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 さて、問題です。「我らが海」ならぬ「自由の海」とはどんな状態でしょうか。
 それは理想に近い状態でしょうか。その「自由の海」は商船が安心して貿易に励める海でしょうか。早い話、商船に銃砲やミサイル、商船乗組員に銃器などの武装は必要ないでしょうか。
 
 「我らが海」ならぬ「自由の海」の典型はソマリア沖である。あそこはソマリアと言う政府統治機構が機能不全に陥り、沿岸の通商航行に対する安全を確保できなくなっている「自由の海」だ。

 その「自由の海」の自由に我が世の春を謳歌しているのは、海賊だ。
 それ故に我が海上自衛隊も艦艇を派遣し、あまつさえピースボーとの客船に至るまで護衛して海賊から守っているのだ。
 
 海軍の本質的任務は通商の安全確保であり、それこそが正に、制海権なのである。それは「戦力なき軍隊」とも称される我が国の海上自衛隊であっても、海上保安庁と言う海上自衛隊とは別組織の「沿岸警備隊(*1)」があっても、本質的には変わる事がない。
 
 であると言うのに・・・我らが海上自衛隊最大の護衛艦DDH182「いせ」が那覇港に入港すると、こんな事が起きると沖縄タイムスが報じている。
 

<注釈>

(*1) 国に拠っては、沿岸警備隊「海の警察官・国境警備隊」としての任務は、海軍が兼ねる。イギリスはそうだし、大日本帝国もそうだった。 
 
転載開始========================================= 
 

海自最大の護衛艦 那覇寄港 

那覇新港埠頭(ふとう)に接岸した海上自衛隊最大の「ヘリ空母」護衛艦「いせ」=10日午後、那覇市の那覇港国際コンテナターミナル前
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政治  2012年1月11日 09時40分 
 
 海上自衛隊最大の「ヘリ空母」護衛艦いせ(1万3950トン)と随伴艦など計3隻が10日午前、那覇新港埠頭(ふとう)に寄港した。いせは昨年、就役後の11月にホワイトビーチ(うるま市)に寄港したが民間港への入港は初めて。
 目的は補給や乗員の研修など。同自衛隊は「港湾管理者と調整がついた。寄港は適切だ」とし、14日午前に出港するという。
 いせは全長197メートル、全幅33メートル。哨戒ヘリ3機なども公開した。星山良一艦長は「他地域と同様沖縄地方も警戒、監視している。海域の水温や地形を把握することも研修の一部」と説明した。随伴艦は護衛艦きりさめ(4550トン)と、さざなみ(4650トン)。
 一方、全日本港湾労働組合沖縄地方本部などは同日、那覇新港前で緊急抗議集会を開いた。約200人(主催者発表)が「民間港の軍事利用は許さない」とシュプレヒコール。大城盛雄執行委員長は「自衛艦が数年前から頻繁に入港している。入港を許可している県などの姿勢も問いたい」と話した。

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「民間港の軍事利用は許さない」―恩知らずも甚だしい

 洋上の通商路の安全、特に我が国から遠く離れた遠洋の通商路の安全は、海上自衛隊=海軍が守っている。
 
 海軍なき「自由の海」は無法の海であり、海賊の海だ。とてもまともに貿易できるような海ではない。
 
 その無法の海に秩序と航行の安全をもたらすのが海軍であり、地域に拠っては沿岸警備隊・海上保安庁がこれに加わる。
 
 であると言うのに・・・・
 
1>  全日本港湾労働組合沖縄地方本部などは同日、那覇新港前で緊急抗議集会を開いた。約200人(主催者発表)が
2>「民間港の軍事利用は許さない」とシュプレヒコール。
 
 その「軍事」=海軍のお陰で民間港は安全に、と言う事は当然大量に、貿易できると言うのに、何たる言い草、何たる恩知らずであろうか。
 
 それとも何かね、那覇に寄港するような船は全て自衛能力=武装を持った、懐かしき「仮装巡洋艦」ばかりなのかね。そうだとしたら、その「仮装巡洋艦」=武装商船は、普通の商船よりも積荷がつめないはずで、商売上不利であろうに。
 
3>  大城盛雄執行委員長は
4> 「自衛艦が数年前から頻繁に入港している。入港を許可している県などの姿勢も問いたい」
 
 「入港を許可している県」も貿易による恩恵を受けているのであるから、「自衛艦の入港」は、「兵隊さんよありがとう」と感謝するのが当然な筈だ。
 
 況や港湾労働者は、艦船の出入港と荷揚げ荷降ろしを飯の種とする、貿易による恩恵の直接的受益者だ。
 
 なるほど護衛艦の入港では、荷揚げ荷卸の量はさしてなさそうだし、直接的な恩恵=利益は少ないのかも知れないが、その護衛艦が代表する海上自衛隊と、各国海軍及び沿岸警備隊との連携が、七つの海を巡る我が国の通商路の大半において、護衛も武装もなしの商船が安全に航行できるようにしてくれている。それを上記2>「民間港の軍事利用は許さない」とは、全く以って恐れ入る他ない。