応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
私の反巨大ロボット論
アニメや特撮の一部では未だに大いに羽振りがよいようであるが、私は昔から「巨大ロボット」と言う奴が嫌いだ。あれほど理不尽な兵器も珍しいからだ。
某重工が客寄せ=新人リクルートの為に仮想開発計画を出しただとか、その歴史が鉄人28号やその名もジャイアント・ロボ(※1)にまで遡れようが、理不尽なものは理不尽である。だから、現実世界では巨大ロボット兵器なぞ、影も形もない。二足歩行の困難さもさることながら、「巨大で歩く移動体」に威嚇効果(※2)以上の利点は見いだしがたい。況わんやそれが「陸上を歩く巨大な兵器」と来た日には、ナンのための歩行でナンのための巨体かが全く意味不明である。戦車が車高を2mに抑えようと必死こいているのは「従来技術の延長だから」と納得するにしても、身長17mだの57mだの、正気の沙汰とは思えない。
ましてや、その巨大な歩く兵器を「汎用人型決戦兵器」と称するなぞ、言語道断であろう。第一、「汎用」かつ「決戦兵器」という時点で言語矛盾だ。決戦というのはごくごく特殊な状況であり、海戦史上で決戦が生起したのは実に日露戦争の日本海海戦が最後の事例である(※3)。従って決戦兵器が、汎用な訳がない。その上に人型だと?
上記の議論からおわかりだろうが、私は巨大ロボットを嫌う上に、一世を風靡したと言っても良い、通称「エヴァ」ことエヴァンゲリオンが特に嫌いだ。(※4)
そのエヴァンゲリオンに登場するのに「ヤシマ作戦」というのがあるそうだ。何でも敵を仕留めるための必殺兵器としてエヴァンゲリオンの操作する陽電子砲なるモノを使う作戦なのだが、この陽電子砲、使うのに日本全国の全電力が必要というシロモノ。作戦実効にあたり、夜間の光り輝く日本列島が次々と照明を消し「計画停電」に入る様が、アニメで描かれている。(※5)
一体どの面下げてこの兵器の開発責任者は「この兵器には、日本の全発電力が必要です。」とイケシャアシャアと抜かしたのか、ぞこも是非アニメ化して欲しいところではあるが、それは兎も角、この「ヤシマ作戦」の名の下に、「東日本大震災の被災地に電力を送るために節電しよう」と言う運動があり、相応の成果も上がっていると言う。無論、現実の日本には「エヴァ」世界と違って( 多分)東西の周波数が異なるため、西日本の節電分はダイレクトに被災地には届かないし、そうでなくても菅直人の思いつき「原発停止要請」「ストレステスト強行」「脱原発宣言(個人的考え)」等で、「日本全国何処でも電力不足」になりつつあるのであるが、ヤシマ作戦( 此方側の。エヴァ世界のではなく)の意気や壮とすべきであるし、その意味で「日本の全電力を一カ所に集めて兵器に活用する」というヤシマ作戦(エヴァ側の)のコンセプトには一定の意義を認めるべきだろう。
<注釈>
(※1) 或いは、手塚治原作のマグマ大使も、一種の巨大ロボット特撮と見なせる。(※2) そう、特撮映画「大魔人」のような。(※3) 急いで付け加えるならば、「決戦を生起させよう」という試みは、第1次大戦でも第2次大戦でも見られた。が、生起していない。(※4) 尤も仄聞するところでは、あれば巨大ロボットではなく、生体兵器であるという説もあるらしいが・・・二足歩行の問題に新たなアプローチがありそうだが、「汎用」の「決戦兵器」としての「人型(それも巨大)」のメリットを説明するものではない。(※5) 断って置くが、電機屋の店頭で見たきりだから、うろ覚えかも知れない。が、インパクトのある絵だ。そうそう間違うまい。
防衛力としての電力
