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タイトルの前半「原発1基分で「脱原発」」とは、先行記事にした(*1)ソウル市の「脱原発政策(自称)」を指す。何しろ実質「原発1基分だけの節電」で「脱原発」を豪語してしまうんだから凄い、と思っていたら、今度は原発2基止めただけで電力不足と言うニュースが入ってきた。因みに韓国に在る原発は21基。韓国大統領自身がUAEへ売り込んで原発輸出にも成功している。そんな韓国が如何にして「原発2基停止」と「電力不足」に至ったか・・・まあ、御一読あれ。
<注釈>
(*1) ドイツ以上の「ナンチャッテ」脱原発 http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36983211.html
転載開始=========================================
原発2基停止 韓国襲う電力不足 相次ぐ不祥事、国民が不信感
韓国南部・釜山郊外の古里原子力発電所。右端が全電源喪失事故があった1号機=4月28日(共同)
韓国で電力不足が深刻な問題になっている。突然の停電で、工場が大きな損害を被ったり、強制節電により生産に支障が出るケースも見られる。原因は複合的だが、原子力発電所で事故や不祥事が相次ぎ、2基が稼働を停止したままであるのが大きく響いている。(フジサンケイビジネスアイ)◆事故を1カ月隠蔽韓国・朝鮮日報などによると、今年2月、韓国南東部釜山(プサン)郊外の古里(コリ)原子力発電所1号機(58万キロワット)の定期点検中に停電が起こり、非常用外部電源が故障していたため、停電中の12分間に原子炉内の冷却水の温度が摂氏36.8度から58.3度に急上昇し、炉心溶融(メルトダウン)の危険があった。同原発の所長が中心になって事故を隠蔽(いんぺい)し、作業報告書も改竄(かいざん)させていたことが1カ月以上が経過してから明らかになった。古里は1978年4月に稼働した韓国最初の原発で、設計寿命を迎えた2007年6月に停止したが、国際原子力機関(IAEA)の検査を経て、韓国政府が10年間の稼働延長を認め、08年1月に再稼働した。隠蔽事件を受けて、周辺住民や環境団体などは古里原発1号機の廃炉を求めている。韓国東部の蔚珍(ウルチン)原発では昨年9月、4号機(100万キロワット)の定期検査で蒸気発生器内の伝熱管約1万6000本の相当数に亀裂が見つかり、修理のために運転を停止している。同発電所3号機(100万キロワット)も6月末に定期点検に入るため、今夏は稼働が見込めない。汚職事件も相次いでいる。韓国電力公社(韓電)の子会社で、同国内の原発を独占的に運営する韓国水力原子力(韓水原)の中間管理職員が、納入業者から賄賂を受け取り、外国製正規部品を複製した模造品や横流しした中古部品を新品と偽って納入させていた事件が、複数の原発で発覚した。韓水原は、納入業者リストに登録された企業に限定して取引するという閉鎖体質で、癒着が起きやすい構造的な問題が背景にある。一連の不祥事で、原発に対する不信感が国民の間で募り、原発の稼働延長や新規建設に対する反対が強まっている。◆被害137億円以上韓国の電力不足は、需要面にも原因がある。李明博(イミョンバク)政権は電気料金を生産原価以下に抑える政策をとっており、安い電気料金が節電意識を弱くしている。朝鮮日報によると、韓国人1人当たりの年間電力消費量(09年)は8092キロワット時で、日本人の6975キロワット時に比べ16%多い。また、国内総生産(GDP)を1ドル増やすのに必要とされる電力は、韓国が0.58キロワット時、米国が0.35キロワット時、ドイツが0.28キロワット時、日本が0.20キロワット時で、韓国は経済協力開発機構(OECD)の平均(0.33キロワット時)の1.76倍と非効率的だ。韓国では昨年、停電により被害を受けた住宅、企業、商業施設が678万カ所に及んだ。これは、韓電が電力を供給する施設1922万カ所の約35%に相当する。昨年、予告なしの大規模停電が3回を数え、製造中の製品が損傷するなどして最低2000億ウォン(約137億円)の損害を企業が被った。韓国政府は冬季の11年12月から12年2月にかけて、違反すると罰金を科すこともある強制節電策を講じた。今夏も百貨店やホテルなど大型施設の冷房設定温度を26度以上、公共機関には28度以上に義務づけ、冷房しながらドアを開けて営業する店舗には罰金を科す。また、昨年8月と12月に電気料金を引き上げ、今年も夏前に値上げすることを検討している。しかし、こうした対症療法では電力不足は解決しない。原発に対する国民の信頼を回復するとともに、発電効率の高い産業構造への転換が不可欠だ。(ソウル支局)
