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 鳩山由紀夫や菅直人ほどの大間抜けや気違い沙汰はまだ起こしていないから「比較的マシ(に見えてしまう)」野田内閣であるが、所詮民主党は民主党に過ぎず「やっぱり」支持率が低下して世論調査で三割を切ったと報じられる昨今。だからと言ってかつての与党であった自民党の支持率が回復した訳でもなく、「台風の目」と言うか「漁夫の利」と言うか、注目・支持を集めているのが大阪を拠点とする橋本維新の会や、東京都の石原都知事、名古屋の河村市長の「減税日本」など、であるようだ。
 
 そんな既存政党に飽いた向きの「希望の星」の一つが「大阪維新の会」である事は、衆目の一致するところであろう。が、どうも私には此の橋本氏が胡散臭くて仕方が無い。教育改革とか、賛同できそうな点も無いではないし、石原都知事と「意気投合」したらしいなんてのもポイントであるのだが、橋桁に使われる福島産鋼材の「放射能騒ぎ」の際に見せた大衆迎合丸出しの反応は、放射能アレルギーと反原発ヒステリーと福島差別を助長する愚挙にして暴挙であり、それまで仄かに感じる程度であった胡散臭さを確定的にしたものであった。
 
 だが、そんな私からすると胡散臭い橋本氏率いる「大阪維新の会」の人気は高まっているらしく、次回の国政選挙へ向けてやれ政治塾は立ち上げるし、坂本竜馬に擬えて「船中八策」と言う基本方針を定めたと、報じられている。
 まあ、その戦中八策、もとい、船中八策とやを、先ずは篤と御照覧あれ。
 
転載開始========================================= 

【激動!橋下維新】
「船中八策」8つの柱、概要固まる 

 大阪維新の会が、次期衆院選の公約として策定を進めている「維新版・船中八策」の骨子が13日、判明した。統治機構の再構築や行財政改革、憲法改正などの8項目が柱。細目では、首相公選制の導入や、憲法改正の発議要件を衆参両院それぞれの3分の2から過半数に改めることを盛り込む方針だ。また、経済対策や社会保障制度改革の一環として、最低限の生活に必要な所得を全国民に保障する「ベーシック・インカム」(最低生活保障)の導入も検討しており、議論を呼びそうだ。
 船中八策の柱は、統治機構の再構築▽行財政改革▽教育改革▽公務員制度改革▽社会保障制度改革▽経済政策▽外交・安全保障▽憲法改正-の8つとなる見通し。維新代表の橋下徹大阪市長が目指す「国と地方の仕事の仕分け」「民間での資金流動を活発化させる税制」「一生使い切り型の社会保障」などを反映させる方向で、今後、所属地方議員や「維新政治塾」で議論し、細部を詰める。
 統治機構改革や憲法改正では、参院を現在の形から首長が兼務する代表機関に改めることも盛り込む方針。維新幹事長の松井一郎大阪府知事は13日、参院について「衆院のカーボンコピー的な形はいかがなものか。首長が兼務すれば、国と地方の意思伝達がスピーディーに協議できる」とメリットを語った。
 ベーシック・インカムは、年金や雇用保険、生活保護など複雑化したセーフティーネットを一元化する方策として検討。維新は、働けば働くほど収入が増える仕組みで、社会保障上の利点のほか、勤労意欲の向上や経済活性化などにもつながるとみている。
 維新では、ベーシック・インカムと併せ、最低生活水準に達しない低所得層に所得税を免除し、逆に給付金を支出する「負の所得税」制度とセットで盛り込むことも検討している。
 

「働かなくても飢えない」ならば、働かない奴は掃いて捨てるほどあろう

 さて如何であろうか。
 
 報じられるとおり「八策」とは「①統治機構の再構築 ②行財政改革 ③教育改革 ④公務員制度改革 ⑤社会保障制度改革 ⑥経済政策 ⑦外交・安全保障 ⑧憲法改正」だそうだ。タイトルばかりで何を言っているのかわからない項目も多い(*1)ので、問題はその中身だ。
 