現実世界には陽電子砲なんて物は未だ無いし、軍隊という物は独自自存で動くのが原則であるから、自衛隊の施設が商業電源を使うことはあっても、商業電源が断たれたから砲撃が出来ないとか、ミサイルが撃てないと言った事にはならない。発射プラットフォームの電源なり、外部の電源車両なりが電力は確保している。
だが、艦艇の発電容量が増大し、米軍の新型艦艇では統合型電気推進なんて物が登場してきていることは、軍にとっての電力供給が益々死活的問題になっていることを意味する。
さらには、現状では未だ開発途上ではあるが、レーザー砲或いはレールガンなどが登場してくれば、これらへの電力供給は、射程や威力にダイレクトに影響する事になる。また、これらに対して、艦艇や航空機搭載兵器ならば兎も角(※1)、地上兵器として何処まで電源車のディーゼル機関等で電源供給できるかは、相当厳しくなってくるだろう。
軍が自前の発電所を持つ覚悟があるならば兎も角、「商業電源による直接的な防衛」、例えばレーザー砲への優先的電力供給等という、「小ヤシマ作戦」とも呼ぶべき選択は、将来的にはあり得ることと考えるべきだ。
だが、艦艇の発電容量が増大し、米軍の新型艦艇では統合型電気推進なんて物が登場してきていることは、軍にとっての電力供給が益々死活的問題になっていることを意味する。
さらには、現状では未だ開発途上ではあるが、レーザー砲或いはレールガンなどが登場してくれば、これらへの電力供給は、射程や威力にダイレクトに影響する事になる。また、これらに対して、艦艇や航空機搭載兵器ならば兎も角(※1)、地上兵器として何処まで電源車のディーゼル機関等で電源供給できるかは、相当厳しくなってくるだろう。
軍が自前の発電所を持つ覚悟があるならば兎も角、「商業電源による直接的な防衛」、例えばレーザー砲への優先的電力供給等という、「小ヤシマ作戦」とも呼ぶべき選択は、将来的にはあり得ることと考えるべきだ。
<注釈>
(※1) 水に浮き、空を飛んでいるこれらは、自前の発電器で何とかしなければならない。艦艇の一つの選択が、推進機関と発電機の統合である統合電気推進だろう。
予備・余剰の致命性
此処で議論を転じて「予備・余剰」という物について考えてみよう。
「余剰」と言うぐらいだから「余っている物、過剰な物」であり、「本質的・根元的・最小限としては不要な物」というニュアンスは否めない。特に昨今の厳しい経済情勢や、政府が唱える電力安定供給策が「節電と自家発電」と言う、厳しいと言うよりは慄然とするほか無い電力事情(※1)においては尚のこと。それこそ「仕分け」対象でカットされかねない。
しかしながらその「仕分け」の「二番じゃいけないんですか」理論が決定的に破綻したのと同様に、「予備・余剰」という物は、少なくとも見方によっては「必要不可欠」なのである。その見方の一つが、軍事的・軍隊的視点から見た場合だ。
考えても見よ。軍隊という物は、戦時・有事ともなれば、その組織の人員・装備が破損・死傷することを前提としなければならない組織だ。一般の会社組織官僚組織なんぞより遙かに冗長性が求められ、バックアッププラン・コンティンジェンシープランが求められる。従って軍隊・軍事的視点からは、「予備・余剰」はあって当たり前。無ければ不思議、どころか無しで済まそう等という指揮官は、「百戦百勝の鋼鉄の霊将」であったとしても、無能な指揮官と断じて間違いない(※2)。
であるならば、前章で論じたとおり、電力(※3)の防衛的重大性が今後さらに増すと予想されるのであるから、今後、今で言うところの「余剰電力」は、電力供給の予備兵力としてその意義を増すのに違いないのである。
それ即ち、現状、「電力需要に合わせた電力供給の為の制御用マージン」と考えられている「10%の余剰電力」では足らなくなるであろう、と言うことであり、有事に備えた余剰電力と有事の際でも確実な電力供給が求められると言うことだ。
