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「私の歴史観」シリーズ第一弾「『私の歴史観』観」にも記し、いくつかの記事でも触れたが、「御国自慢」と言うのは人間の原初的感情だ。だからともすると「御国自慢」と言うのは部外者には微笑ましくも見えれば、愚かしくも見えるものである。半島ともなれば伝統的に「小中華」であり続けてきただけに、その「御国自慢」も激烈になり、何でもかんでも自国がルーツだと主張して、常軌を逸するのもしばしばあり、「微笑ましい」を通り越して「愚かしい」のであるが、それにしてもこいつは・・・まあ、先ずは韓国氏の報道の孫引き、御一読願おうか。
転載開始=========================================
「韓国の地政学的地位は世界最悪」米研究者の指摘は間違っている―韓国紙
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111103-00000007-rcdc-cn
Record China 11月3日(木)9時44分配信2日、韓国紙・朝鮮日報は、韓国の地政学的地位が大きく向上したとのコラムを掲載した。韓国、そして朝鮮半島の重要性が高まるなか、韓国の地政学的地位は向上したと主張している。写真はソウル市、景福宮。
2011年11月2日、韓国紙・朝鮮日報は、韓国の地政学的地位が大きく向上したとのコラムを掲載した。【その他の写真】先日、韓国を訪問した米シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は、「全世界で地政学的に最も不利な位置にある国は、韓国とポーランド」と発言した。しかし、朝鮮日報はこの見方を否定。「長期的な視野を持つ政治指導者と正確な戦略さえあれば、韓国の地政学的地位は優越的なものになる」と胸を張った。この50年というもの、韓国の地図上の位置こそ変わらなかったものの、その他の点では大きな変化があった。国民総所得は1兆ドル(約78兆円)を突破。かつてのように強国に振り回されるだけの国ではなくなった。また、昨年から周辺諸国が朝鮮半島の地政学的重要性を再認識するようになった。訪米した李明博大統領は国賓待遇で迎えられ、日中は韓国との自由貿易協定(FTA)締結を争っている状況だ。ロシアも北朝鮮を経由してのパイプラインプロジェクトを打診している。2011年の韓国外交で最も注目すべきは、日中韓首脳会談の運営などを担当する韓日中事務局がソウルに開設されたことだろう。まさに地政学的不利という固定観念が打ち砕かれる事態となった。事務局長は2年交替で、名称も日中韓事務局、中韓日事務局と変更される予定だが、まず韓中日事務局として誕生したことは、韓国の影響力を示す象徴的なエピソードだと指摘している。(翻訳・編集/KT)
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そりゃ自慢かね?
さて、如何であろうか。
先ずは報じられるところによると、米国の「全世界で地政学的に最も不利な位置にある国は、韓国とポーランド」と言う発言に対する反発なのだそうである。
先ずは報じられるところによると、米国の「全世界で地政学的に最も不利な位置にある国は、韓国とポーランド」と言う発言に対する反発なのだそうである。
1> 朝鮮日報はこの見方を否定。
2> 「長期的な視野を持つ政治指導者と正確な戦略さえあれば、韓国の地政学的地位は優越的なものになる」
2> 「長期的な視野を持つ政治指導者と正確な戦略さえあれば、韓国の地政学的地位は優越的なものになる」
・・・エーッと・・・・「長期的な視野を持つ政治指導者と正確な戦略」で得られるのが「地政学的地位の優越」と言うのが先ず以って判りにくい表現と言うか、婉曲表現と言うか・・・韓国が朝鮮半島の南側にあるという地理的条件は、第二次大戦以降、朝鮮戦争の一時期を別にすれば変化はない。今後、民族の悲願「半島統一」へ向けて大いに「長期的な視野を持つ政治指導者と正確な戦略」が必要な気はするが、それでも半島統一は半島統一でしかない。大陸勢力と海洋勢力の衝突するところ。大洋に突き出した橋頭堡であり、大陸に突き刺さった棧橋でもある。この点は如何に「長期的な視野を持つ政治指導者と正確な戦略」以ってしても変わりようがない。その「長期的な視野を持つ政治指導者」が描き出す「正確な戦略」とは、半島の歴史が示すところは、大陸側に付くか、大洋側に付くかの選択でしかない。
