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「三面記事」って言葉も、紙媒体による新聞が減っていくと死語になってしまうのかも知れないが、政治・経済を扱う華々しい一面、二面には出てこない雑多な記事を指し、ゴシップであるとか、怪しげだがセンセーショナルな記事であるとかを指す言葉である。
私はこの「三面記事」と言う奴をあまり好かない。だから当ブログでそんな三面記事「風(※1)」の報道記事は、殆ど扱った記憶がない。
私はこの「三面記事」と言う奴をあまり好かない。だから当ブログでそんな三面記事「風(※1)」の報道記事は、殆ど扱った記憶がない。
だがこの記事は・・・典型的な「三面記事『風』」ながら、一寸看過しかねた。
先ずはその「三面記事『風』」報道記事、御一読願おうか。
先ずはその「三面記事『風』」報道記事、御一読願おうか。
<注釈>
(※1) 当ブログで扱っている報道記事は、大半電子媒体であるから、「本当に三面に掲載されていたか」はわからない。
転載開始=========================================
富田林の男児不明は10年前から 祖父母とトラブルか 詐欺容疑で逮捕
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120412/waf12041213490026-n1.htm
2012.4.12 13:49 [westナビ]
2012.4.12 13:49 [westナビ]
大阪府富田林市で行方不明になっている男児(9)は約10年前から所在が分からないことが12日、同市や捜査関係者への取材で分かった。大阪府警捜査1課は、男児が事件に巻き込まれた可能性があるとみて捜査している。男児の父方の40代の祖父母が、平成14年ごろ、生後間もない男児を預かったまま返さないトラブルがあったという。府警はこの祖父母について、生活保護費を詐取したとして詐欺容疑で逮捕しており、今後、男児の所在や行方不明になった経緯についても慎重に事情を聴く方針。同市や捜査関係者らによると、男児は14年9月、同市内で生まれた。府警の調べで、生後間もないころ、父方の祖母が、男児の両親が留守の間、男児を預かったまま返さないトラブルがあったことが判明した。これ以降男児の行方が分からなくなっていた。父方の祖父母はこれまで、男児の所在について府警に明確に説明していないという。同市などによると、住民票の記録では、男児は両親の離婚などに伴い、16年9月に父方の曾祖母宅に住民登録された。男児は21年4月から小学校に入学するはずだが登校せず、教師が家庭訪問するなどしたところ、曾祖母は「(男児の父親から)養護施設にいると聞いている」と説明。学校側は施設にいると判断し翌年4月、1度も登校しないまま男児を除籍した。昨年8月、曾祖母が国民健康保険料の納付をめぐり、「男児と同居していないので住民票から削除してほしい」と要請。不審に思った市が府警に連絡した。府警が男児の周辺を調べたところ、父方の祖父母が、収入があるのにないように装って生活保護費を不正に受給していたことが判明、詐欺容疑で逮捕した。
=================================転載完了
Unperson in Japan 2012
さて、如何だろうか。
色々と考えさせられるし、薄ら寒くなるような話だ。何より、タイトルにした通り「腹が立つ」記事だ。
タイトルにもした「9歳男児が約10年前から行方不明」と言う記載は、新聞記者の常識を疑わせるのに十分な「訳の判らない表現(※1)」だが、これは枝葉末節の話だ。
記事から判る事実関係を、凡そ年代順にあげると、以下のようになろう。
(1) H14.9、ある夫婦の妻(以降、「母」と略す)が男児を出産した。
(2) H14 出産直後に男児を預かった夫婦の夫(以降「父」と略す)側の祖父母が、子供を夫婦に返さないトラブルがあった。
(3) その後、男児は行方不明
(4) H16.9(男児2歳(※2)) 男児の両親離婚に伴い、男児は父方曾祖母宅に同居と住民登録された。
(5) H21.4(男児6歳) 男児小学校に編入されるが、登校せず。父方曾祖母宅を訪ねた小学校教師に曾祖母は「(男児の父から)養護施設にいると聞いている」と説明。
(6) H22.4(男児7歳) 上記(5)を受け、男児は養護施設に居ると判断した小学校は、一度の登校もないまま男児を除籍
(7) H23.8(男児9歳) 曾祖母が国民健康保険料の納付をめぐり、「男児と同居していないので住民票から削除してほしい」と要請。
(8) 父方の祖父母が、収入があるのにないように装って生活保護費を不正に受給していたことが判明、詐欺容疑で逮捕した。