原発止めて「ナンとか電力不足に陥らず、乗り切っている。」などと呑気に寝言言ってる場合ではない、と言うことだ。
「余剰」と言うぐらいだから「余っている物、過剰な物」であり、「本質的・根元的・最小限としては不要な物」というニュアンスは否めない。特に昨今の厳しい経済情勢や、政府が唱える電力安定供給策が「節電と自家発電」と言う、厳しいと言うよりは慄然とするほか無い電力事情(※1)においては尚のこと。それこそ「仕分け」対象でカットされかねない。
しかしながらその「仕分け」の「二番じゃいけないんですか」理論が決定的に破綻したのと同様に、「予備・余剰」という物は、少なくとも見方によっては「必要不可欠」なのである。その見方の一つが、軍事的・軍隊的視点から見た場合だ。
考えても見よ。軍隊という物は、戦時・有事ともなれば、その組織の人員・装備が破損・死傷することを前提としなければならない組織だ。一般の会社組織官僚組織なんぞより遙かに冗長性が求められ、バックアッププラン・コンティンジェンシープランが求められる。従って軍隊・軍事的視点からは、「予備・余剰」はあって当たり前。無ければ不思議、どころか無しで済まそう等という指揮官は、「百戦百勝の鋼鉄の霊将」であったとしても、無能な指揮官と断じて間違いない(※2)。
であるならば、前章で論じたとおり、電力(※3)の防衛的重大性が今後さらに増すと予想されるのであるから、今後、今で言うところの「余剰電力」は、電力供給の予備兵力としてその意義を増すのに違いないのである。
それ即ち、現状、「電力需要に合わせた電力供給の為の制御用マージン」と考えられている「10%の余剰電力」では足らなくなるであろう、と言うことであり、有事に備えた余剰電力と有事の際でも確実な電力供給が求められると言うことだ。
原発止めて「ナンとか電力不足に陥らず、乗り切っている。」などと呑気に寝言言ってる場合ではない、と言うことだ。
<注釈>
(※1) その相当部分は、「脱原発(個人的)宣言」初めとする無策無能振りで原発を呈しし続けるゾンビ首相・菅直人に帰されるべきだが。(※2) 圧倒的な勝利でも、燃料や弾薬は消耗するし、兵も疲弊する。(※3) 此処で言うのは商用電力であるが。
安定した電力は戦力である
さらには、電力総量もさることながら、安定した電力供給、即ち「計画停電のない、勿論計画していないような停電もない」電力供給の重大性・致命性も今後増して行くであろう。それは無論、現状でも極めて重要である。
なかんずく、コンピュータネットワークを介しての攻撃、いわゆるサイバー戦争や、そこまで行かずとも米国が強調するNCW=ネットワーク中心戦に於いても、安定しない電力供給では全く太刀打ちできないのであるから。
言い換えれば、ゾンビ首相の菅直人が支持率アップと延命狙って思いつきで打ち出している数々の電力供給不安定化策は、日本の防衛にとっても重大な危機なのである。
喩えそいつが、「新エネルギーの普及促進」だの、「脱原発」だのの、きらびやかな衣装を纏っていたとしても。
巧言麗色、少なきかな仁。
なかんずく、コンピュータネットワークを介しての攻撃、いわゆるサイバー戦争や、そこまで行かずとも米国が強調するNCW=ネットワーク中心戦に於いても、安定しない電力供給では全く太刀打ちできないのであるから。
言い換えれば、ゾンビ首相の菅直人が支持率アップと延命狙って思いつきで打ち出している数々の電力供給不安定化策は、日本の防衛にとっても重大な危機なのである。
喩えそいつが、「新エネルギーの普及促進」だの、「脱原発」だのの、きらびやかな衣装を纏っていたとしても。
巧言麗色、少なきかな仁。
如何に、国民