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 表題にした「真実の瞬間」と言う言葉は、何処で読んだか聞いたか忘れたが闘牛を題材に説明されていた。闘牛のクライマックスで闘牛士と闘牛が生死を賭けて対峙する瞬間。その真剣さと極限状態の緊張を孕んだ静寂の時を意味し、人間(と牛)の本性が鋭く研ぎ澄まされて表出する時間の事を指す・・・と、記憶している(*1)。
 
 記憶しているばかりで、今回一寸検索かけても裏付けは取れなかった。今では「真実の瞬間」と言うとスカンジナビア航空の成功した接客モットーで、「顧客との極短い直接接触時間、Face to Faceの接客タイムが企業イメージには重大である」ことを指し、「均一の接客、均一のサービス」を目指すモットーとして有名であるらしい。
 タダ、同じタイトルの映画もあって、こちらはマッカーシズム「アカ狩り」の嵐吹き荒れる50年代アメリカで「反米活動」の疑いをもたれた映画監督を主人公にしているそうだから、少なくとも「真実の瞬間」と言う言葉には、「スカンジナビア航空の社訓」以上の意味がありそうだ。
 
 上掲記憶にあるような言葉「真実の瞬間」を思い出したのは、イタリア豪華客船座礁転覆沈没(*2)に於けるイタリア人船長の行動ゆえ。以下に時系列順に並べた豪華客船の座礁転覆沈没事故の経緯に、その船長にとっての「真実の瞬間(*3)」を私が見出した、と感じたから。
 
 

<注釈>

(*1) 出典は、「闘牛」なんて私にはトンと縁のない単語が絡んでいるから、ひょっとすると米TV刑事コロンボ「闘牛士の栄光」かも知れない。 
 
(*2) 正確に言うなら「沈没」ではなく、「着底」だろうけれど、横倒しの「着底」だから、底に着いているのは「船底」ではなく「舷側」であり、「沈没」の方が相応しいように思う。 
 
(*3) 冒頭で掲げた意味での、「人間の本性が噴出する極限状態」と言う意味で 
転載開始==================

①「停電が起きただけ」

【伊客船座礁】
「停電が起きただけ」 事故の隠蔽図る、当局との交信で  
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120120/erp12012010300001-n1.htm
2012.1.20 10:27 [芸能人]
イタリア中部沖で座礁した豪華客船コスタ・コンコルディア(ロイター)
 イタリア中部沖で豪華客船コスタ・コンコルディアが座礁した事故で、イタリアの衛星テレビ、スカイTG24が19日、事故後のリボルノ港湾監督事務所と船との最初の交信内容を報道、船側は「停電が起きただけ」と繰り返し、当初は事故を隠蔽しようとしていたことがあらためて裏付けられた。
 浸水が始まってから数十分後の13日午後10時12分ごろ、港湾監督事務所側が船に連絡した。乗客の一人が家族に電話で異常を伝え、それが同事務所に伝わったとされる。「何か問題が起きたのか。救援は必要か」と尋ねる係官に、船側は「停電が起き、状況を確認中」と繰り返した。「(乗客に)救命具を着用させているというのは事実か」との質問にも「繰り返す、状況を確認中だ」と述べ、認めなかった。
 船側で電話応対したのがスケッティーノ船長(52)=過失致死容疑などで自宅軟禁=かどうかは不明。(共同)

②「客室に戻って」

女性の乗員「客室に戻って」 浸水始まっているのに…初動の不手際浮き彫り  http://sankei.jp.msn.com/world/news/120120/erp12012011450003-n1.htm
2012.1.20 11:35 [海難事故・水難事故]
イタリア中部ジリオ島の沖合で座礁した豪華客船コスタ・コンコルディア=17日(共同)
 イタリア中部沖で豪華客船コスタ・コンコルディアが座礁し11人が死亡した事故で、国営イタリア放送協会は19日、事故直後に乗員が「問題は解決した。客室にお戻りください」と呼び掛けている映像を放映した。船側の初動のまずさが再び浮き彫りになった。
 映像は既に浸水が始まっていた13日午後10時22分ごろに乗客が携帯電話で撮影。救命具を身に着けた乗客らに、女性の乗員が「船長に代わって申し上げます。電気系統のトラブルは解決したので、客室かサロンにお戻りください」と呼び掛けている。避難命令は約30分後に出た。(共同)

③事故1時間後に船内レストランで女性と食事―少なくとも此の時点では「船に残って」いた

【伊客船座礁】
料理人もあきれた…船長、事故直後に女性と夕食  
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120123/erp12012307590002-n1.htm
2012.1.23 07:56 [海難事故・水難事故]
連行される豪華客船コスタ・コンコルディアのスケッティーノ船長=14日、ポルトサント(AP)
 イタリアの豪華客船「コスタ・コンコルディア」が座礁し11人が死亡した事故で、フランチェスコ・スケッティーノ船長(52)が、事故発生直後に船内のレストランに女性同伴で現われ、2人分の夕食を注文していたことが分かった。
 同船の料理人の証言では、事故発生から約1時間後の13日午後10時半ごろ注文。デザートまでテーブルについていた。料理人は「なぜ船長がここにいるのかと思った」とあきれている。(サンケイスポーツ)