疑念は幾つもある。だがその中で最大のものは、「果たして9歳男児は何処に居るのか。そもそも生きているのか。」と言う事である。何しろH14.9に生まれて殆どその年内に行方不明だから、せいぜい生後3ヶ月。歩くどころか這うのが精一杯の男児は、一体何処へ「消えた」のか。住民登録上「曾祖母と同居」にされ、父から曾祖母には「養護施設にいる」と説明されたとされる男児は。
最大限楽観的に考えるならば、「養護施設に居る」と言う父の説明が本当で、日本国内ではないかも知れないが兎に角生きている。両親は離婚し、祖父母は生活保護費を不正に受給する詐欺師とあっては前途多難ではあるが、何しろ「まだ若い」のであるから、なんとかしようもあろう。そう、生きてさえ居れば。
だが、一寸悲観的に考えると、ろくな事はない。外国かどこかに養子とか奴隷として売られたとか、殺されてどこかの山にでも埋められたとか、臓器密売業者に新生児臓器として売られ、「解体」されてしまったとか・・・嫌な想像だが。
> 父方の祖父母はこれまで、男児の所在について府警に明確に説明していないという。
最大限楽観的に考えるならば、「養護施設に居る」と言う父の説明が本当で、日本国内ではないかも知れないが兎に角生きている。両親は離婚し、祖父母は生活保護費を不正に受給する詐欺師とあっては前途多難ではあるが、何しろ「まだ若い」のであるから、なんとかしようもあろう。そう、生きてさえ居れば。
だが、一寸悲観的に考えると、ろくな事はない。外国かどこかに養子とか奴隷として売られたとか、殺されてどこかの山にでも埋められたとか、臓器密売業者に新生児臓器として売られ、「解体」されてしまったとか・・・嫌な想像だが。
> 父方の祖父母はこれまで、男児の所在について府警に明確に説明していないという。
と言う報道は、男児が行方不明になったのは父型祖父母の元に居た時期であることを示唆している。後に「生活保護費を不正に受給」する祖父母であるから、楽観的な想像は働きにくい。
一方で上記(2)はその「祖父母が子供を夫婦に返さないトラブル」だったのだから、少なくともこの時点で男児の両親=夫婦は男児を取り戻そうとしていた筈だ。尤もその後の顛末、即ち上記(4)の離婚と上記(5)の父の「説明」からすると、「親としての愛情から」と言うよりは「金にする為に男児を取り戻そうとしたのではないか」と言う疑念も払拭できない。
「両親と祖父母が、金にするためにまだ新生児だった男児を奪い合う」と言う、畜生にも劣る地獄絵図さえ、想像できてしまう。
だから・・・腹が立つ。
生きていれば9歳になっているはずのこの男児を犠牲にして、畜生にも劣る地獄絵図を、事も在ろうに我が国・日本に出現させた、かも知れないこの男児の親族どもに。
章題について補足しておくべきだろうな。
Unpersonと言うのは、何度も引用しているジョージ・オーウェルの「1984」に登場する「新語法New Speak」の一つ。意味は、「国家権力により個人がその事跡諸共抹消されてしまう事」。「シベリア送り」や「強制収容所送り」の究極形で、「非実体化」とか「非存在化」とか訳すべきだろうな。
出生し、この世に生まれた事だけは確認されているこの男児の「行方不明」に、Unpersonを思い出したが為の章題だ。
尤も、上記(1)~(8)にもある通り、「行方不明」となった男児が「行方不明である」と確認できたのは、遅まきながらとは言え我が国の政治体制・国家権力、具体的には「住民登録に基づく就学確認」故である。
「両親と祖父母が、金にするためにまだ新生児だった男児を奪い合う」と言う、畜生にも劣る地獄絵図さえ、想像できてしまう。
だから・・・腹が立つ。
生きていれば9歳になっているはずのこの男児を犠牲にして、畜生にも劣る地獄絵図を、事も在ろうに我が国・日本に出現させた、かも知れないこの男児の親族どもに。
章題について補足しておくべきだろうな。
Unpersonと言うのは、何度も引用しているジョージ・オーウェルの「1984」に登場する「新語法New Speak」の一つ。意味は、「国家権力により個人がその事跡諸共抹消されてしまう事」。「シベリア送り」や「強制収容所送り」の究極形で、「非実体化」とか「非存在化」とか訳すべきだろうな。
出生し、この世に生まれた事だけは確認されているこの男児の「行方不明」に、Unpersonを思い出したが為の章題だ。
尤も、上記(1)~(8)にもある通り、「行方不明」となった男児が「行方不明である」と確認できたのは、遅まきながらとは言え我が国の政治体制・国家権力、具体的には「住民登録に基づく就学確認」故である。
<注釈>
(※1) 頭冷やして考えるまでもない。「まだ生まれても居ない子供が行方不明になぞなりようがない」のだから、出産直後に行方不明になったとしても、「9歳男児が行方不明」なのは、9年と数えるのが普通だろう。(※2) 当然ながら、生きているとして、だ。