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「我が心の師」の一人、小説家アリステア・マクリーンは、「女王陛下のユユリシーズ号 H.M.S Ulysses」以降、ミステリ仕立ての冒険小説を数多く書いている。「ミステリ仕立て」と言うのは、意外な裏切り者であるとか、途中で起きたいくつかの事故などが実は故意による殺人であったりとかを、終盤近くで明らかにする「どんでんがえし」があるからだ。言わば、冒険小説の主人公が、名探偵役を兼任した「一粒で二度おいしい」小説になっている。
その名探偵兼任の主人公が「犯人」を暴くロジックの一つが、「多くの状況証拠が同一の人物を指すならば、それは物的証拠と同じぐらい強力に犯人を示す。」と言うのがあった。どの小説だったかは忘れた(※1)し、実際の法廷で通じる方理論かは疑問であるが、説得力があったので、覚えている。
そんな「説得力はあるものの、法廷では通用しそうにない」マクリーンの論理を何故思い出したかは、追々語るとして、今回取り上げるのは先行記事にもした明治製造の粉ミルクから放射性セシウムが検出された件である。
この件について、早速三赤新聞の下っ端、沖縄二紙即ち琉球新報と沖縄タイムスがこぞって社説で取り上げている。(※2)その事だけでも私なんぞは「警戒警報」を発令してしまうが・・・先ずはその両紙の社説を、御一読いただこうか。
<注釈>
(※1) ウーン「恐怖の関門 Fear is the Key」だったか、「Dark Crusader」だったか、「Circis」だったか・・・(※2) 何故か三赤新聞筆頭の朝日は、まだ社説で取り上げていない。様子でも見ているのだろうか。
転載開始=========================================
琉球新報社説 粉ミルク混入 国民の不安解消に手を尽くせ
2011年12月8日 Tweet赤ちゃんの健やかな成長を支える粉ミルクから、放射性物質が検出された。東京電力福島第1原発事故の影響であることが濃厚だ。食品大手の明治の粉ミルク「明治ステップ」(850グラム缶)から、最大で1キログラム当たり30・8ベクレルの放射性セシウムが検出された。製品は3月14~20日に埼玉県春日部市の工場で製造された。全国に出荷され、明治は40万缶を無償交換するが、既に消費された缶も多いだろう。県内の小売り店舗からも商品撤去の動きが出ている。国が定める粉ミルクの暫定基準値(1キログラム当たり200ベクレル)は下回っており、専門家は「直ちに人体に影響する数値ではない」として、冷静な対応を呼び掛けている。だが、乳児に欠かせない粉ミルクにまで放射性物質が混入した衝撃は大きい。国が安全と言ってもどれだけ信じていいのかという懸念も生じそうだ。国は乳児が毎日摂取した場合の健康への影響の有無などをできるだけ早くデータで示し、子を持つ親と国民の不安を解消すべきだ。福島県の市民団体が11月下旬に明治の粉ミルクからセシウムを検出したことを伝え、同社が詳しく検査したことで明らかになった。粉ミルクは、工場内に取り込んだ外気で、霧状にした乳原料を乾燥させる製法だった。原発事故直後にこの工程があり、飛来した放射性物質が混入したことが濃厚だ。空気取り込み口にほこりを除去するフィルターがあるが、放射性物質は吸着できなかったとみられる。飛散した放射性物質が食の安全を脅かす危険性は他の食品でもあり得ないことではない(※1)。中国や韓国で日本製の粉ミルクは信頼度が高かったが、今回の事態で安全性への問い合わせが殺到している。子を持つ親の敏感な反応は当然だ。(※2)想定外の限定的な事態と決めつけてはならない。あらゆる食品の製造工程に目を向け、放射性物質が混入する可能性を再検証する必要がある。国は原発事故を受けて、食品に含まれる放射性物質の許容数値である暫定基準値を決めた。厚生労働省が基準値を見直し、粉ミルクや離乳食など乳用食品群を新たに設定することになっている。国は製造から流通、消費段階まで食品の監視を手厚くし、食の安全確保に手を尽くしてほしい。家庭でも食材の水洗いなど、できる限りの除染を徹底したい。
