応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
 
 タイトルにした「自由中国」と言うのは台湾こと中華民国の別名。中共のカウンターパートと言えそうだが、現在の台湾国際放送は、かつて「自由中国の声」として国際放送を実施していた。
 
 何しろお隣と言うより台湾海峡挟んでお向かいに、中共こと中華人民共和国何てぇ国が、それも「同胞」と称して鎮座ましまし、解放だの懐抱だの(*1)と抜かして虎視眈々と併呑を目論んでいるのだ。実際、冷戦華やかなりし頃とは言え、台湾海峡上空でジェット戦闘機同士が空戦したり(*2)金門島を巡って相互に砲撃したり(*3)、小競り合いにも事欠かない。そんな中国が先行記事にもした通り、空母の試験航海なんて事をやらかすようでは、何らかの反応を示すのが普通だろう。
 
 報じられている新型地対艦ミサイル開発計画が「そんな反応」のひとつと考えたが故の、当記事タイトルだ。が、
 
1> 展示ブースには「航母殺手(空母キラー)」の文字が躍り、注目を集めた。
 
と報じられる超音速艦対艦ミサイル「雄風(Hsiungfeng)3」に改良を加え、
 
2> 艦対艦ではなく地対艦型で、
3> 射程距離も長く、
4> より大型の弾頭を搭載できるという。
 
等と報じられておれば、斯様な発想も働こうと言うもの。その意味では当ブログ記事は、AFP通信に美事に誘導された記事と言えよう。
 
 さはさりながら、
 
 Jane年鑑などでは艦対艦型の「雄風(Hsiungfeng)3」の射程は150km~200km。弾頭重量も対艦ミサイルとなれば凡そ150kg~200kgであろう。なおかつ報じられるとおりこれよりも長射程且つ大型弾頭と言う事は、普通はより多くの燃料を意味するから全長が艦対艦型より長くなる筈だ。高密度燃料で「同じ燃料容積でもより長射程を狙う」と言う方法もあるが、それによる射程延伸は大した効果ではないから、弾頭がより大型になるならば燃料容量増加=全長増加は必至だろう。
 
 報道写真に見る通り、横抱き固体ロケットブースターが「雄風(Hsiungfeng)3」の特徴であるから、後付固体ロケットブースター(*4)よりも全長(*5)は短く出来ているから、多少伸ばしても問題ないのだろう。
 
 「空母殺し」と言う名前は、中国で開発中といわれる謎の対艦弾道ミサイルDF21にも奉られた仇名。台湾の「雄風(Hsiungfeng)3」に中国のDF21ほどの過激さ派手さはないが、ワリャーグにせよ中国国産空母にせよ中国空母を殺すのには「雄風(Hsiungfeng)3」で事足りるとする自由中国の判断が見て取れる。
 
 そう言う意味では報じられる「地上発射型雄風(Hsiungfeng)3」は、我が国にとっても有効な兵器と言える。或いは、空自の超音速空対艦ミサイルXASM-3に固体ロケットブースタを付与して(*6)地上発射型を開発するか。
 
イメージ 1
    
F-2左翼に搭載した白いのがXASM-3。右翼の方はASM-2らしい
 
 わが陸上自衛隊の地対艦ミサイルは、未だに「初代地対艦ミサイル」たる88式地対艦誘導弾が現役バリバリで、後継たるSSM-1(改)の配備さえこれからと言う状況だから、「新型超音速地対艦ミサイル」の導入や開発なんて思いもよらない時期かも知れないが中国の空母配備と言う現実は、そんな事情を斟酌してくれないぞ。
 
イメージ 2
                                         未だ配備されないSSM-1(改)
 
 対艦ミサイル造れぇぇぇッ!
 

<注釈>

(*1) 何と言い換えようと合併であり、併合であり、併呑であり、侵略である。
 
(*2) 因みに、台湾側が伝説的とも言える圧勝をしたのでも有名。
 
(*3) 「相互に砲撃」と言うのが南北朝鮮と違うところだね。「半島とは違うのだよ。半島とは。」
 
(*4) の超音速対艦ミサイルと言うと・・・フランスで開発されかけたASMP対艦型と、インド・ロシア共同開発中のブラーモスぐらいしかないか。我が国開発中の超音速空対艦ミサイルXASM-3を地発や艦発にするなら、やはり後付ブースターを追加する可能性が高そうだが。
 
(*5) 5.1mとされる。
 
(*6) 後付でも、横抱きでも構わない。手っ取り早いのはぶら下げレールランチャに横抱きブースタだろうが、その( 既存地対艦ミサイルと同様の)6連装ランチャーって、幅を取りすぎて車載できそうにないぞ。4連装化かな。