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 「MV-22オスプレイとは何物か?」と問われれば、「米軍用の新型輸送機で、チルトローター方式を採用したVTOL(垂直離着陸)機」と答えよう。MV-22オスプレイは悪魔でも化け物でも禁忌でもない。せいぜいが、ヘリコプター並みの垂直離着陸能力と、固定翼機としての高速航続性能を目指した新技術採用機でしかない。
 
 だがこの新型輸送機が、沖縄二紙の手に掛かると人に良く噛み付く犬に喩えられる欠陥機として人権問題」「沖縄差別にまで話が膨らんでしまうのだから面白い。先ずはそのMV-22オスプレイ配備に反対する「街の声」を集めた沖縄タイムス記事、御一読あれ。
 
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首相のオスプレイ要請方針に県民憤り  

        政治  2012年6月7日 09時24分 

 野田佳彦首相が「慰霊の日」の23日に合わせ、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を県に要請することを検討している。沖縄が鎮魂の祈りに包まれ、非戦を誓う特別な日に、事故を頻発する「欠陥軍用機」の配備を請う―。沖縄戦の遺族やオスプレイ配備予定地の住民らは、政府の検討が明らかになった6日、戦争被害者の痛みや危険と隣り合わせの基地負担を「全く理解してない」と一斉に反発の声を上げた。

 沖縄戦で看護要員として動員された積徳高等女学校ふじ同窓会の新垣道子会長(86)は、「何が負担軽減なのか。沖縄は戦争で苦しい目に遭っているのに許されない」と憤った。23日は新垣さんにとって仲間の霊を慰める大切な日。「考えられない」とあきれた。

 県遺族連合会長の照屋苗子さん(76)は「まさか」と言葉を詰まらせた。沖縄戦で父、姉、弟、妹、祖母を亡くした。「私たちのようなつらい、悲しい、嫌な思いをした人は戦争に関わることは一切嫌だと思っている」と切々と繰り返した。

 米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市は、オスプレイの配備が予定されている。佐喜真淳市長は「信ぴょう性は分からないが、仮にそうであれば市民や県民の思いがまったく伝わっていない」とため息をついた。「慰霊の日は追悼の日。あまりに軽率ではないか」と首相の姿勢を疑問視した。

 第2次普天間爆音訴訟原告団の島田善次団長は「県民を愚弄(ぐろう)している。沖縄戦では多くの県民が亡くなったのにまた殺すつもりか。まともな考えと思えない」と一蹴した。

 那覇軍港への搬入を懸念する那覇市の翁長雄志市長は「首相には理解を求める資格はない。今までの信頼関係を含めて厳しい結果にならざるを得ない」と批判した。

 同飛行場の移設先とされる名護市の比嘉祐一市議会議長は「事故原因の究明も不完全であり、知事も市長も認めるはずがない」と指摘した。

 ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は「平和を祈る日に、いつ事故が起きるか分からない欠陥機の配備を求める感覚がまったく理解できない」。その上で「(慰霊の日の要請を)だれもいさめようとしないのは政権の末期症状。次々とマニフェストを覆してきた状況と重なって映る」と皮肉った。

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一覧表化とZeroの反論

 さて、如何だろうか。
 
 当該記事を整理すると、「オスプレイ配備反対」を報じられているのは以下の7名。

1 沖縄戦で看護要員として動員された積徳高等女学校ふじ同窓会の新垣道子会長(86)

2 県遺族連合会長の照屋苗子さん(76)

3 佐喜真淳宜野湾市長

4 第2次普天間爆音訴訟原告団の島田善次団長

5 翁長雄志那覇市長

6 比嘉祐一名護市議会議長

7 ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は

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 それぞれの発言と、それに対する私の突っ込みは、一覧表化したのでそちらを見てもらうとして、ここでは全体的な話をしよう。
 
