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「普天間基地移設」の一環として、普天間基地駐留米軍の一部がグアムに移転する事は周知の事実だ。人に拠っては「米軍の大半ないし全てがグアムに移転する」と唱えているが、絵空事であることは考えるまでも無く自明である。
だが、ご承知の通り普天間基地移設は問題化し、辺野古移設の環境評価さえ今年中に漸く出るかどうかと言うところ。であれば、移設出来るかどうかも判らない普天間基地の、一部部隊のグアム移転費用は、恰好な「仕分け対象」であろう。
実際そうなって、米議会が普天間基地駐留部隊(の一部)のグアム移転費全額削除した事が報じられ、沖縄二紙のみならず、全国紙の社説にも取り上げられた。
先ずはその中から、報道と社説を御一読願おうか。
だが、ご承知の通り普天間基地移設は問題化し、辺野古移設の環境評価さえ今年中に漸く出るかどうかと言うところ。であれば、移設出来るかどうかも判らない普天間基地の、一部部隊のグアム移転費用は、恰好な「仕分け対象」であろう。
実際そうなって、米議会が普天間基地駐留部隊(の一部)のグアム移転費全額削除した事が報じられ、沖縄二紙のみならず、全国紙の社説にも取り上げられた。
先ずはその中から、報道と社説を御一読願おうか。
転載開始=========================================
米議会がグアム移転費を全額削除で合意 普天間問題に影響必至
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111213/plc11121312170017-n1.htm
2011.12.13 11:00 [安全保障]
【ワシントン=佐々木類】沖縄駐留の米海兵隊のグアム移転費に関する2012年会計年度(11年10月-12年9月)国防権限法案について、米議会の上下両院の軍事委員会は12日、関連費約1億5000万ドル(約117億円)の全額を削除することで合意した。法案は近く両院で可決、オバマ大統領の署名で成立する。海兵隊のグアム移転は昨年5月に再確認した日米合意に基づく米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古沖(同県名護市)への移設と同時並行に行うことが想定されていた。米議会の決定で、普天間飛行場の固定化がより現実味を帯びてきたといえ、移設問題が米軍再編にも大きな影を落とした形だ。上院軍事委員会は、在沖縄海兵隊グアム移転費について、普天間移設問題で目に見える進展を示さなければ今後もグアム移転費を認めないとしていた。だが、前提となる普天間飛行場の辺野古沖への移転計画に地元沖縄が反対しており、先行きが見えない状態となっていた。上下委両院の合意で、計画実現の可能性はさらに不透明感を増している。国防権限法案は上下両院の軍事、歳出の4委員会で協議して決める。上院のダニエル・イノウエ歳出委員長と下院の両委員会は日米両政府が合意した現行計画を支持していたが、日本側の普天間移設が停滞していることが大きな理由となって全額が削除された。
読売社説: グアム予算凍結 事態打開へ「普天間」の進展を(12月14日付・)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111213-OYT1T01294.htm?from=any
目に見える沖縄の米軍基地負担軽減策の実現が危うくなってきた。極めて深刻な事態と受け止める必要があろう。米上下両院の軍事委員会が、在沖縄海兵隊のグアム移転関連予算1億5600万ドル(約120億円)の全額凍結を含む2012会計年度の国防権限法案の修正で合意した。修正案は近く両院本会議で可決される。グアム関連予算は、海兵隊員8000人と家族9000人の移転に伴い、司令部庁舎や家族住宅などを整備するためのものだ。従来、減額されたことはあったが、全額凍結は初めてだ。米議会は、巨額の国防費削減に向け、海兵隊移転と「一体の計画」である普天間飛行場の移設が進まない以上、グアム関連予算は認めないとの姿勢を強めていた。仮に13年度も予算がつかなければ、移転計画全体が白紙になりかねない。その場合、在日米軍再編の目玉である沖縄県南部の米軍6施設の返還も頓挫する。沖縄県には、普天間飛行場の県内移設と切り離して、海兵隊移転だけを実現したいとの声が少なくない。だが、それは、もはや非現実的だと認識すべきだろう。米政府は、日本政府が年内に普天間飛行場移設の環境影響評価書を沖縄県に提出することを「一定の進展」とみなし、米議会の説得を試みたが、失敗した。13年度にグアム予算を復活計上させるには、米議会が納得するだけの普天間問題の「より実質的な進展」が必須となる。日米両政府と沖縄県に残された選択肢は今、二つしかない。一つは、普天間飛行場の名護市辺野古移設を進め、海兵隊のグアム移転を実現する道だ。米軍6施設が返還されれば、広大な跡地利用により、来年度からの新たな沖縄振興計画にも弾みがつこう。もう一つは、普天間の辺野古移設も、海兵隊移転も断念する道だ。その場合、普天間飛行場の危険な現状が長期間、固定化されることも覚悟せざるを得ない。政府と沖縄県は、この現実を直視し、日本の安全保障と沖縄の負担軽減をいかに両立させるかについて、率直かつ真剣に話し合うことが重要となる。無論、普天間飛行場の「県外・国外移設」を唱え、沖縄に過剰な期待を持たせた末に裏切った経緯を踏まえれば、現在の事態を招いた責任は鳩山元首相らにある。野田首相は就任後、まだ沖縄を訪問していない。そろそろ自ら事態打開に動く時である。(2011年12月14日01時46分 読売新聞)