=================================転載完了
半島原発運転事情
さて、如何だろうか。
先ず注目したいのは、半島に於ける原発運転状況であろう。
1> 韓国・朝鮮日報などによると、
2> 今年2月、韓国南東部釜山(プサン)郊外の古里(コリ)原子力発電所1号機(58万キロワット)の定期点検中に停電が起こり、
3> 非常用外部電源が故障していたため、
4> 停電中の12分間に原子炉内の冷却水の温度が摂氏36.8度から58.3度に急上昇し、
5> 炉心溶融(メルトダウン)の危険があった。
6> 同原発の所長が中心になって事故を隠蔽(いんぺい)し、作業報告書も改竄(かいざん)させていたことが1カ月以上が経過してから明らかになった。
半島は日本列島ほどには地震は多くないが、上記2>「定期点検中の停電」と上記3>「非常用外部電源の故障」だけで上記4>~5>「炉心溶融の危機」に陥ったと言うのだから一寸した事である。上記4>の通り停電時間が12分で済んだから「原子炉内冷却水温度が摂氏36.8度から58.3度に急上昇」しただけで済んでいるが、定常運転中ですらない、即ち稼動停止中の原発で定期点検中に「炉心溶融の危機」に陥るとは、それも、上記3>「非常用外部電源の故障」、繰り返す、「津波被った訳ですらない非常用外部電源の故障」によって「炉心溶融の危機」に陥るとは、定期点検の手順なり、体制なりに重大な欠陥があったのではないか、と、疑えて来る。
勿論、さらなる問題は上記6>「所長が中心になって事故を隠蔽(いんぺい)し、作業報告書も改竄(かいざん)させていたこと」だろう。「人のフリ見て我がフリ直せ」と言うし、「他山の石以って玉を攻む」とも言うから韓国・古里発電所の事故は大いに参考とすべきだが、今や日本じゃ「極悪非道の大悪人」扱いされている「原子力ムラ」さえ可愛く思えてくるほどだ(*1)。
だが、今回記事で俎上に上げたいのは、半島の杜撰な原発運転体制でも(*2)、それに対し隻言半句も声を上げていない様に見える日本の「脱原発」論者達でも(*3)、その意味する「日本一国脱原発」による「原発リスク低減効果の限定性」でもない(*4)。上記の通りの原発事故と原発事故隠蔽、さらには相次ぐ汚職事件発覚もあって2基だけ原発稼動停止している韓国が電力不足危機に見舞われていると言う上掲記事報道と、そこから予測する今後の韓国電力事情だ。
先ず、先述の通り韓国に21基既にある(*5)原発の内僅か2基、全原発の1割が「予定外停止」しただけで今夏の電力不足が心配されてしまうマージンのなさに驚くべきだろう。ソリャ電力と言う物は現状殆ど貯めておくことが出来ず、需要に応じて発電しなければならない。それ故に「真夏一番暑い頃の昼間」と言う電力消費ピークに合わせて発電設備を整備しておくのが電力会社の努めである。それ故にこそ電力会社は「悲観的な電力需要予想を上回る発電量」を確保しようとする。短時間でも地域的でも電力需要が供給量を上回れば、「停電」が惹起される。我が国では昨年東電管内で実施された計画停電の他は、台風などで送電設備に事故でも起きない限り「停電」何て滅多に起こらない。何しろ、50基以上の原発が未だ稼動停止中にも拘らず「電力不足による停電」なんて事態に至らないのは、各電力会社が必死に動かしている火力発電所と、火力・水力を中心とし整備してきた(*6)電力供給量の「余裕」、それに電力消費者側の節電努力の賜物である。
逆に言えば、半島の韓国には、日本の電力会社ほどの発電量余裕もなければ、上掲記事の通り大震災を喰らった訳ではない韓国電力消費者に節電努力は期待できない、と言う事だろう。
先ず注目したいのは、半島に於ける原発運転状況であろう。
1> 韓国・朝鮮日報などによると、
2> 今年2月、韓国南東部釜山(プサン)郊外の古里(コリ)原子力発電所1号機(58万キロワット)の定期点検中に停電が起こり、
3> 非常用外部電源が故障していたため、
4> 停電中の12分間に原子炉内の冷却水の温度が摂氏36.8度から58.3度に急上昇し、
5> 炉心溶融(メルトダウン)の危険があった。
6> 同原発の所長が中心になって事故を隠蔽(いんぺい)し、作業報告書も改竄(かいざん)させていたことが1カ月以上が経過してから明らかになった。
半島は日本列島ほどには地震は多くないが、上記2>「定期点検中の停電」と上記3>「非常用外部電源の故障」だけで上記4>~5>「炉心溶融の危機」に陥ったと言うのだから一寸した事である。上記4>の通り停電時間が12分で済んだから「原子炉内冷却水温度が摂氏36.8度から58.3度に急上昇」しただけで済んでいるが、定常運転中ですらない、即ち稼動停止中の原発で定期点検中に「炉心溶融の危機」に陥るとは、それも、上記3>「非常用外部電源の故障」、繰り返す、「津波被った訳ですらない非常用外部電源の故障」によって「炉心溶融の危機」に陥るとは、定期点検の手順なり、体制なりに重大な欠陥があったのではないか、と、疑えて来る。
