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国会事故調の任務・Missionは何か?
福島原発事故発覚直後に、東電が全面撤退を言い出し菅直人がそれを止めたか否かと言う議論は、以前記事にした(*1)。震災翌日の「福島第一原発視察」がベントを遅らせ、水素爆発の遠因になったのではないか、と言う疑義も(*2)。因みに後者の疑義は未だ疑義のままである。
これらを巡る今回の国会事故調に対する朝日と産経の「視点の相違」は前章までに記述した。一言で言えば朝日は官邸・菅直人・2月公表された民間事故調寄りであり、産経は東電・国会事故調寄りである。序でに言えば私自身も後者なのは、先行記事の通りだ。
唯、この「視点の相違」は言わば趣味であり、議論が分かれて良い所である。
問題は、章題にもした通り「国会事故調の任務・Missionは何か?」であり、具体的には国会事故調報告書の取り扱うべき範囲である。先述の通り朝日は、福島原発事故の原因を日本のエネルギー政策・原発推進にまで遡及して報告しろ、と求めている。平たく言えば「脱原発方針をこの報告書に盛り込め」である事は、先ず間違いなかろう。
当然ながら、「脱原発なぞ愚挙にして暴挙」と断じる私は、そんな「原因追求」を肯んじないし、そもそもそれが国会事故調の任務だとも思わない。
一寸考えればわかることだ。これが今、放射能アレルギー・反原発ヒステリーが猖獗を極める現状だから、「原発事故の国会事故調」が「このような事故を二度と起こさない」ように「報告書に脱原発を盛り込む」などと言う朝日社説の主張が尤もらしく聞こえるのだ。これが別の事故、例えば航空機事故ならばどうか。「航空機事故は一般人が旅客機で移動するから被害が生じるのであり、今後は一般人の空路移動を制限しよう。」と結論付けたとしたら。それが暴論である事に説明の要はあるまい。
「このような事故を二度と起こさないようにする」と言う国会事故調の目的は正しい。衆目も一致するだろうし、私も同意しよう。
だが、「このような原発事故を二度と起こさないように、原発を無くそう」と結論付ける事は、国会事故調のなすべき範囲を超える。脱原発/原発推進は国のエネルギー政策の根幹に関わる問題であり、福島原発事故の事故調査のみで結論を出せる問題ではない。
それを「国会事故調は事故原因を原発の存在自体まで遡れ」と主張する朝日社説は、美事なまでの論点ズラしであり、議論のすり替えである。
で、そんな「美事なまでの議論すり替え」を社説にしてしまう朝日は、官邸・菅直人よりの主張「菅直人英雄論=東電の福島原発撤退を阻止した説」に自信を失ってきているのでは、と考えるのは、邪推が過ぎるだろうか。
如何に、朝日新聞。
これらを巡る今回の国会事故調に対する朝日と産経の「視点の相違」は前章までに記述した。一言で言えば朝日は官邸・菅直人・2月公表された民間事故調寄りであり、産経は東電・国会事故調寄りである。序でに言えば私自身も後者なのは、先行記事の通りだ。
唯、この「視点の相違」は言わば趣味であり、議論が分かれて良い所である。
問題は、章題にもした通り「国会事故調の任務・Missionは何か?」であり、具体的には国会事故調報告書の取り扱うべき範囲である。先述の通り朝日は、福島原発事故の原因を日本のエネルギー政策・原発推進にまで遡及して報告しろ、と求めている。平たく言えば「脱原発方針をこの報告書に盛り込め」である事は、先ず間違いなかろう。
当然ながら、「脱原発なぞ愚挙にして暴挙」と断じる私は、そんな「原因追求」を肯んじないし、そもそもそれが国会事故調の任務だとも思わない。
一寸考えればわかることだ。これが今、放射能アレルギー・反原発ヒステリーが猖獗を極める現状だから、「原発事故の国会事故調」が「このような事故を二度と起こさない」ように「報告書に脱原発を盛り込む」などと言う朝日社説の主張が尤もらしく聞こえるのだ。これが別の事故、例えば航空機事故ならばどうか。「航空機事故は一般人が旅客機で移動するから被害が生じるのであり、今後は一般人の空路移動を制限しよう。」と結論付けたとしたら。それが暴論である事に説明の要はあるまい。
