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今回は、あえて事前には何も言わない。先ずは問題の毎日新聞社説を御一読願いたい。
転載開始=========================================
毎日社説:放射能汚染石材 使用の実態解明を急げ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20120118ddm005070013000c.html
福島県内で、放射性物質に汚染された石材が、マンション建設や小学校の通学路、農業用水路の補修工事などに使われていた。石は、県内の業者が東京電力福島第1原発事故に伴う計画的避難区域に指定された浪江町内で保管していた。
福島県内で、放射性物質に汚染された石材が、マンション建設や小学校の通学路、農業用水路の補修工事などに使われていた。石は、県内の業者が東京電力福島第1原発事故に伴う計画的避難区域に指定された浪江町内で保管していた。
同じ採石場から、約5200トンの石が流通した。国や県は、汚染の実態解明を急ぐとともに、放射能にさらされるおそれのある住民らの救済を図る必要がある。
問題の石材は県内の砕石会社が原発事故後、計画的避難区域に指定される昨年4月22日までに出荷した。その石を材料にした生コンは、建設会社約200社に出荷された。
石の一部が、昨年7月に完成した二本松市内の賃貸マンションの土台に使われ、1階床から屋外より高い放射線量が測定された。同じ砕石会社の石を材料にした同市内の農業用水路からも周囲より高い放射線量が測定されている。
汚染された石材が、どこでどれだけ使われたのか。住民の安全対策を講じるためにも、まず実態の解明を急ぐ必要がある。
県は、同じ採石場から出荷された石材を使った住宅や道路など全建造物を対象に、放射線量を測定する方針だ。対象は数百件にも及ぶという。住民の不安を考えれば、作業の長期化は避けたい。迅速な調査には国の支援が不可欠だ。
特定避難勧奨地点近くには他にも砕石業者がある。国や県は、そうした業者から汚染された石材が流通していないか、調査を徹底すべきだ。
昨年7月には、汚染地区で保管された稲わらが流通し、それを食べた肉牛の放射能汚染が表面化した。今回も構図は同じだ。石材でも同様の事態がありうるとして、国や県が迅速に対応していれば、被害の拡大を抑えられた可能性がある。
後手に回った行政の責任は大きいといわざるを得ない。経済産業省は昨年末、二本松市内のマンションで高い放射線量が測定されたとの報告を受けたが、調査を始めたのは今月10日ごろだった。認識の甘さを露呈した形だ。
汚染が確認されれば、被ばく防止の対策が必要になる。遮蔽(しゃへい)措置で十分なのか、撤去せざるを得ないのか、放射線量を見極めながら万全の対応を講じるべきだ。二本松市のマンションでは、入居している12世帯のうち10世帯が、被災地から避難してきた人たちだ。希望者への代替住居あっせんなど救済を急いでほしい。
住宅などの建て替えが必要になれば、その賠償も大きな問題になる。国や東電、関係事業者が責任を押し付け合い、救済が遅れることがあってはならない。
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=================================転載完了
「数字は嘘をつかないが、嘘には数字がつき物である」ならば、此の社説は「嘘」ですらない
さて、如何であろうか。
お気づきだろうか。此の社説の中に出て来る数字が、極僅かしかない事に。
1> 同じ採石場から、約5200トンの石が流通
お気づきだろうか。此の社説の中に出て来る数字が、極僅かしかない事に。
1> 同じ採石場から、約5200トンの石が流通
2> その石を材料にした生コンは、建設会社約200社に出荷された
3> 昨年7月に完成した二本松市内の賃貸マンション
4> 調査を始めたのは今月10日ごろだった。
5> 入居している12世帯のうち10世帯
これだけである。即ち、
①採石場の採石量(上記1>)
これだけである。即ち、
①採石場の採石量(上記1>)
②採石を材料にした生コンを出荷した出荷先の会社数(上記2>)
③日付(上記3>、上記4>)
④問題のマンションに入居している世帯数(上記5>)
にしか数字が使われていない。
「放射能汚染石材」とタイトルにも銘打ち、その石材の量(上記①1>)や流通先(上記②2>)は数字で表記しても、肝心要としか思われない「放射能」については「放射性物質に汚染された石材」としか表記していないのである。
先行記事も書いた通り、放射能と言うのは原発なんてこの世に無い頃から天然自然にある物理現象の一つである。人間の目には見えないし、凡そ知られる限りのありとあらゆる生物の眼には見えないが、計測器で計測できて、定量的に評価できる物理量である。さらに言うならば「ラジウム温泉」が健康に良いとされて観光名所になるように、少なくともある範囲で無害どころか「健康に良い」と考えられているものだ。
