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 いや、まあ、引用するだに力の抜ける記事なんだが・・・・
 
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自衛隊機で邦人救出も 防衛相、イラン情勢で答弁

 田中直紀防衛相は5日午前の衆院予算委員会分科会で、核開発をめぐり米欧と対立を深めるイラン情勢が緊迫した場合の邦人救出について「外相から要請があれば、自衛隊が保有するC130輸送機や政府専用機、空中給油輸送機での対応を省内で話している」と述べ、検討に着手していることを明らかにした。
 みんなの党の山内康一氏への答弁。作業状況について「関係省庁と連携しつつ、事態に応じて速やかに対応できるよう検証を行っている」と説明した。
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 報じられているのは、「田中角栄の娘の田中真紀子の旦那」と言う肩書きの方が重そうな防衛相であるところの田中某の国会答弁。以前記事に取り上げたのも何とも頓珍漢な発言だった(*1)が、今回のもまた、防衛大臣らしからぬどころか、国会議員としての資格さえ怪しまれる発言だ。

一体、田中某は「イラン情勢が緊迫した場合」尚且つ「邦人救出に自衛隊機が飛ぶ」と言う事態を、どんな事態だと想定しているのだろうか。

一言で言えば、其れは「戦争」だ。あわよくば「紛争」レベルかも知れないが。何しろ民間機ならぬ自衛隊機が邦人を救出するのは、「そこへ飛べる/飛んでくれる民間機が手当てできないから若しくは間に合わないから」なのである。ソリャ場合に拠っては「民間機も飛べるぐらい安全なのだが自衛隊機を派遣する」なんて事もありえなくはないが(*2)、自衛隊機が邦人救出に赴くケースなのだから、戦争や紛争による危険地域・戦闘地域からの救出は想定されていて当然、想定されていなければ不思議、否、鳩山由紀夫級の支離滅裂(*3)であろう。

であると言うのに、田中某の答弁と来た日には・・・

田1> 「外相から要請があれば、
田2> 自衛隊が保有するC130輸送機や政府専用機、空中給油輸送機での対応を省内で話している」
田3> 「関係省庁と連携しつつ、事態に応じて速やかに対応できるよう検証を行っている」

先ず上記田2>に搭乗する自衛隊機は、① C130輸送機 ②政府専用機(B747ジャンボジェット)③空中給油輸送機(KC-767)のみである。輸送機たる①、②のみならず給油機たる③にまで言及しているのは、田中某としては上出来と言うべきだろうが、これら輸送機、給油機には、固有の武装が無い、丸腰なのである。

ああ、武装があればよいと言う訳ではない。旋回銃座の一つ二つが付いただけで紛争地域・戦闘地域の邦人救出に突入できると言うものではない。だが、これらの機体で邦人救出に自衛隊機が派遣されるならば、当然その自衛隊機自身の安全確保が必要であり、其れは「戦争」とか「紛争」状態にある地域に於いては、局地的・一時的ではあっても制空権・航空優勢の確保を意味するものである。

端的に言えば、これら邦人救出に赴いた自衛隊機が、戦闘機やミサイルの餌食にされて救出すべき邦人もろとも撃墜される悲劇を回避するためには、一時的にせよ我が方の戦闘機部隊なり対空ミサイル部隊による安全確保が不可欠な筈だ。少なくとも、その安全確保が必要になる可能性を想定しておくべきだ。

だが、上記の通り、田中某の発言には上記田3>「関係省庁と連携」は搭乗しても、戦闘機の「せ」の字も対空ミサイルの「た」の字も出て来はしない。

で、今だ防衛相と言う肩書きをもって陸海空三自衛隊を指揮している( 筈の)田中某に尋ねる訳だ。

「邦人救出のため、輸送機や給油機を出すのならば、その護衛戦闘機を出す算段と、それ以前に覚悟は、当然あるのだろうな。」 と。

もし其れが無いならば、ある種のPKOの様に「護衛は他国の部隊」と言う事であろうから、「今回は何処にその部隊をお願いする心算で、その「他国との連携」は何処まで進んでいるのか。」と、お尋ねしよう。

もし、そんな「他国との連携」はまだ考えていないと言うのならば・・・・最初の疑問に戻る事になる。

「イラン情勢が緊迫した場合」尚且つ「邦人救出に自衛隊機が飛ぶ」と言う事態を、どんな事態だと想定しているのか。

ひょっとすると翼に輝く日の丸の霊験か憲法9条の御威光によって、我らが自衛隊機=輸送機及び給油機は護衛の戦闘機も付かぬまま、無事邦人を救出して帰還できる、かも知れない。ひょっとしたら、だ。

だが、そんなことをアテにして護衛の兵力を出さないとか、護衛の兵力を手当てしないような指揮官は、無能な指揮官として更迭、否、銃殺されるべきだろう。
 
(*2) 特に、「自衛隊は戦闘地域・紛争地域には行かせない」なんていっていると、そんな感覚にも陥ろう。 
(*3) 鳩山由紀夫の唱えた「友愛ボート」は、一夜にして戦地に行く筈が、行かないことになり、その矛盾については何の説明も釈明も無い。