエブ上に跳梁跋扈して居ると言うことは、少なくとも中国政府の黙認がある、と言う事だから。
 
 ネット上の言論と言うのは基本的に自由であるべきだ。日本をはじめとする西側「自由主義世界(*1)」では、それはある程度実現している。だが、中国ウエブは違う。中国当局はウェブ上の規制を次々強化しており、グーグルが中国から撤退したのもその規制を嫌ったからだ。即ち「グーグルを追い出してしまうぐらいのウエブ規制が中国にはある」のであり、その「中国当局監視下の中国ウエブ上」で「日本がパンダの赤ん坊を殺した」などと言う「妄言」が跳梁跋扈して居ると言う事実は、左様な事態が、少なくとも「中国共産党の利益を脅かさない」と判断されている事を意味する。
 否、寧ろ、かつての「反日デモ」のように、「対日圧力」の一翼を担わせようと言う意図が、私には感じられる。
 
 無論、パンダが死のうが生きようが、「パンダ殺し」の濡れ衣着せられようが、動じる必要は全くないし、動じさえしなければ、何て事のない「対日圧力」なんだがね。
 
 だが、あんな奴を未だ駐中大使に任じているようでは、全く期待できないな。
 逆に言えば、かかる日本に対する悪意ある誤解曲解に基づく「パンダ殺し」の汚名は、有効な「対日圧力」たり得るし、現民主党政権はその「対日圧力」に屈しかねない、と言う事だ。
 如何に、民主党。

<注釈>

(*1) 東西冷戦終結以降、あまり聞かなくなった言葉だが