言い換えれば、半島史が示す「長期的な視野を持つ政治指導者と正確な戦略」とは、「長い物には巻かれろ」の一語に尽き、誰が長いかを見極めるのが「正確な戦略」と言う事になる。となると「地政学的地位の優越」とは「誰が長いかを正確に見極め続ける事」でしかない。それを「地政学的地位の優越」と呼ぶのは、御国自慢とは言え、相当苦しかろう。と言うか、自分で言っていて恥ずかしく・・・ならないんだろうなぁ。
無論、「今後は大陸にも大洋にも阿らず、独自路線を貫く!」と言う意思表示である可能性はある。文字通り、「過去の清算」だな。だがしかし、報じられている「地政学的不利という固定観念が打ち砕かれた証拠」と言うのは、此の記事に関する限り以下の項目しかない。
無論、「今後は大陸にも大洋にも阿らず、独自路線を貫く!」と言う意思表示である可能性はある。文字通り、「過去の清算」だな。だがしかし、報じられている「地政学的不利という固定観念が打ち砕かれた証拠」と言うのは、此の記事に関する限り以下の項目しかない。
(1) 国民総所得は1兆ドル(約78兆円)を突破。
(2) かつてのように強国に振り回されるだけの国ではなくなった。
(3) 訪米した李明博大統領は国賓待遇で迎えられ、
(4) 日中は韓国との自由貿易協定(FTA)締結を争っている状況だ。
(5) ロシアも北朝鮮を経由してのパイプラインプロジェクトを打診している。
(6) 2011年の韓国外交で最も注目すべきは、日中韓首脳会談の運営などを担当する韓日中事務局がソウルに開設されたことだろう。
だが、上記の内、素直に「御国自慢」と受け入れられるのは上記(1)しかない。
上記(2)は、要は「冷戦時代が終った」と言う事でしかないし、韓国よりも北朝鮮やイラク、アフガニスタンやギリシャの方が「強国に振り回されない」あるいは「世界を振り回して」いるようであるから、何も韓国の「地政学的地位が向上」したとは言い難い。
上記(3)は・・・李明博大統領以前に訪米した大統領が国賓待遇でなかったと言う方が、不思議と言うか、不幸と言うか、不憫と言うか・・・大統領の国賓待遇は、地位の向上には違いないが、それでやっと普通の国。別段、自慢にはなるまいに。
上記(4)は殆ど私にとっては初耳だ。中国は兎も角、日本が韓国とのFTAを争っているなんて、聞いた覚えがない。ま、これは、私が経済に疎いだけ、かも知れないが。
上記(5)は喜んでいられる事態かどうか微妙だ。先行記事にした通り、態々ロシアからの天然ガスに依存しない為に原発推進しているチェコの例もあるというのに、態々ロシアから、北朝鮮経由で、ガスパイプラインを引っ張ってこようと言うのだから、ロシアにしても来た朝鮮にしても「しめた!」と思っているのではなかろうか。ロシアからの天然ガスが計画通りに届かず、北朝鮮とロシアが互いに相手のせいにする、なんてことは、想定しないのだろうか。その北朝鮮が僅か50年ほど前に侵攻してきたというのに、だ。
上記(6)は、そりゃまあ、ソウルにあるのは自慢かも知れないが、名前は日・中・韓の順番が交替するというし、「韓国外交で最も注目すべき」なのが此の衣事務局開局なのであるならば、韓国外交は、民主党外交並みの無為無策無能振りを、天下に曝している事になろう。
さらには、根源的な疑問なんだが・・・「地政学的地位は優越的なものになる」と言うのは、確かに国策・外交策の勝利ではあろうけれども、自慢になるのであろうか。それは先述の「大陸側に着くか、大洋側に着くかの正しい判断」と大同小異の自力ならぬ他力本願の優位でしかないのではないか。
「地政学的不利を克服する」のは自慢するに足る。それは、所与の条件である地理的関係等によって課された不利を、己が力で切り開いた事になるからだ。だが、「地政学的不利という固定観念が打ち砕き」「地政学的地位を優越的なものにする」のは、パナマ運河やスエズ運河のような大規模工事で地形を変えるのでない限り、「政治的地理関係を変える」他ない。韓国を取り巻く政治的地理関係を概観するならば、冷戦時代とそのピークとしての朝鮮戦争と、冷戦後のIT化・グローバル化、と言い表せそうだ。それはある種環境の変化であることは確かだが、それで「地政学的に優位になった」のだとしたら、その優位の獲得に、韓国自身の努力・尽力はどれほど影響したのだろうか。
「韓国の努力は関係ない。獲得した優位は優位だ!!」と割り切るのならば、それでも良い。
だが、その優位は、私にはどうにも自慢には聞こえないのである。
否、そんな優位を自慢するような国には、なりたくない、と思うぞ。