<注釈>
(※1) この粉ミルクで、食の安全性は脅かされていない。「あり得ない事ではない」もヘッタクレも、あるものか。
(※2) 毒を配合するような中国製粉ミルクと一緒にするな。少なくとも明治は、会社として態と放射性セシウムを混入した訳ではない。それならば、回収したりはしないだろう。
沖縄タイムス社説 [粉ミルクにセシウム]検査態勢の強化を図れ
Tweet
社会 2011年12月8日 09時08分
赤ちゃんのいる家庭にとっては、不安な検査結果が出た。
明治の粉ミルク「明治ステップ」から、最大で1キログラム当たり30・8ベクレルの放射性セシウムが検出された。埼玉県春日部市の同社工場で、3月14~20日に加工されたものだという。東京電力福島第1原発事故後に粉ミルクからセシウムが検出されたのは初めてだ。
製品は全国に出荷されていた。同社は約40万缶を無償交換すると発表した。
検出された値は、国が定める粉ミルクの暫定基準値(1キログラム当たり200ベクレル)を下回っている。放射線防護の専門家は「直ちに人体に影響が出る数値ではない」との見方だ。
とはいえ、乳児は大人より放射性物質の影響を受けやすいと指摘される。「子どもには1ベクレルも与えたくない」という親の不安は当然である(※1)。
同社によると、原料のもととなる牛乳は、原発事故より前に生産されていた。このため、工場内で外気を取り入れて牛乳や水などを混ぜた原料を乾燥させる工程で、セシウムが混入した可能性があるという。(※2)
工場は、福島第1原発から南西に直線距離で約180キロ。建物の空気取り込み口には、ちりやほこりを除去するフィルターはあるが、放射性物質の除去は想定していなかった。
明治は、国内の粉ミルクのシェア約4割で業界1位。社会的な影響は大きい。混入の経緯を詳細に調査するとともに、微量であっても混入が再び起こらないよう対策を取ってほしい。
気になるのは、セシウム検出が判明した経緯だ。今回は、消費者の依頼で福島県の市民団体が行った調査で分かり、同社に伝えた。
厚労省が明治を含む複数メーカーの粉ミルク25検体を7~8月に調べた際は、いずれも検出限界(5ベクレル)未満だった。同社の定期的な自主検査でも不検出だった。
原発事故以来、身近な食品から放射性物質の検出が相次ぎ、消費者は不安を募らせている。妊婦や幼い子どものいる家庭ではなおさらだ。放射性物質の監視態勢は万全なのか。外部からの指摘で明らかになるようでは、心もとない、と言わざるを得ない。(※3)
同社は今後、抽出検査数を増やし、結果をホームページに掲載するという。他のメーカーも検査を強化する動きが広がっている。
粉ミルクは乳児にとって重要な栄養源だ。検査を徹底し、親の不安解消に努めてもらいたい。
食品から検出される放射性物質は、どこまで許容されるか。厚労省は、食品に含まれる放射性物質の安全指標となる暫定基準値の見直しに入った。年間被ばく限度を引き下げ、厳格化する方針だ。
食品の分類についても見直し、粉ミルクや離乳食など「乳幼児用食品」群を新設することを決めた。年内にも案をまとめて議論し、来年4月出荷の食品から適用を目指す。
ただ、基準を厳格化するだけでは消費者は安心できない。検査態勢を整え、情報公開や監視の枠組みを手厚くする必要がある。
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へ続く
<注釈>
(※1) 1キログラム当たり5ベクレルが、一つの検出限界であるというのに、無茶な事言うもんだな。ま、そんな「親の不安」は、無視されるべきであるが。(※2) 逆だろう。其処しか「可能性がない」と言う、消去法だろう。(※3) そらは少なくとも、「放射性セシウムを含む粉ミルクの事例が極めて少ない」事を意味している。穿った見方をするならば、「福島県の市民団体が混入した」可能性すら、示唆している。