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 タイトルだけで大凡中身に見当がついて、実際その通りの中身だから、これがミステリだったら読者は怒り出すところだろうが、如何に三アカ新聞下っ端とは言え(一応)日本の新聞が報じる(一応・・・可也苦しい)元日本国首相の発言だ。無碍にも出来まい。
 
 先ずはその沖縄タイムス報道、御一読願おうか。


転載開始========================================= 

「普天間県外模索を」鳩山元首相、番組で言及 

 政治  2012年5月20日 09時38分 
 
 【東京】鳩山由紀夫元首相は19日、民放のテレビ番組に出演し、米軍普天間飛行場の移設問題について「(名護市辺野古移設を疑問視する)米議会で新たな動きが出ている。日本の国会議員も受け止め超党派で(新たな)方向を模索すれば結論が出ない話ではない」と述べ、県外移設検討の必要性に言及した。

 本土復帰の日の15日の沖縄訪問を振り返り、「行って良かった。結果的に負けてしまったが、沖縄のために戦おうとした気持ちは分かってもらった」と意義を強調し、「現政権が沖縄のために戦っていないことにいらだちも感じる」と述べた。

 辺野古移設については「私が日米合意した時より県民の反対が高まっている。辺野古に固執する限り、普天間は固定化してしまう」と指摘。米議会での新たな動きを踏まえ「日本の政府は残念ながら自分の意思で決められず、米側が動くことが一番のチャンス。米依存から立ち直るためにも、言うべきことを言う政治が必要だ」と述べ、自らも訪米して米議会と連携する姿勢を示した。

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被告人の弁明―やっぱり宇宙語―


 愚痴り出せばキリがないから、さっさと「今回の鳩山発言」を抽出し、分析するとしよう。

1> 「(名護市辺野古移設を疑問視する)米議会で新たな動きが出ている。
2> 日本の国会議員も受け止め超党派で(新たな)方向を模索すれば結論が出ない話ではない」

 実に興味深くも図々しい発言だ。「最低でも県外」と「民主党党首としての(勝手な口)約束」を掲げて先の衆院選挙大勝の一助とした御仁が、日本国首相として「Trust Me!」「誰もが納得する腹案」「(一昨年の)5月までに決着」と次々吹聴しながら、その一昨年5月までに、新たな日米合意の成立(*1)どころか、日米合意の交渉開始どころか、普天間基地移設日本政府案提出どころか、その民主党案一つまとめられなかったために首相退陣に追い込まれたのは、民主党内ですら「結論が出なかった」結果だろう。
 それが上記1>米議会で新たな動きが当時なかったからだと言うのならば、「米議会で新たな動き」の目途もないまま「最低でも県外」「Trust Me!」と明言断言した根拠は、全くなかった事になる。左様解釈すべきなのだな。即ち、今更ながらであるが、鳩山由紀夫は嘘吐きであり、嘘をつくことをなんとも思わず、嘘をつき続けてきたことを、自ら認めるのだな。

>  沖縄訪問を振り返り、
3> 「行って良かった。結果的に負けてしまったが、沖縄のために戦おうとした気持ちは分かってもらった」
> と意義を強調し、
4> 「現政権が沖縄のために戦っていないことにいらだちも感じる」

 誰でも良い。鳩山由紀夫当人でも支持者でも、沖縄県民でも、沖縄タイムスでも琉球新報でも新華社通信でも構わないから教えて欲しい。「鳩山由紀夫は、沖縄のために、一体何をどう戦ったのか?」
 その「戦おうとした気持ち」を、誰がどのように「分かった」のか。
 
 再三繰り返すとおり、当ブログは個人のブログとしては相当しつこく普天間基地問題を追いかけた(*2)。この間、少なくとも当ブログが追いかけていた「オバマ合衆国大統領に対するTrust Me発言」から「鳩山由紀夫の首相辞任」に至る期間に、「鳩山由紀夫が辺野古以外を普天間基地移設先とするための努力」なんて物は、一切認めることが出来ない。せいぜい「願望の表明」と「結果を伴わない自称「努力」の誇示」があるぐらいだ。

 従って、鳩山由紀夫の主張・上記3>結果的に負けてしまったに対しては、「戦うどころか汗もかいていない」と断じるし、上記3>沖縄のために戦おうとした気持ちは純粋に「気持ち」だけで全く行動が伴っていなかったと断言する。故に、上記3>(沖縄県民に)分かってもらったなんてのは、「クリントン長官に普天間基地移設問題の延期をわかってもらった」発言並みに信用できない。因みに「クリントン長官の理解」は、その後「日米同盟は大事だと言う事で合意した」と言う、訳の判らない弁明に終っている。ま、鳩山由紀夫の弁明が、支離滅裂で訳がわからないのは、いつもの事であるが。
 