 沖縄二紙は良く「オスプレイは欠陥機だ!」と書き、「欠陥機を沖縄に配備するのは人権問題、沖縄差別だ!と主張する。だが、「オスプレイは欠陥機」から「人権問題・沖縄差別」に至る論理の飛躍に気付いているのだろうか。
 
 その「風と桶屋」とまでは言わずとも、「風と三味線」ぐらいの飛躍ではありそうな論理ステップは、多分次のようになっているのだろう。
 
(1) MV-22オスプレイは欠陥機だ【前提条件】

(2) MV-22オスプレイは欠陥機だから良く墜落する

(3) MV-22オスプレイが配備される沖縄基地、特に普天間基地は市街地も近いし、基地周辺人口も多い

(4) MV-22が沖縄で墜落した場合、周辺の沖縄県民が巻き込まれる危険がある

(5) 上記(4)の基地周辺沖縄県民の危険は人権問題であ理、その人権問題を無視するのは沖縄差別だ

 さてその上で、だ。表中の突込みにも入れたが、既にMV-22は米軍用として全世界の基地に配備され、今後も配備され続ける予定だ。沖縄には日本で初めて配備される事になるが「日本で初めて」なだけだ。
 
 従って、もしMV-22オスプレイが沖縄二紙の主張するように欠陥機であるならば、それは正にアメリカにとって、特にそのMV-22を運用している米海兵隊にとって大問題であり、特にMV-22のパイロットら乗組員にとっては正しく死活問題だ。MV-22オスプレイには「射出座席」なんて文明の利器はついていないから、墜落事故になったらその事故を絶対にに免れようがないのは( 墜落地点の周囲に住んでいる(かも知れない)基地周辺住民ではなく MV-22のパイロットだ。
 
 無論、米海兵隊は勇猛果敢なことで知られている。だが、戦時の戦場で死ぬのならば「名誉の戦死」と考える事もできようが、平時の訓練中に乗機の欠陥で事故死する事は、如何に米海兵隊員といえども肯んじないだろう。
 
 言い換えれば、MV-22が欠陥機で(上記(1))、それが「人権問題」になるとしたら、真っ先にその墜落事故(上記(2))を免れようが無いMV-22パイロット=海兵隊員の人権問題であるはずだ。尚且つその「人権問題」は「欠陥機MV-22の沖縄以外外配備」が既に開始されている以上、既に発生している人権問題であるし、さらには仮にMV-22の沖縄配備が断念されたとしても、その事で終る訳ではない人権問題だ。
 
 だが、沖縄二紙が声高に叫び、糾弾するのは「沖縄差別」に結びつく墜落事故に巻き込まれる危険がある基地周辺住民上記(4))=沖縄県民」だけ。これは米海兵隊員の人権を無視する、米海兵隊差別、と言うべきではないか。
 
 ああ、米海兵隊員で沖縄二紙を購読しているものは少ないんだろうな。だがだとしたら、沖縄二紙の言う「人権問題」「沖縄差別糾弾は唯の「購読者サービス」と言う事になるのだが、それで良いのかね。
 
 如何に、沖縄二紙。
 
 

【追記】

 
 MV-22はチルトローター機と言う新奇な機構を備えているが、それ故に固定翼機並みの高速・航続性能を持ちつつヘリコプター並みに垂直離着陸が出来る。その優れた性能機能ゆえに、MV-22の沖縄配備は、抑止力の更なる向上につながると、期待出来る。
 
 そのMV-22の沖縄配備に、「米海兵隊配備」ではなく「沖縄配備」だけに、沖縄二紙が執拗に反対するのは、沖縄二紙の「沖縄県民のみ重視。米海兵隊員無視。」の「歪んだ人権感覚」だけでは説明がつかない、と私には思われる。
 
 そこに「中国の影」を見るべきだ。少なくともその可能性を念頭に置くべきだと、私は考える。
 
 繰り返すが、中国は尖閣諸島=沖縄を「核心的利益」と、とうとう言い始めたのである。