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なんだか、「社説を笑う」シリーズが自然発生的に出来てしまった様な気もするが、斬るほどの価値も無いような社説は、無視するか、笑うしかなかろう。私が「社説を無視」した処でブログの記事にはならないし、それどころか「社説を無視」した事はアピールにも宣言にもならないから、笑ったほうがまだしも建設的だ。
何度も書いているが、社説は新聞の顔であり、現代においては新聞の存在理由の一翼を担っている、と、私は考えている。「社説は新聞の顔」とは、恐らく新聞各紙も否定しないであろうが、「社説は新聞の存在理由」とまでは考えていないかも知れない。だからこそ、笑うしかないような社説が、散見されるどころかゴロゴロある。
今回取り上げるのは少し前の毎日社説。社説が論じるは米海兵隊の豪州配備である。
先ずは当該社説、御一読願おうか。
何度も書いているが、社説は新聞の顔であり、現代においては新聞の存在理由の一翼を担っている、と、私は考えている。「社説は新聞の顔」とは、恐らく新聞各紙も否定しないであろうが、「社説は新聞の存在理由」とまでは考えていないかも知れない。だからこそ、笑うしかないような社説が、散見されるどころかゴロゴロある。
今回取り上げるのは少し前の毎日社説。社説が論じるは米海兵隊の豪州配備である。
先ずは当該社説、御一読願おうか。
転載開始=========================================
毎日社説:米部隊の豪駐留 日本も重層的な安保で
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20111118ddm005070112000c.html
オバマ米大統領が、オーストラリア北部に最大2500人規模の海兵隊を駐留させることでギラード豪首相と合意した。米戦闘部隊の初の豪州配備となる。演説では、アジア太平洋地域を米国の安全保障政策の「最優先」に位置付けると語った。海空軍を中心に軍事力を増強し、海洋進出を強める中国をけん制する意図があるのは明らかだ。海兵隊が駐留するのは豪州最北部のダーウィンにある豪州軍基地。インドネシアをはさんで南シナ海やマラッカ海峡をにらむ位置にある。南シナ海には中国やベトナム、フィリピンなどが領有権を主張する島々があり、中国は近年、「核心的利益」と位置付ける同海域で軍事的行動を強めている。一方、米国は「航行の自由」を主張して中国と対立、南シナ海は安保上の焦点地域となっている。マラッカ海峡は貿易の要衝であり、米国には、海峡から南シナ海に通じる「シーレーン」の安全を確保しようとの狙いもある。「太平洋国家」を掲げるオバマ政権は、東アジアへの関与を強めている。今回の部隊配備は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)推進と並んで、軍事、経済両面で存在感を増す中国に対する「包囲網」の一環と見ることができる。東アジアに位置する日本には、こうしたアジア太平洋地域の安保環境の変化を見据えた、賢明な外交戦略が求められている。豪州への海兵隊配備が沖縄の米軍普天間飛行場の移設をはじめとする在日米軍再編にどう影響するのかは、今のところ不明だ。しかし、展望の見えない普天間問題が日米関係全体の「足かせ」となり、他のテーマにまで悪影響を与えるような事態は避けなければならない。日米両政府はこの点に留意して、同盟深化の作業を促進してもらいたい。また、対中戦略では、中国とさまざまな課題を抱える東南アジアや南アジア諸国との連携が欠かせない。野田政権は、ベトナムとの防衛協力強化で合意し、フィリピンとは「戦略的パートナーシップ」推進で一致した。また、インドネシアやインドとも外交・安保の協議を進めることになった。こうした国々との重層的な安保関係の進展は、日本の外交力を高めるとともに、アジア太平洋地域の安定に資するのは間違いない。同時に強調すべきなのは、日本にとって最大の貿易国である中国との2国間関係の重要性だ。対立が前面に立てば日本の国益にも反する。中国に国際規範に基づく健全な対外行動を促す不断の働きかけが不可欠である。12月の野田佳彦首相の初訪中を、両国が掲げる「戦略的互恵関係」の発展に結びつけてほしい。
=================================転載完了
「重層的」なんて尤もらしい表現
さて、今回はチョイと趣向を変えて、今一度当該社説を読み直していただきたい。但し、当該社説の最後のパラグラフ、以下の部分を隠した状態で、今一度読んで頂きたい。
1> 同時に強調すべきなのは、日本にとって最大の貿易国である中国との2国間関係の重要性だ。
