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 些か旧聞に賊するが、以下に転載するのは中国が先頃試験航海を実施した、中国初の空母に関する産経の報道。
 
 同空母は元ソ連空母「ワリャーグ」で、中国が買い取って改装した艦。
 「ワリャーグ」という名はソ連・ロシア海軍に伝統的な艦名だが、我が国にとって縁起の良い=ロシアにとっては縁起の悪い名前だ。2代ばかり前のロシア軍艦「ワリャーグ」は、日露戦争劈頭の仁川海戦で我が「浅間」以下巡洋艦隊のタコ殴りにあい(※1)、砲艦コレーツ共々仁川港内に自沈した艦の名前である。
 無論軍艦というモノは他国に転売されたり鹵獲されたりすると改名されるのが通例で、この元ソ連空母「ワリャーグ」にも中国名「施琅 Shilang 」と言うのが付けられているのだが、産経は「ワリャーグ」としか表記しないのは、我が国としての縁起を担いだか、「早く仁川に沈んでしまえ」という呪詛を狙ったものだろう。
 

 

<注釈>

(※1) 言って置くが、このときの「ワリャーグ」は2等巡洋艦だ。決して「タコ殴られ」放しにはならないはずだったが・・・1500発以上の発砲で1発も我が艦隊に当たらなかったというのだから、命中率は0.1%を切っている。
 
転載開始=============================================
 

ロシア、オランダ製にそっくり…技術寄せ集めの中国空母 独自開発進めば脅威にも

8月6日、大連港のドックに停泊中のウクライナ製空母「ワリヤーグ」=中国遼寧省(共同)
 中国初の空母が8月10日、試験航行の段階に入り、改修された新しい装備の実態が明らかになってきた。ウクライナ製「ワリヤーグ」の船体を基礎に自主開発を加えた空母だが、ロシア製やオランダ製などとそっくりの装備が目立ち、日本の新幹線技術などを導入した高速鉄道の開発と同じ「各国技術の寄せ集め」との指摘も出ている。
 レーダーや電子機器などハイテク装備が集中するのは甲板中央の艦橋。最上部には広域を監視できる対空捜索レーダーが煙突のように突き出ているが、「ロシアのFREGATレーダーの明らかなコピー」(軍事評論家、多田智彦氏)だ。
 また船の後部に30ミリ機関砲を備えていることが判明したが、中国メディアは「オリジナルはオランダの設計」と伝えている。(※1)
 舷にはミサイル発射機が設置されているのが見えたが、これも「米国とドイツの共同開発の近距離ミサイル発射機に似ている」(多田氏)(※2)。左舷には、艦載機の着陸誘導に不可欠の「光学着艦誘導装置」が設置されていることが確認できたが、米空母ジョージ・ワシントンなどの装置と似ているという。
 また空母の要となる艦載機は国産の戦闘機「殲15」で、現在遼寧省瀋陽市で開発中だが、この戦闘機はロシア製「スホイ33」とうり二つだ。
空母の保有は長年の悲願で、ウクライナが1992年、資金不足でワリヤーグの建造を中止し、売却を検討した際、中国はすぐに獲得に動いた。しかし米国は軍事技術の流出を懸念してウクライナに圧力をかけ、エンジンなど大半の装備を取り外し、「抜け殻」として売却された。このため中国は船体構造図などをウクライナからひそかに入手して改修を進めたといわれる。
 ワリヤーグは試験航行が順調に進めば、来年10月1日の国慶節(建国記念日)に合わせて就役するともいわれている。多田氏は「コピーが多いのは確か。ただ現段階での技術レベルは低くても、運用しながら近い将来、独自の装備品を開発する可能性がある。中国は資金と人材が豊富で、次のステップが恐ろしい」と指摘した。(共同)

目的はエンジンテスト/撮影防止に外国記者拘束

 中国の通信社、中国新聞社によると、中国海軍の専門家は8月10日、中国初の空母が遼寧省大連沖で始めた試験航行について「主な目的はエンジン系統の性能検査で、機器の作動状況を調べる」と語った。
 この専門家は「出港がきょうになったのは、試験航行海域が台風の影響を受けたため」とも述べ、当初の予定より出港が遅れたことを示唆した。
 また遼寧省海事局は試験航行実施のため10日から14日まで黄海北部海域で船舶の航行を制限する通告を出した。
 一方、10日朝、大連市内のホテルで空母を撮影するため宿泊していた外国人記者らが相次いで公安当局により一時的に拘束された。出港の様子を撮影させないための措置とみられる。(共同)

<注釈>

(※1) と言う事は、中国自らが、こいつはGoal Keeper CIWSのパクリであると、公言している訳だ。
 
(※2) って事は、RAMかSea RAMの事だろうが、固有名が出てこないのは何故だろう。商品名だからか?
 

