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 以下に転載するのは、以前も取り上げた「イラク軍が撃墜したと称する米無人偵察機」の続報。なんでも、オバマ米大統領が同無人機の返還をイランに求めている事を公式に認めたというニュース。
 
イラン、「撃墜した米無人偵察機」の映像を初公開  http://www.afpbb.com/article/politics/2844786/8180088
イラン、怪しい「撃墜した無人偵察機」映像公開―少なくとも、撃墜したモノではなさそうだ  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36410373.html
 
 こいつは確かにニュースだ。
 
 米政府がダメモトでイランに「無人偵察機の返還を求めた」と言う事は、少なくとも、戦闘中行方不明になった無人機が実際にあり(*1)、その中にイラクに鹵獲された可能性を、アメリカが認めたということである。無論、イランの宣伝にアメリカが加担している、何て事が無ければ、だが。
 
 それ即ち、私が先行記事に明記した、「発表された「無人偵察機」は贋物のハリボテではないか」と言う見解は、全く間違っていた事を意味する。我が不明を恥じる他ないな。
 
 さて、先行発表されたイランが鹵獲した(*2)米国無人偵察機「多分RQ-170センチネル trop」が本物であるならば、以下の事が判明ないし推定できる。
 
 (1) イラン軍には米国の無人機を乗っ取る能力がある。もしくは、米国の無人機には何らかの条件で「不時着モード」ないし「滑空モード」に入るよう設計されている。

 (2) 上記「不時着モード」な石「滑空モード」があるならば、それは「安全設計」ではあるが、機密保持の点からは大いに問題ある事が、今回示されている。(*3)

 (3) インテークに前面に見られる格子状の構造は、「インテークの開口部がレーダー波を反射する事を防ぐ」金属ないし導電体による格子である可能性が高い。推進性能を犠牲にしても、ステルス性を追求したものであろう。格子の目の粗さからして、「熱帯地用サンドフィルター」である可能性は低い(これは先行記事の微修正だな。)。
 
 (4) 先行記事にもした通り、明るいクリーム色の機体色は、本機が「昼間偵察機」として運用されている事を示唆している。つまりそれだけ「ステルス性によりレーダーに検知されない事」に頼って、光波や赤外線による監視探知を軽視した運用が為されている、と言う事である。
 
 「ぬくぬく」さん記事にあるとおり、本件が「無人機万能論」のターニングポイントとなりうる事には、私も同意する。
 
 但し、そのターンした先は、「無人機の活動領域縮小」ではあっても、「夜の闇などを利用した本来のステルス性能への回帰」や「トラブル発生時には強制墜落ないし爆破するような、機密保持優先の「不安全設計」への変更」であろうし、「無人機万能論」の終焉ではあっても「無人機無用論」とはならないであろう。
 
 いや、ま、この予想もまた、外れる可能性は、当然ながらあるのだが。「予言者の宿命」ではあるな。
 

<注釈>

(*1) これはまあ、普通、あるだろう。無かったらそれこそ奇跡だ。
 
(*2) この写真からする限り「撃墜ではない」と言う私の主張は今以て変わらない。忘れちゃいけないな、私は福島原発事故を経て尚原発推進論者と言う、「偏屈な頑固者」なのだよ。
 
(*3) 以上(1)~(2)は、「ぬくぬく」さんの所の記事が大いに参考になっており、端的に言って、「ぬくぬく」さんの予想が当たり、私の予想は大いにハズレている。
 
転載開始========================================= 
 

無人機の返還要求=イランによる押収認める-米 

 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011121300117
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は12日、イランが撃墜したと主張していた米無人偵察機の「返還を求めた」と述べ、イラン側に同機を押収されたことを初めて公に認めた。訪米したマリキ・イラク首相との共同記者会見で語った。
 大統領は「イラン側がどう対応するか見守る」と述べた。ただ、機密情報に触れる問題だとして詳細への言及は避けた。
 一方、クリントン国務長官は国務省でヘイグ英外相との会談後、記者団に「機体の返還に関して正式な要請を提出した」と説明。しかし「これまでのイランの行動を考えれば、従うとは考えていない」とも指摘した。(2011/12/13-08:26)
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