 とは言え、中身の方は今後詰めるとかナントカで、の短い報道の中で判明している具体的な策は、殆ど唯一点のみ。
 
1> 最低限の生活に必要な所得を全国民に保障する「ベーシック・インカム」(最低生活保障)の導入
 
 タイトルにも取り上げた「ベーシック・インカム(最低生活保障)」は、何しろ「最低限の生活に必要な所得を全国民に保障する」のだそうであるから、これは確かに耳当たりは良い政策だ。面と向かって反対を唱えるのは、「原発推進」よりも難しいかも知れない。
 
 だがしかし、非常に耳辺りの良い、反対するのが難しそうな「ベーシック・インカム(最低生活保障)」に、私は反対する。なおかつ斯様な策を「船中八策」に取り上げた事で、橋本氏も「大阪維新の会」も、益々胡散臭さ、大衆迎合振り、衆愚政治促進ぶりが明らかになり、ほぼ決定的になった、と、私は感じている。
 確かに、「働けない者」に救いの手を差し伸べるのは、「社会の責任」かもしれない。
 
 だが、「働かない者」を「働かなくとも飢えないようにする」のは愚挙である。「働かない者」に格差が出来るのは当然で、その結果「飢えて死ぬ」のだって「働かない」選択をした当人の責任だ。
 
 少なくとも甘やかすべからざる「働かない者」と、救うべき「働けない者」を区別するのは難しかろうが、「働いていない者」を全部救おうとするならば、「働かない者」は増えて、社会と経済は破綻するのが普通だろう。
 
2> 働けば働くほど収入が増える仕組みで、社会保障上の利点のほか、勤労意欲の向上や経済活性化などにもつながるとみている。
 
と言う「維新の会 船中八策」の読み・予想は、「働かない者」の図々しさ厚顔無恥さを無視した「性善説」である。それは上記1>「必要な所得を全国民に補償する」繰り返す「全国民に補償する」時点で確定する。「全国民」の中には当然、意図的に「働かない者」を含んでしまうからであり、それは必然的に「意図的に働かない者」を増やすだろう。そんな図々しい文字通りの「社会の寄生虫」が一定割合以下であるうちは、国民の圧倒的大多数が「政府の補償する最低限の生活」よりも自らの力でより良い生活を勝ち取ろうと、真面目に働いている内は、それでも社会は成り立とうが・・・一定割合以上になったならば、社会は、経済は、崩壊するしかない。文字通りの「働く者が馬鹿を見る」社会の実現だからだ。
 
 極論に聞こえるかも知れないが、「意図的に働かない者は、飢えて死ぬ社会こそが、正常な社会であり、そんな怠け者に無条件で「最低限の生活を保障する」などと言うのは、「正常な社会ではない」。むしろ、狂気の沙汰だ。
 
 無論、橋本氏率いる「大阪維新の会」が唱える「ベーシック・インカム(最低生活保障)制度」が「狂気の沙汰に陥らない可能性」と言うのはある。一つには我が国民の勤労意欲が私の懸念するレベルより遥かに高く、また高くあり続けるが故に「性善説」が成り立つ場合。もう一つには「ベーシック・インカム(最低生活保障)制度」を適用するに当たり「働かない者」と「働けない者」を峻別する厳しい審査があって、それが厳しく機能し続ける場合だ。
 前者は性善説の性善説たる所以であるが、その性善説であるが故に私はとても同意できない。私は、我が国と我が国民を誇りとする点で人後に落ちる心算は毛頭無いが、それでも斯様な性善説を唱える者を無責任と誹るのには、なんら躊躇を感じない。

 後者については、先ず大阪府の生活保護受給率を一定値に抑え込んでから主張しない事には、説得力がなさ過ぎよう。生活保護の審査でさえ大甘にしか出来ないというのに、「最低限の生活に必要な所得を全国民に保障する「ベーシック・インカム」(最低生活保障)制度」の審査が、厳しく出来る道理がない。
 
 如何に、「大阪維新の会」。
 
 如何に、「船中八策」。
 

<注釈>

(*1) 例えば②~⑦は、タイトルだけでは何を目指しているのか全く判らないし。残りの①と⑧だって、方針に拠って180°「再構築」や「改正」の方向が異なろう。