5> 「私が日米合意した時より県民の反対が高まっている。
6> 辺野古に固執する限り、普天間は固定化してしまう」

 さあ、上記5>~6>の発言が先ずわからないぞ、順を追って考えてみよう。
 
(1) 上記5>私が日米合意した時と言うのがイキナリ判らない。現行日米合意は普天間基地の辺野古移設案。辺野古移設案は先の衆院選挙結果、忌まわしき「政権交代」以前の自民党時代に合意した普天間基地移設先のデフォルト条件。つまり、「鳩山由紀夫が日米合意した」訳ではない。普天間基地を辺野古以外のどこかに移設するならば、それには新たな日米合意が必要であるが、私の知る限り、そんな「新たな日米合意」は有象無象を含めた「提案」或いはそれ以前のアイディアぐらいしかないから、鳩山由紀夫だろうだが誰だろうが「合意した」などありえない。
 辛うじて出来る解釈が、『鳩山由紀夫が日本国首相辞任する際に発表した「普天間基地辺野古移設、但し滑走路の本数は変えるかも(*3)」案を以って上記5>私(鳩山由紀夫)が日米合意したと言っている』なのであるが・・・

(2) 上記(1)の「辛うじての解釈」は、上記6>辺野古に固執する限り、普天間は固定化してしまうに拠って粉砕されてしまう。上記「辛うじての解釈」は「辺野古に固執」に他ならず、それを鳩山由紀夫自身が否定しているのだから。・・・否定しているんだよねぇ。一寸自信がなくなってきたぞ。何しろ、鳩山由紀夫相手だから。

> 米議会での新たな動きを踏まえ
7> 「日本の政府は残念ながら自分の意思で決められず、米側が動くことが一番のチャンス。
8> 米依存から立ち直るためにも、言うべきことを言う政治が必要だ」
> と述べ、自らも訪米して米議会と連携する姿勢を示した。
 
 この最後の発言こそ、沖縄タイムスが報じたかった発言であろうが、幾つも問題を含んでいる。
 
 問題点① 上記7>日本の政府は残念ながら自分の意思で決められずと言うが、鳩山由紀夫自身は元首相であり、「最低でも県外」と民主党党首として(勝手な口)約束して先の衆院選挙に勝ち、日本国首相の地位に収まった、押しも押されもせぬ日本政府の中心人物だったのだ。その日本政府が「自分の意志で決められず」ならば、それは当然自分自身への批判反省である筈だが、報じられる限りそんな自責の念は認められない。否、それどころか、「自責に苛まれ、反省している鳩山由紀夫」と言うのが、私には想像できない。ま、これを想像できないのは私自身の想像力の欠如であるかも知れないし、少なくとも私の主観なのであるが。
 
 問題点② 上記7>日本の政府は残念ながら自分の意思で決められず気付いたのは一体何時なのか。オバマ大統領相手にTrust Me!と大見得切る前か、「5月までに決着」と言い始めた後か、首相辞任後か。上記7>の理由が「現行日米合意があるから」と言うのならば、それは先の衆院選挙よりも大分前から判っていた事であり、「最低でも県外」と言う民主党党首としての約束はハナッから口約束=嘘と承知していたはずである。
 
 問題点③ 上記8>米依存から立ち直る上記7>米側が動くことが一番のチャンス。矛盾する。「米依存から立ち直る」機会すら「米依存」している。
 
 問題点④ 上記8>米依存から立ち直るの意味する所は、鳩山由紀夫の従来発言からして「東シナ海を友愛の海に」「東アジア共同体」による「日米安保の軽量化/空洞化」に違いないのであるが、この構想自体が曖昧模糊どころか全く構想の体を為していない(*4)「友愛の海」「東アジア共同体」の文言があるのみで、呪文どころかキャッチフレーズにも不足だろう(*5)。
 
 問題現⑤ 上記8>言うべきことを言う政治が必要だ「米議会と連携する姿勢を示した。」と報じられている。「米議会と連携する姿勢を示した。」と報じるのは沖縄タイムスの主観ではあるが、逆に言えば「米議会と連携」がなければ「言うべき事さえ言わない/言わなかった政治」を鳩山由紀夫自身が実践してきたと自白している形だ。上記問題点③の矛盾ともあい通じるものであるが、それは「米議会の尻馬に乗っかった政治」ではあっても「言うべき事をいう政治」とは程遠かろうが。
 
 以上の如く、鳩山由紀夫はやっぱり鳩山由紀夫であり、その鳩山由紀夫振りゆえに、沖縄タイムスの報道にもなっている訳だ。
 
 これでまた中国に行くとかいっているらしいがな。
 中国とは言わず、金星にでも行って、そのまま帰って来ないのが一番良さそうなんだが。ああ、勿論その時は、夫婦同伴でな。



<注釈>

(*1) 「最低でも県外」にして「普天間基地移設問題の決着」と言ったら、普通これを指すだろう。 

(*2)  普天間基地移設問題シリーズ(26)までの記事は以下URLに独立させた。http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32456004.html 

(*3) 「だから現行日米合意への回帰ではない」と、当時鳩山由紀夫は主張していた。確かに。 

(*4) ルーピーは死ななきゃ治らない―鳩山、早大で中国観を(今更)語る - http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36641455.html 

(*5) 三角形のUFOに乗って、自然がとても美しい金星に行くのには、役に立つのかも知れない。