「このような事故を二度と起こさないようにする」と言う国会事故調の目的は正しい。衆目も一致するだろうし、私も同意しよう。
だが、「このような原発事故を二度と起こさないように、原発を無くそう」と結論付ける事は、国会事故調のなすべき範囲を超える。脱原発/原発推進は国のエネルギー政策の根幹に関わる問題であり、福島原発事故の事故調査のみで結論を出せる問題ではない。
それを「国会事故調は事故原因を原発の存在自体まで遡れ」と主張する朝日社説は、美事なまでの論点ズラしであり、議論のすり替えである。
で、そんな「美事なまでの議論すり替え」を社説にしてしまう朝日は、官邸・菅直人よりの主張「菅直人英雄論=東電の福島原発撤退を阻止した説」に自信を失ってきているのでは、と考えるのは、邪推が過ぎるだろうか。
如何に、朝日新聞。
<注釈>
(*1) 検証:管直人の震災初動4―菅直人は英雄か?― http://www.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36820971.html(*2) 菅直人の根拠不明な弁明 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34994215.html
転載開始=========================================
③【東電事故調】来週にも最終報告 情報公開の遅さは「官邸」のせい
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120613/dst12061308460001-n1.htm
2012.6.13 08:44[東日本大震災]
東京電力の福島第1原発事故調査委員会(社内事故調)がまとめた最終報告書案の全容が12日、判明した。東電の情報発信について、官邸や原子力安全・保安院の了解が必要だったため「発表の時期や内容が制約された」と国に責任転嫁する内容を盛り込んだ。東電は外部の専門家による検証委員会の評価とともに来週にも公表する。報告書案はA4判約360ページ。地震による原発の主要設備への損傷は「ほとんどなかった」と説明。大気中に放出された放射性物質の推定量が90万テラベクレル(テラは1兆)に上ったことを飛散状況の図解と記載した。「発表が遅く、ずさん」と批判された情報公開の「制約」は、昨年3月12日の1号機の水素爆発が発端だったという。官邸が把握していない写真を東電が福島県に示している様子がニュースで放送され、枝野幸男官房長官(当時)が東電に「社長が謝罪すべき由々しき問題」と強く注意した。これを受け、清水正孝社長(同)が「今後広報する時は官邸にお伺いをたて、官邸の許しが出るまで絶対に広報するな」と指示したとし、「情報を隠蔽(いんぺい)・改竄(かいざん)した事実や意図はない」と主張している。原発の北西方向に重大な汚染を引き起こした最大の原因は、当初考えられていたベントによるものではなく、2号機の格納容器から漏れ出たガスだったと結論付けたが、詳しい損傷箇所や原因の記述はなかった。
巨大津波は、福島県沖で大きな地震が過去になかったため想定しておらず、国の研究機関も同じ評価だったと主張。事故4日前に、津波の長期的評価を保安院と検討した際も「今すぐ対策を実施するようにとの指示は受けなかった」とし、判断の妥当性を強調した。◇■最終報告案 骨子一、経済産業省原子力安全・保安院は巨大津波への対策を指示せず一、地震や津波の脅威は国が統一見解示すべきだ一、情報を隠蔽・改竄した事実や意図はない一、全面撤退を考えたことはない一、主要設備に地震による損傷は確認されず一、津波被害で原子炉の熱除去できず一、運転員は復水器の操作に必要な知識あった一、2号機からの放射性物質の大量放出は、格納容器内のガスが何らかの形で大気中に一、官邸の介入が無用の混乱を助長させた
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