従って、放射能、放射線は、定量的に評価しない事には、話にならない。薬だって量を超して飲めば、普通は毒薬と化す。生命の根源である食糧だって食いすぎれば肥満やそれに伴う健康リスクにつながる。「放射能に汚染された」と定性的評価のみで騒ぐのは、恣意的基準・情緒的基準であり、ヒステリーないし狂信に他ならない。「ケガレ思想」と呼べばまだ格好良いが、要は「エンガチョ」であり、さらに言えば福島差別の被災地差別だ。
量を測ったところで、今度は「何処まで許容数するか」と言う基準の問題になる。政府が避難区域指定の基準としている20ミリシーベル/年に議論の余地がある可能性はあるし、「その基準を信じているのならば家族を連れて避難区域に移住しろ」なんて暴論もあるようだ(*1)が、それでも定量的基準であり、まともに議論の対象となる分だけ、「放射能に汚染された」なんてエンガチョよりは大分マシだ。
で、今回問題視されたマンションが、その基準に照らして問題ないのは先行記事にした通り。避難すらも不要なのであるから、「遮蔽措置」も「撤去」も、必要な訳がない。
さらに言うならば、問題の毎日社説が問題にするのは政府の対応であり、「心配」するのは問題のマンションに住む住民ばかり。福島産花火と同様の事だが、完成品であるマンションや、その材料となったコンクリートよりも、原材料である採石の方が高濃度の放射線源の筈である。然るに此の採石を採石・加工・運搬した者には何の言及もなし。確かに接触時間は「マンションの住人」より遥かに短いだろうが、此のダブルスタンダードと言うか非科学性は、「エンガチョ」と考えれば得心が行く。これが「発行部数世界一(だったと思う)」を誇る日本の全国紙の社説である。
住民の救済だぁ?そんなもの、必要なものかよ。
先行記事も書いた通り、放射能と言うのは原発なんてこの世に無い頃から天然自然にある物理現象の一つである。人間の目には見えないし、凡そ知られる限りのありとあらゆる生物の眼には見えないが、計測器で計測できて、定量的に評価できる物理量である。さらに言うならば「ラジウム温泉」が健康に良いとされて観光名所になるように、少なくともある範囲で無害どころか「健康に良い」と考えられているものだ。
従って、放射能、放射線は、定量的に評価しない事には、話にならない。薬だって量を超して飲めば、普通は毒薬と化す。生命の根源である食糧だって食いすぎれば肥満やそれに伴う健康リスクにつながる。「放射能に汚染された」と定性的評価のみで騒ぐのは、恣意的基準・情緒的基準であり、ヒステリーないし狂信に他ならない。「ケガレ思想」と呼べばまだ格好良いが、要は「エンガチョ」であり、さらに言えば福島差別の被災地差別だ。
量を測ったところで、今度は「何処まで許容数するか」と言う基準の問題になる。政府が避難区域指定の基準としている20ミリシーベル/年に議論の余地がある可能性はあるし、「その基準を信じているのならば家族を連れて避難区域に移住しろ」なんて暴論もあるようだ(*1)が、それでも定量的基準であり、まともに議論の対象となる分だけ、「放射能に汚染された」なんてエンガチョよりは大分マシだ。
で、今回問題視されたマンションが、その基準に照らして問題ないのは先行記事にした通り。避難すらも不要なのであるから、「遮蔽措置」も「撤去」も、必要な訳がない。
さらに言うならば、問題の毎日社説が問題にするのは政府の対応であり、「心配」するのは問題のマンションに住む住民ばかり。福島産花火と同様の事だが、完成品であるマンションや、その材料となったコンクリートよりも、原材料である採石の方が高濃度の放射線源の筈である。然るに此の採石を採石・加工・運搬した者には何の言及もなし。確かに接触時間は「マンションの住人」より遥かに短いだろうが、此のダブルスタンダードと言うか非科学性は、「エンガチョ」と考えれば得心が行く。これが「発行部数世界一(だったと思う)」を誇る日本の全国紙の社説である。
住民の救済だぁ?そんなもの、必要なものかよ。
<注釈>
(*1) 私がこれを「暴論」と呼ぶのは、① 避難区域内が20ミリシーベルト/年以上なったとするならば、その中に移住して健康被害を受けた場合はその「基準を信じた」ことが正しかった事になる。② 避難区域内が放射能基準値を超えて健康被害を受けなかったならば、「基準を信じた」のは誤りだったと言えようが「基準はもっと高く設定してもよかった」事になる。 ③避難区域内が放射能基準値を超えなかった場合は、そもそも「避難区域に指定した」ことが誤りだった事になる。これは同時に「移住しろ」と要求した方も誤りだった事になる。 となり、「移住しろ」論者が正しいのは「③避難区域に指定された地域の放射能が基準値を超えず、尚且つ健康被害を受けた」場合のみであるから。①、②は「人体実験」になるのであるから、「移住しろ」論者は「「③避難区域に指定された地域の放射能が基準値を超えず、尚且つその地域への移住者は健康被害を受ける」と信じているのだろう。別に何を信じようと構わないが、左様に信じている者が「政府の基準を信じているのならば家族を連れて避難区域に移住しろ」と要求するのは、説得力に欠けよう。