④「私だけは船に残る」

脱出船長「私だけは船に残る」 港湾当局にうそ?  http://sankei.jp.msn.com/world/news/120122/erp12012209050003-n1.htm
2012.1.22 09:03 [海難事故・水難事故]
14日、イタリアのポルトサンステファノで、テレビ局のインタビューに答えるスケッティーノ船長(AP)
 イタリア中部沖の豪華客船座礁事故で、主要紙レプブリカ電子版は21日、事故後のリボルノ港湾監督事務所とスケッティーノ船長(52)=過失致死容疑などで自宅軟禁=との間の新たな音声交信記録を掲載、この中で船長が最初は「船に残る」と話していたことが分かった。
 検察の調べで、船長はこの後、乗客乗員全員が脱出する前に避難していたことが分かっており、「船に残る」との発言を守らなかった。発言自体がうそだった可能性もある。
 この交信は、船長が同事務所のデファルコ沿岸警備隊長に「船に戻れ」と叱責される前に行われた。乗客の避難活動が続く中、同事務所側が「乗員全員が避難するのか」と尋ねたのに対し、船長は「私だけは船に残る」と回答していた。(共同)

⑤伊豪華客船「船長」、船に戻れの命令無視

伊座礁事故船長、「戻れ」の指示聞かず救助義務放棄 死者11人に  http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2851465/8320333?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
2012年01月18日 08:26 発信地:ジリオ島/イタリア  
クリッピングする 拡大写真を見る 写真をブログに利用する メディア・報道関係・法人の方 写真購入のお問合せはこちら座礁したコスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号に爆薬を仕掛ける救助隊員(2012年1月17日撮影)。(c)AFP/ANDREAS SOLARO 
【1月18日 AFP】イタリア中部ジリオ(Giglio)島沖で13日夜にクルーズ船「コスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号」が座礁した事故で、業務上過失致死などの疑いで逮捕されたフランチェスコ・スケッティーノ(Francesco Schettino)船長(52)が港湾当局による救助命令を無視していたことを示す交信記録が17日公開された。
 トスカーナ(Tuscany)州リボルノ(Livorno)の港湾当局が録音した交信記録の中で、港湾当局者は「ただちに船へ戻りなさい」と船長に命令。さらに、いらだった様子で「船に何人乗っているのか報告しなさい。子供と女性と乗客はそれぞれ何人だ?」と問いかけ、「何をしている?救助を放棄するつもりか?」と声を荒げている。
 だが船長は、同日行われた検察当局の取り調べで、乗客全員を救助する前に船から逃げ出したという疑惑を否定した。それどころか、座礁後に船を岸に向ける操縦により、多くの命を救ったと主張した。
 だが捜査当局は、エンジンルームが浸水した状態で11万4500トンの船を操縦することは不可能だったとみている。
 伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)によると、船長は捜査当局に対し、事故時に舵を握っていたのは自分であり、船が傾いた際に海に投げ出され、傾いた船に戻ることはできなかったと供述したという。
 船長は正式には起訴されていないが、弁護士によると、裁判所は17日、船長は逃亡する恐れがあるため自宅軟禁に置くべきとの判断を下した。検察当局によると、有罪になれば禁錮15年を言い渡される可能性がある。
■新たに5遺体発見
 なお、17日の救助活動では、爆薬を使って船体に穴をあける措置がとられ、新たに5人の遺体が発見された。これで、死者数は計11人となった。依然として24人前後が行方不明となっている。(c)AFP/Ljubomir Milasin

⑥叱責した沿岸警備隊長に人気

船長叱責した「英雄」人気 沿岸警備隊長 「船に戻れ、畜生」プリントのTシャツも登場  http://sankei.jp.msn.com/world/news/120119/erp12011909040001-n1.htm
2012.1.19 09:01 [海難事故・水難事故]
グレゴリオ・デファルコ隊長(ロイター)
 イタリア中部沖で豪華客船コスタ・コンコルディア(乗客乗員約4200人)が座礁し11人が死亡した事故で、船から乗客を残して避難したスケッティーノ船長(52)=過失致死容疑などで自宅軟禁=を電話で激しい調子で叱責した沿岸警備隊長が同国内で英雄視され、人気が高まっている。
 コリエレ・デラ・セラ紙によると、リボルノ港湾監督事務所の沿岸警備隊のグレゴリオ・デファルコ隊長(46)。18日付同紙は一面で「ありがとう隊長」の見出しで「一人(船長)はわれわれに恥をかかせ、もう一人(隊長)は名誉を取り戻してくれた」とたたえた。短文投稿サイト「ツイッター」には「われわれの信じるイタリアの象徴」などと称賛する書き込みがあふれた。
 隊長は言い逃れをする船長に「まんまと逃げ出したが、このツケは払わせる」などと叱責。「船に戻れ、畜生」というせりふがプリントされたTシャツも早速登場した。(共同)
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  へ続く