勿論、さらなる問題は上記6>「所長が中心になって事故を隠蔽(いんぺい)し、作業報告書も改竄(かいざん)させていたこと」だろう。「人のフリ見て我がフリ直せ」と言うし、「他山の石以って玉を攻む」とも言うから韓国・古里発電所の事故は大いに参考とすべきだが、今や日本じゃ「極悪非道の大悪人」扱いされている「原子力ムラ」さえ可愛く思えてくるほどだ(*1)。
だが、今回記事で俎上に上げたいのは、半島の杜撰な原発運転体制でも(*2)、それに対し隻言半句も声を上げていない様に見える日本の「脱原発」論者達でも(*3)、その意味する「日本一国脱原発」による「原発リスク低減効果の限定性」でもない(*4)。上記の通りの原発事故と原発事故隠蔽、さらには相次ぐ汚職事件発覚もあって2基だけ原発稼動停止している韓国が電力不足危機に見舞われていると言う上掲記事報道と、そこから予測する今後の韓国電力事情だ。
先ず、先述の通り韓国に21基既にある(*5)原発の内僅か2基、全原発の1割が「予定外停止」しただけで今夏の電力不足が心配されてしまうマージンのなさに驚くべきだろう。ソリャ電力と言う物は現状殆ど貯めておくことが出来ず、需要に応じて発電しなければならない。それ故に「真夏一番暑い頃の昼間」と言う電力消費ピークに合わせて発電設備を整備しておくのが電力会社の努めである。それ故にこそ電力会社は「悲観的な電力需要予想を上回る発電量」を確保しようとする。短時間でも地域的でも電力需要が供給量を上回れば、「停電」が惹起される。我が国では昨年東電管内で実施された計画停電の他は、台風などで送電設備に事故でも起きない限り「停電」何て滅多に起こらない。何しろ、50基以上の原発が未だ稼動停止中にも拘らず「電力不足による停電」なんて事態に至らないのは、各電力会社が必死に動かしている火力発電所と、火力・水力を中心とし整備してきた(*6)電力供給量の「余裕」、それに電力消費者側の節電努力の賜物である。
逆に言えば、半島の韓国には、日本の電力会社ほどの発電量余裕もなければ、上掲記事の通り大震災を喰らった訳ではない韓国電力消費者に節電努力は期待できない、と言う事だろう。
<注釈>
(*1) 急いで付け加えるならば、私は所謂「原子力ムラ」が「外部意見に対し閉鎖的で、健全な安全基準策定と言う本来任務を怠った」と言う点で非難されるべきとしても、「原発推進の利益集団であること」を非難すべきとは考えない。「原発推進の利益集団」には「脱原発の利益集団」と少なくとも同等の正当性があろう。(*2) ムネミツ様(旧名「。。。」様)によると、私は「韓国中国の悪口を言い、右翼的キーワードをちりばめただけの思考停止した文章で、保守を気取っている」のだそうだ。言わば「似非保守」と言う事だろう。その適否は読者諸兄の判断に委ねるとしても、「半島の杜撰な原発運転体制」と言うのが「韓国の悪口」である事は間違いないだろう。だが、上記報道が事実である限り、「悪口を言わない」=非難しない 方が同化していると思われる。(*3) まあ、この人たちは、「私言わせれば愚挙にして暴挙」である「脱原発」を公言しているのだから、「どうかしている」のは当たり前だな。ああ、「世論の7割は脱原発!」てコメントがどこかにあったな。ソリャ「世論の7割がどうかしている」と言う事だと、私は解釈している。(*4) 「脱原発」なって、日本から原発が無くなれば、「日本発の原発事故」と言うのは起こしたくても起こせない状態だろう。だが、半島や大陸の原発は、日本の脱原発なぞとは全く無関係に事故を起こす可能性がある。即ち「半島、大陸発の原発事故による日本の被る原発リスク」には、脱原発も原発推進も何ら影響を与えない。敢えて言えば、原発推進に拠って保持される原子力技術に拠って、半島・大陸の原発の安全性向上に寄与するとか、原発事故時の対処に貢献するなどの、間接的原発リスク低減効果が期待しうる。(*5) ばかりではなく、国を挙げて積極的に海外輸出に乗り出しており、UAEへ輸出に成功している(*6) 「太陽光や風力の普及を怠った」なんて非難もあるようだが、コストも高ければ発電量も安定しない。何より「電力が必要な時に発電できない」太陽光や風力を電力会社が推進するとしたら、宣伝のためでしかない。来月から始まる「管直人の首相退陣条件」エネルギー特別措置法で太陽光・風力発電電力は強制的に高価買取されるようになるから、今後太陽光・風力発電は「普及」するだろうが、電力の安定供給と言う意味での効果は非常に限定的だ。