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チェコといえば東欧の工業国。スコダは戦後も自動車メーカーとして有名だが、戦前に作った38型戦車は大型転輪と板バネ式サスペンションで信頼性が高く、そのままドイツ軍に流用されてPz38(t)となり、車体を流用した自走砲としてマルダー(テン)と成り、ヘッツァー(勢子、猟犬)と成り、戦後は兵員輸送車になっている驚異のロングセラーシャーシである。ブルーノZB26軽機関銃は、箱型弾倉と故障の少ない事で知られ、「無故障機関銃」と我が軍に恐れられて(*1)、英国のブレン短機関銃の原型ともなった。Cz75自動拳銃は「プロの道具」として評価が高い。Vz61スコーピオン短機関銃はその特異な形状と小型ぶりで、映画やゲームや小説の小道具として大活躍だ。
「チェコの工業製品と言いつつ、兵器ばかりじゃないか!」と言われそうだが、兵器だって工業製品であるし、しばしば最先端の工業製品であるのだから、優秀な兵器を製造できる国は、相応の工業力があることを証している。チェコが正にそれである。とは言え、タイトルにもした通り、冷戦華やかなりし頃はワルシャワ条約機構の一員にして、強大なるソ連の「衛星国」として扱われたチェコである。そんな時代でも上記の通り工業製品では相応の気を吐いていた国である。(*2)
報じられているのはそのチェコが、福島原発事故やらドイツの脱原発やらを超えて、原発に未来を託し、推進して居ると言う記事。今尚原発推進論者である私にとっては、「同志(*3)」と言う事になるな。
「チェコの工業製品と言いつつ、兵器ばかりじゃないか!」と言われそうだが、兵器だって工業製品であるし、しばしば最先端の工業製品であるのだから、優秀な兵器を製造できる国は、相応の工業力があることを証している。チェコが正にそれである。とは言え、タイトルにもした通り、冷戦華やかなりし頃はワルシャワ条約機構の一員にして、強大なるソ連の「衛星国」として扱われたチェコである。そんな時代でも上記の通り工業製品では相応の気を吐いていた国である。(*2)
報じられているのはそのチェコが、福島原発事故やらドイツの脱原発やらを超えて、原発に未来を託し、推進して居ると言う記事。今尚原発推進論者である私にとっては、「同志(*3)」と言う事になるな。
1> 半官半民の同国電力大手CEZのDaniel Benes会長兼最高経営責任者(CEO)は、
2>「原子力開発は基本的な優先事項だ。原子力を失えば、ロシアの供給するガス次第になってしまう。
3> 他に道はない。再生可能エネルギーでは需要をまかなえない」と述べた。
2>「原子力開発は基本的な優先事項だ。原子力を失えば、ロシアの供給するガス次第になってしまう。
3> 他に道はない。再生可能エネルギーでは需要をまかなえない」と述べた。
報じられるDaniel Benes会長兼最高経営責任者の方針は実に明快だ。即ち「エネルギー供給のロシアからの自立」。ロシアのガス供給が毎年のように脅迫や恫喝の材料に使われるのだから、かつては「衛星国」と言われたチェコとしては、「エネルギー供給のロシアからの自立」は正に死活問題だろう。
4> 2050年までにはさらに2基を南西部テメリン(Temelin)に新設し、原子力の国内電力シェアを50%まで増やす見通しだ。
4> 2050年までにはさらに2基を南西部テメリン(Temelin)に新設し、原子力の国内電力シェアを50%まで増やす見通しだ。
5> チェコ産業省がまとめた年内に政府に提出予定の最新エネルギー計画(暫定版)によれば、
6> 2060年までに国内電力の80%を原子力でまかなう方針。
とまで報じられているから、現状は1/3でほぼ日本並みの原発による電力供給を、2060年までに8割と言うフランス並みに大幅に増加しようと言う方針。それもこれも「ロシアに天然ガス供給で首根っこを押さえられるのは断固拒否する」ためであり、原発であればこそそれが可能となっている。原発の燃料交換は頻度も質量も少なくて済むから、燃料の供給量が格段に少ない。内陸国で港湾が無い(*4)チェコにとってこれは大きい。逆に原発でなければ、ロシアからのガスパイプラインによるガス供給に頼らざるを得ない所以だ。
6> 2060年までに国内電力の80%を原子力でまかなう方針。
とまで報じられているから、現状は1/3でほぼ日本並みの原発による電力供給を、2060年までに8割と言うフランス並みに大幅に増加しようと言う方針。それもこれも「ロシアに天然ガス供給で首根っこを押さえられるのは断固拒否する」ためであり、原発であればこそそれが可能となっている。原発の燃料交換は頻度も質量も少なくて済むから、燃料の供給量が格段に少ない。内陸国で港湾が無い(*4)チェコにとってこれは大きい。逆に原発でなければ、ロシアからのガスパイプラインによるガス供給に頼らざるを得ない所以だ。
「ロシアとの友好関係を保てば、ガスパイプラインからのガス供給は安定だ。」と言う考え方もある。そう、「ロシアとの友好関係を保てば」だ。だが、ワルシャワ条約の盟主としてのソ連時代の「実績」や、がスパイプランを使ってのエネルギー恫喝外交は、そんな甘い考えを吹き飛ばすには充分であるし、吹き飛んでいるからこその上記2>~3>の原発推進論である。
つまり、電力の安定供給、なかんづく、ロシアに頼らない安定供給と発電量の拡大こそが、チェコの安全保障に直結しており、上記3>「他に道は無い。」とまで断じているのである。
如何に、国民。
此の国を見よ。
つまり、電力の安定供給、なかんづく、ロシアに頼らない安定供給と発電量の拡大こそが、チェコの安全保障に直結しており、上記3>「他に道は無い。」とまで断じているのである。
如何に、国民。
此の国を見よ。
<注釈>
(*1) つまり、我が軍の機関銃が如何に故障し易かったか、と言う事でもあるが。我が軍軽機関銃の故障率が根本的に解決するのは、ひょっとして、陸自のミニミ導入まで長い事待たねばならなかったのか。(*2) 「私の歴史観」にも記したとおり、愛国心と言うのは人間の原初的感情であり、「我が国を誇る」と言うのは極当たり前の事だ。況やチェコは、「衛星国」と言われた時代も一部工業製品ではソ連より優れていたのだから、これを誇るのは当然だ。もっと言うならば、日本の工業製品と、それが果たした人類史的役割だけでも、我が国は誇れるものが山ほどある。水晶時計と、新幹線だけでも、途轍もない人類への貢献だ。愛国心が無い方が、何かが抜けているのに違いない。(*3) 私は根っから、殆ど生まれつきの右翼なので、此の呼び方は好きではないのだが・・・(*4) 即ち、海路による石炭やら石油やらの大量輸送が使えない