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 琉球新報が「陸自賛否署名 誘致の白紙化求めたい」と銘打った社説を掲げた。内容は、陸上自衛隊与那国配備について、与那国長の誘致を白紙撤回しろと言うもの。ま、例によって例のごとくの「反軍」社説なのであるが、今回記事タイトルにした通り、なんとも「変」なのである。無論私と三赤新聞との間に見解の相違・認識の乖離があるのはいつものことで、異とするには足らないのだが・・・ま、先ずは御一読願おうか。
 
転載開始========================================= 

琉球新報社説 陸自賛否署名 誘致の白紙化求めたい

  http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-181927-storytopic-11.html
2011年9月22日      Tweet
 十分な情報提供も議論の場さえもなく、住民が二分され、対立が深刻化する事態が進んでいる。
 与那国島への自衛隊配備に反対している与那国改革会議は、556人分の反対署名を外間守吉町長と前西原武三同町議会議長に提出した。
 同町が誘致活動を展開するきっかけとなった賛成署名514人を上回る数だ。
 しかし、外間町長は10月には防衛省の次年度概算要求も出されることなどを理由に「後戻りできない。もう遅い」と、誘致姿勢を崩していない。
 同町は2008年9月に誘致決議を行ったが、町主催の住民説明会が開かれたのは今年7月だ。
 約3年間も島の将来を決める重要事項の詳細を情報開示することなく、住民不在のまま誘致活動を進めたと言わざるを得ない。
 住民の賛否は分かれていることを知りながら、中国の脅威を強調し着々と配備の準備、南西諸島の態勢強化を進めている防衛省の姿勢、やり方は理解し難い。
 誘致派は自衛隊配備により経済効果が生まれ、人口減少にも歯止めがかかるとしている。
 過疎化の苦悩は理解できるが、自衛隊配備によって活性化、発展するか疑問だ。そうした例など聞いたことがない。
 歴史的背景、地理的優位性を生かした国際交流や観光産業、農漁業などでの振興・発展と、自衛隊誘致を比べ、多角的に議論した結果だとは到底言えない。
 先の大戦で県民は「軍隊は住民を守らない」ことを学んだ。有事の際には軍事拠点やその関連施設が真っ先に攻撃の対象となり、住民は戦闘に巻き込まれる。戦闘協力を求められる事態も起こり得る。
 「活性化」と引き換えに、住民の生命、生活への危険が生じることは十分に説明されたのか。
 中国や台湾を刺激し、軍事的緊張が高まれば、漁船操業や観光ダイビングを制限する立ち入り禁止海域などの設定も想定される。そうなれば経済に影響を与えるのは間違いない。
 将来を決める議論が、あまりにもないがしろにされている。混乱を招いた行政の責任は重く、このままでは住民に大きな禍根を残す。
 地域、親・きょうだいを分断する不幸な事態を避けるためにも、自衛隊誘致は白紙に戻すべきだ。島の将来像と活性化策を示し、議論の場を提供するのが行政の役割だ。
=================================転載完了

奇怪な論理、屁理屈ですらなし


 さて、如何であろうか。
 
 どうにもこうにも理解しがたい社説なので、以下に当該社説の理解できた範囲で箇条書きにしてみた。
 
(1) 自衛隊誘致決議から住民説明会まで3年も開いたのは住民不在だ

(2) 住民の意見は分かれているのに自衛隊を配備する防衛省は理解できない

(3) 自衛隊誘致の経済効果は疑問だ。経済活性化については多角的な議論が必要だ。

(4) 先の大戦で県民は「軍隊は住民を守らない」ことを学んだ。

(5) 部隊の配置は有事の危険を招く

(6) 緊張が高まれば経済的に悪影響がある

(7) 自衛隊誘致は議論が足らない、白紙に戻せ。
 
 ああ、これで大分すっきりした。が、やっぱり変だ。
 
 上記(1)は私に言わせればイチャモンでしかない。誘致の決議は既に発しているのだから、住民説明は実際の配備が決まった後なのは当然ではないのか。配備が決まる前に住民説明会開いて、何を説明するのだ。聞く住民の方だって困るだろう。困らないのはハナッから「自衛隊配備反対!」と主張したい輩ばかりだ。
 
 上記(2)こそ私の感じた「変」の原因だろう。防衛省は我が国の安全保障の一翼を担い、それによって兵力の配備を考える。住民の意見は参考意見であっても境界条件ではない。「意見が分かれて」居れば部隊配備には充分だろう。
 
 上記(3)は議論のすり替えだ。第一、自衛隊誘致の目的が経済活性化ならば、配備が決まるまでのこの三年間、町議会が経済活性化について議論し検討してこなかったなんて全く信じられない。もしそうなのならば、最早自衛隊誘致以外の経済活性化策が無くなった、万策尽きた状態だろう。いずれにせよ今更「多角的に議論」もないモンだ。
 
 上記(4)~(5)も私としては大いに異議がある。喩え大東亜戦争(太平洋戦争)の実績が琉球新報の言うように「軍隊は住民を守らない」ものであったとしても(※1)、軍隊は国の主権を「守るべき」ものであり、主権の中には領土領海は元より、国民の生命財産も含まれる。完全に「国民の生命財産を守る」事は戦時下では不可能であろうし、大東亜戦争(太平洋戦争)でも相当な国民が生命財産を失ったのも事実だ。が、「守るべき」という理想は変わらない。理想と実態が違うからとて、それを「守らない」と断じるのは暴論である。それは、「傘を持っているから雨が降る」のと同じぐらい荒唐無稽だ。
 
 上記(6)は言わずもがなの「経済侵略容認論」だが、町議会が街の活性化を念頭に自衛隊誘致を決めた時点で、その自衛隊配備による緊張激化よりも経済効果の方が大きいと計算した筈だし、当該社説によっても町議会はその判断を変えていない。少なくとも上記(6)を説得力を持って主張するには、その経済悪化効果を具体的に示す必要が在ろう。タダの心配ならば、町議会にすれば、余計なお節介でしか在るまい。
 
 だがまあ、余計なお節介というのならば上記(7)に止めを刺す。当該社説を読んでも琉球新報が自衛隊誘致決議に水を差す根拠は「誘致反対の署名が誘致賛成の署名よりも一寸だけ多かった」だけなのだから尚更だ。
 
 初めに「反軍」イデオロギーがあり、ろくに理論付けることすらせずに勢いで社説に仕立てた。そんな感じの社説だ。
 
 但し、その「反軍」は日本軍と米軍以外には適用されない。
 
 何ともはや。これで社説とは。アジビラだってもう少し論理付けるのじゃ無かろうか。
 
 アジビラ失格。当然ながら、社説なんて呼べるシロモノではない。

 

<注釈>

(※1) 実際は、帝国陸海軍は相当な努力を払って「住民を守って」居る。