毎日社説:普天間の評価書 「年内提出」見送りを
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20111214ddm005070006000c.html
米上下両院が、12会計年度(11年10月~12年9月)の国防権限法案から、在沖縄海兵隊のグアム移転経費を全額削除することで合意した。グアム移転は、日米両政府が目指す米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への県内移設計画に連動している。米政府と議会による今後の折衝の可能性もあるが、議会側が事実上、辺野古への移設に「NO」を突きつけた意味は大きい。日本政府は、辺野古への移設計画に基づく環境影響評価(アセスメント)の評価書を年内に沖縄県に提出する準備を進めており、野田佳彦首相も年内提出を明言している。野田政権の「年内」方針は、グアム移転費削除の動きを強める議会対策を重視する米政府の意向を反映したものだった。しかし、米議会が辺野古への移設に厳しい判断を下した以上、年内提出の根拠が大きく揺らいだことになる。沖縄の負担軽減の柱であるグアム移転に困難を抱えたまま、県内移設の手続きを進める姿勢は、沖縄の理解を得られるものではない。そもそも、米側の動きを指摘するまでもなく、政府と沖縄の信頼関係が地に落ちた今、沖縄が反対する県内移設を前提にした評価書の早期提出を目指すことには無理がある。評価書提出に絡む前沖縄防衛局長の「犯す」発言、その監督責任が問われる一川保夫防衛相の、普天間移設の発端となった少女暴行事件を「詳細には知らない」との国会答弁。これらの発言には、仲井真弘多沖縄県知事が強い不快感を示し、沖縄県議会もこれらの発言を批判して防衛相の責任を明確にするよう求める決議を全会一致で採択した。沖縄による事実上の不信任である。怒りが渦巻く沖縄から見れば、女性への性的暴行と同列視された評価書提出を、事情を無視して強行するように映るのは間違いない。また、一連の言動で閣僚としての資質が問われ、問責決議が可決された一川防衛相が、普天間移設に関する重要な手続きを進めることにも強い疑問を持たざるを得ない。普天間問題は今後、正念場を迎える。県内移設を目指す政府と県外移設を求める沖縄との溝を埋めるのは容易でないが、普天間飛行場が固定化され、周辺住民の危険性が存続するような事態は避けなければならない。この重要な時期に、沖縄の不信を増大させる行為は許されない。評価書の年内提出を見送るべきだ。野田政権が取り組まなければならないのは、まず沖縄の信頼を取り戻すことである。グアム移転を軌道に乗せると同時に、評価書の提出を再考し、沖縄の同意を得て普天間移設を進める姿勢を示すことだ。
東京社説:グアム予算削除 辺野古見直しの好機だ
米上下両院が在沖縄米海兵隊のグアム移転関連予算を削除することで合意した。普天間飛行場の名護市辺野古への移設も暗礁に乗り上げている。これを機に現行計画を全面的に見直してはどうか。住宅や学校に囲まれた米軍普天間飛行場(宜野湾市)の日本返還は必要だが、辺野古での代替施設建設が進まないので、現行の在日米軍再編計画が妥当かどうか一度立ち止まって再検討してみよう。米議会はこう考えたのだろう。辺野古への県内移設と、沖縄に駐留する米海兵隊員約一万五千人のうち約八千人とその家族約九千人を米領グアムに移すことは「パッケージ」とされている。どちらが欠けても普天間返還は実現しないとして、日米両政府は現行計画に固執してきた。在日米軍基地の約74%が集中する沖縄県民の基地負担を軽減するためにグアムへの「国外」移転は一つの方策かもしれない。一方、辺野古に新しい基地を造ることには、もともと無理があった。藤村修官房長官は記者会見で、予算削除合意が現行計画に及ぼす影響を否定してみせたが、見込み違いも甚だしい。地元の反対が強く、実現困難な辺野古移設に固執し続ければ、グアム移転も進まず、普天間返還も実現しない。世界一危険とされる飛行場を米海兵隊が使用し続ける最悪の事態は避けねばならない。そのためにも、辺野古への移設を早々に断念して、現行計画全体の見直しにできる限り早く着手する必要がある。米議会がグアム移転関連予算を削除したことは、在日米軍再編計画をつくり直す好機だ。これを見逃してはならない。野田内閣は、辺野古移設のための環境影響評価書の年内提出を強行すべきではない。かつて米国防次官補として普天間返還問題に関わったジョセフ・ナイ氏は、海兵隊の豪州配備を「賢明な選択だ」と指摘し、マイク・モチヅキ米ジョージ・ワシントン大教授らは在沖縄米海兵隊の米本土移転を主張している。これらに共通するのは、沖縄に基地を新設するのは県民感情から難しいということ、海兵隊は沖縄に常駐する必然性はないということだ。海兵隊の沖縄駐留が抑止力になるという論法はもはや説得力を失っている。沖縄県民の米軍基地負担を抜本的に軽減するためには、そろそろ「抑止力論の呪縛」から離れた議論が必要ではないか。
転載開始=========================================
へ続く
へ続く