複数の空母戦闘群配備へ 歯止めなき中国の党・軍産複合体 国内は国威発揚に沸く  

中国遼寧省大連港に接岸中の空母「ワリャク」=5日(共同)
 【北京=山本勲】中国がウクライナから購入した旧ソ連製空母「ワリヤーグ」(約7万トン)が、10日から渤海湾で初の試験航行を始めた。中国は将来的に、4~6隻(原子力空母を含む)の空母配備を計画しているもようだ。ソ連崩壊にもつながった巨額の軍事費を投入し、米国に対抗しうる海洋覇権の確保をめざすわけだが、国内は国威発揚に沸いている。
 共産党と軍・産業界が一体となった大規模軍拡はとどまるところを知らない勢いだけに、それ相応の戦力を整備する可能性が大きい。日本にとっても、日米同盟を基軸に中国周辺諸国との連携が一段と重要になってきた。
 中国の政府・軍幹部が空母建造の意向を明確に示しだしたのはこの数年のことだが、準備は1970年代から始まっていた。85年にオーストラリア海軍の退役空母メルボルンを購入。90年代にはロシアからキエフ、ミンスクを購入するなどして内部装備の研究を進めた。
 並行して遼寧省に空母への戦闘機発着を想定した訓練基地を作り、パイロットの養成を始めている。中国を大混乱に陥れた60年代の文化大革命中も核・ミサイル開発は影響を受けなかったように、軍建設は長期の計画、戦略に基づいて着実に進めてきた。
 ワリヤーグは来年夏にも訓練用空母として就役するとみられている。今回の試験航行は空母を中心に艦隊、艦載機などから成る空母戦闘群の建設、配備に一定のめどをつけたことを示していそうだ。
 すでに上海・長興島の江南造船所で通常型空母の建造が始まっているとみられ、2010年代半ばにも完成の見込みとされる。
 米議会調査局の報告によると、中国は20年をめどに最大6隻の空母建造を計画。当初は4万トン程度の通常型空母、続いて6万~7万トン規模の原子力空母の建造を目指しているという。
 原子力についてはこの数年来、就航した商級、晋級の潜水艦で放射能漏れなどのトラブル発生が噂されており、未知数の部分もある。
 とはいえ、世界一の外貨準備を備え、共産党と軍・産業界が一体で進める軍拡の実績と、勢いは侮れない。
 当面の中国の目標は遠海での米空母戦闘群との対抗ではなさそうだ。(1)米軍に対しては、長中短のミサイル網強化で台湾海峡からグアムに至る近海への接近を阻むことを最優先する(2)空母戦闘群は東シナ海から台湾海峡、南シナ海、インド洋、中東までの海域で、当該国に対する軍事的優位を確保し、領土・領海や海洋資源確保のための覇権拡大をめざす-ことが考えられる。
 中国にこうした戦略をとられれば、(1)日本は東シナ海の資源開発や尖閣諸島の主権擁護で(2)台湾は“独立状態”にある現状の維持で(3)東南アジア諸国は南シナ海の権益争い-で、それぞれ劣勢に立たされよう。
 それだけに周辺国は10年後に備え、米・アジアの多国間安保連携を強める必要がある。
 空母戦闘群の本格配備で中国の軍事費は長期間、2ケタ増を続けるのは必至とみられる。周辺国が結束し、中国に特定地域、海域に戦力を結集させない体制を築くことが肝要だ。

「真の脅威」は国産 中国の空母試験航行 抑止へ日米連携カギ 防衛省・自衛隊 

中国遼寧省大連港に接岸中の空母「ワリャク」=5日(共同)
 防衛省・自衛隊は、ワリヤーグの試験航行を冷静に受け止めており、むしろ現在建造中の中国初の国産空母を「真の脅威」としてその動向を注視する。2015年ごろをメドに第1列島線(九州-台湾-フィリピン)内の制海権確保を狙う中国は、国産空母をその海洋戦略の中核に位置付けているからだ。
 「国産空母は早ければ14年ごろ就航するはずだ」
 海自幹部はこう打ち明ける。ワリヤーグは米軍の警戒網が薄い南シナ海と黄海で試験航行を続けるとみられるが、国産空母は就航直後から遠洋に出す公算が大きい。その時点でワリヤーグも作戦用に改め、空母2隻態勢で第1列島線内を「中国の海」とし、米空母戦闘群の「接近阻止」をもくろんでいるとされる。
 遠洋訓練も空母を中心にした陣形となる見通しだ。空母周辺の上空で航空優勢を確保するため、地上配備の戦闘機が支援する必要があり、中国空軍はレーダーに捕捉されにくい最新鋭ステルス機を17年に実戦配備する予定だ。
 この時期までに日米はどんな態勢を構築できるか。
 まずは空母を中国沿岸部に封じ込める上でカギを握るのは潜水艦となる。海自は現行の16隻から20隻台に増強する方針だが、いかに日米の潜水艦作戦能力を向上させるかがカギとなる。
 中国空母のスキージャンプ台方式の欠点を突くことも重要となる。この形状の空母はE2Cのような早期警戒機を艦載できず、遠洋での上空監視能力が低下するからだ。超低高度で接近する戦闘機の対艦ミサイルによる攻撃には脆弱(ぜいじゃく)だとされ、航空自衛隊の攻撃能力のさらなる向上が喫緊の課題となる。
 中国の接近阻止に対し、米軍は海・空戦力を一体運用する「統合エアシーバトル」で対抗する構え。米空軍はグアムの戦略拠点化を進め、ステルス戦闘機のF22、F35を配備するとみられる。嘉手納基地(沖縄)にF22、三沢基地(青森)にF35の配備も想定する。空自は空中給油能力をさらに充実させ、米空軍の作戦支援機能を高めることが必要となる。
 だが、空自の次期主力戦闘機(FX)は17年3月までの完成機納入を予定しながら、いまだに選定が進んでいない。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題も先送りされたまま。これら政治案件が膠着(こうちゃく)したままでは、対中抑止に大きな穴が開きかねない。(半沢尚久)
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http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35805969.html  へ続く