2> 対立が前面に立てば日本の国益にも反する。
3> 中国に国際規範に基づく健全な対外行動を促す不断の働きかけが不可欠である。
4> 12月の野田佳彦首相の初訪中を、両国が掲げる「戦略的互恵関係」の発展に結びつけてほしい。
如何であろうか。
美事なまでに首尾一貫した主張が現出しないだろうか。
冒頭で米海兵隊の豪州駐留決定した事実を述べ、次いでその背景となった米国の対中牽制意図と、増大してきた中国の脅威について述べる。TPP共々対中「包囲網」の一環とも見られる事を述べ、日本に「賢明な外交」を求める。そのために日米同盟の深化と共に、周辺諸国との対中連携を訴える。
タイトルこそ「重層的な安保で」と玉虫色の表現だが、上記1>~4>を除いた「社説」ならば、タイトルの「重層的な安保」とは、日米同盟の深化のみならず、東シナ海南シナ海をめぐって中国と対峙する諸国、ベトナム、フィリピン、インドシナ、さらにはインドとの連携を意味する。とても「左の大関」毎日新聞の社説とは思えないと言う点を除けば、実に首尾一貫した主張である。
ところが・・・其処は流石に「左の大関」毎日新聞。社説末尾に上記1>~4>を挿入して「バランスを取る」と言えば聞こえは良いが、早い話が中国様に阿って、「対中包囲網の骨抜き」を結論にしている。
なんと言う強引な論旨の曲げ方であろうか。中国の「海空軍を中心とした軍事力増強」も「強める海外進出」も「「核心的利益」と位置付ける軍事的行動」も、綺麗サッパリ吹き飛ばして、ぬけぬけと上記4>「「戦略的互恵関係」の発展に結びつけてほしい。」と結論付ける異様さ、異常さに気づかないのだから恐れ入る。毎日新聞デスクは、ダブルスタンダード通り越して、ダブルシンクが浸透しているものと見える。Big Brother=中国共産党一党独裁政権の影響力・浸透工作が其処まで実現している、と見るべきか・・・・はたまた元々「頭の不自由な人」と考えるべきか。願わくば、後者であって欲しいものだが。
逆にその異様さ、異常さは、上記1>~4>として具現化した主張が、毎日新聞社説の「最も主張したかった部分」であり、本音であるという事を炙り出している。つまりは、日米同盟深化も、周辺諸国との対中連携も、「一応社説で触れただけ」と言う事だ。
1> 同時に強調すべきなのは、日本にとって最大の貿易国である中国との2国間関係の重要性だ。
2> 対立が前面に立てば日本の国益にも反する。
3> 中国に国際規範に基づく健全な対外行動を促す不断の働きかけが不可欠である。
4> 12月の野田佳彦首相の初訪中を、両国が掲げる「戦略的互恵関係」の発展に結びつけてほしい。
如何であろうか。
美事なまでに首尾一貫した主張が現出しないだろうか。
冒頭で米海兵隊の豪州駐留決定した事実を述べ、次いでその背景となった米国の対中牽制意図と、増大してきた中国の脅威について述べる。TPP共々対中「包囲網」の一環とも見られる事を述べ、日本に「賢明な外交」を求める。そのために日米同盟の深化と共に、周辺諸国との対中連携を訴える。
タイトルこそ「重層的な安保で」と玉虫色の表現だが、上記1>~4>を除いた「社説」ならば、タイトルの「重層的な安保」とは、日米同盟の深化のみならず、東シナ海南シナ海をめぐって中国と対峙する諸国、ベトナム、フィリピン、インドシナ、さらにはインドとの連携を意味する。とても「左の大関」毎日新聞の社説とは思えないと言う点を除けば、実に首尾一貫した主張である。
ところが・・・其処は流石に「左の大関」毎日新聞。社説末尾に上記1>~4>を挿入して「バランスを取る」と言えば聞こえは良いが、早い話が中国様に阿って、「対中包囲網の骨抜き」を結論にしている。
なんと言う強引な論旨の曲げ方であろうか。中国の「海空軍を中心とした軍事力増強」も「強める海外進出」も「「核心的利益」と位置付ける軍事的行動」も、綺麗サッパリ吹き飛ばして、ぬけぬけと上記4>「「戦略的互恵関係」の発展に結びつけてほしい。」と結論付ける異様さ、異常さに気づかないのだから恐れ入る。毎日新聞デスクは、ダブルスタンダード通り越して、ダブルシンクが浸透しているものと見える。Big Brother=中国共産党一党独裁政権の影響力・浸透工作が其処まで実現している、と見るべきか・・・・はたまた元々「頭の不自由な人」と考えるべきか。願わくば、後者であって欲しいものだが。
逆にその異様さ、異常さは、上記1>~4>として具現化した主張が、毎日新聞社説の「最も主張したかった部分」であり、本音であるという事を炙り出している。つまりは、日米同盟深化も、周辺諸国との対中連携も、「一応社説で触れただけ」と言う事だ。
なあ、毎日新聞よ。これが毎日新聞の「顔」かね。