応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
 
 以下の先行記事に於いて私は、菅直人がその思いつき、と言って悪ければ独断を以って浜岡原発を筆頭に我が国の原発を停止ないし再稼動の目出を立てない事態に追い込み、ために生じると予想される電力不足に対する対策として (1)企業の自家発電の活用 (2)節電 しか挙げていないという、如何にゾンビ首相といえども、否、ゾンビ首相であるが故に許し難い無策ぶりを糾弾した。ついでに言えば、その無策ぶりを糾弾して菅直人ブログの「ご意見箱」に投稿したが、案の定梨の礫だ(*1)。 
ゾンビ首相のふざけたブログ http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35619990.html
 で、こちらがその問題のブログ ⇒ 先を見すえて/菅直人直筆のページ  ストレステスト導入の背景にある、問題の本質  http://kanfullblog.kantei.go.jp/saki_wo_misuete/
 
 理由は上記記事にも記したが、上記(1)自家発電の活用 も 上記(2)節電 も、政府の施策ではなく、単に「電力会社が供給しなければならない電力需要の圧縮」でしかない。それらで以ってこの夏の電力不足をナントカ凌いだとしても、それは「政府の施策の結果」どころか「努力の賜物」ですらない。であると言うのに、これらの「施策」で以って電力の安定供給と言う政府の責任を果たそうと言うのだから、他人の褌借りて他人の功績盗むのにも、程があろうと言うものだ。
 
 だが、そうは問屋がおろさない、と言うのが以下報じられる記事。
 先ずはご一読願おうか。
 

<注釈>

(*1) 尤も、産経新聞が「永久機関」に騙された似非科学記事に対しても投稿したが、やっぱり梨の礫、だが
転載開始==============================================================================

(自家発電余力わずか116万キロワット 首相が発掘指示、危うい脱原発露呈 

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110715/biz11071501300000-n2.htm
2011.7.15 01:28
 菅直人首相が13日の会見で打ち出した「脱原発依存」の危うさが早くも露呈した。菅首相は、今夏や今冬の電力需要を賄えるめどがついたと表明したが、その根拠となっているのが、企業などが保有する自家発電設備のフル活用だ。ところが、経済産業省の調査では、新たに供給できる余力は、新型原発1基分の116万キロワットしかないことが分かった。菅首相は、さらなる「発掘」を指示しているが、大幅な積み増しは困難な状況だ。
 首相は13日の会見で「国民の生活に必要な電力供給は政府の責務」と胸を張った。その頭の中には、“埋蔵電力”による供給力の上積みがあるようだ。
 今月上旬に首相は、稼働可能な自家発電設備の調査を経産省に指示。だが、会見の前に報告されていた結果は、とても首相を満足させる内容ではなかった。
 調査によると、沖縄を除く全国3141カ所の自家発電の総出力は今年3月末現在で5373万キロワットに上る。このうちすでに電力会社に販売している卸電力事業者の設備が1928万キロワット分を占めるほか、電力会社と売電契約を結んでいる工場などの設備も約260万キロワット分ある。
 残りは約3200万キロワットだが、自社工場などで大半を使用しているほか、すでに廃止になっていたり、電力網に接続されていなかったりする設備が多く、新たな供給余力はわずか116万キロワットしかなかった。
 それでもあきらめきれない首相は再調査を命令。経産省は、すでに聞き取りを行った事業者を含め、自家発電を認可した全3千社にファクスなどでアンケートを送付した。
 もっとも、これ以上の発掘は難しそうだ。東京電力では、すでに自家発電を持つ企業から160万キロワットを買い取っているが、「電力使用制限令で企業も自家発電への依存を高めており、これ以上は難しい」(藤本孝副社長)としている。
 情報処理や機器の冷房に大量の電力を使うデータセンターの運営会社の担当者も「そもそも自家発電は緊急時に備えた電源で、電力会社に売ることは想定していない」と困惑する。
 全国54基の原発のうち35基が停止し、稼働中の原発も定期検査で次々に停止していくなか、1基分の余力では“焼け石に水”だ。
 「特別会計の埋蔵金にも十分に切り込めなかった。まして電気など出るわけがない」。大手エネルギー会社の首脳は、安定供給のめどもなく、“脱原発”にのめり込む首相にこう吐き捨てた。
==============================================================================転載完了

思いつきが「瓢箪から駒」になることは滅多にない

 アイディア、思いつきと、発想と言うのが案外大事だと言うのは論をまたないだろう。新たな着眼点、考え方が発明・発見となって人類の科学技術に貢献した例も数多ある。
 
 だがそれは、「思いつき」が「思いつき」に止まらなかったからだ。そのアイディアを検証し、その発想を具現化し、その「思いつき」を形あるモノや理論体系、少なくとも仮説にまで纏め上げる努力と裏打ちを怠らなかったからだ。
 
 これに対して散々報じられる管直人の「脱原発依存」宣言は、浜岡原発停止「要請」から上記ブログ記事、果ては派手にぶち上げた記者会見まで、一貫して「思いつき」以上のものが全くない。市井の一論客としての言説としても、これでは全く説得力不足で、せいぜいがアジ演説にしかなりようがない。
 
 尤も、喩え説得力不足のアジ演説であっても、市井の一論客ならぬ日本国首相と言う肩書きを持つ者が言えば、その「思いつき」から「瓢箪から駒」と言う事はありうる。菅直人政権発足以来最大にしてほぼ唯一の功績「東日本大震災救援復興自衛隊10万人大動員」なんてのはその事例だろう。だが、どうも菅直人はこれで「思いつきだけでもナントカなる」と思い込んだのか、その後の福島原発事故対処にしても、それ以上に当人にとっては重大事であろう「政権延命」にせよ、「思いつき」の連発で、「思いつき」しか示していない。
 
 勢い、その言説はアジ演説に堕する。そう、「堕する」と私は表現した。日本国首相と言う立派な肩書きを持つ者が、アジ演説を打ち、アジ演説しかぶたない様ならば、日本国首相としても、日本の民主主義としても、「堕する」としか評し様がないではないか
 
 況や、菅直人は辞任するそぶりを見せて不信任案可決を免れたゾンビ首相。ゾンビ首相の思いつきだけの言説では、最早「瓢箪から駒」さえ望めまい。
 
 であるならば、幾ら朝日新聞とそのOBに受けが良かろうとも、菅直人の「脱原発」だか「脱原発依存」だかも実質、否、実害の無いものにならざるを得ず、また、なるべきなのである
 
 実際そうなっていると言うのが上掲報道記事。題材は菅直人が驚くべき事に「安定した電力供給」のための手段と称した「自家発電の活用」である。これについては、「原発数十基分ある」などと言うまことしやかな噂ガネット上にはあり、ゾンビ首相の菅直人もこの噂を知ってか知らずか大いに期待した(*1)公算大なのだが、今更かき集めても原発1基分にしかならないというのが報道。当然ながら、休止している原発の代替になぞなりようがない。
 
 大体、一寸考えればわかりそうなものだ。企業ナリ個人なりが所有する自家発電設備を、緊急時用として常用しないのは、動かす手間、燃料補給する手間や運転時の騒音振動もさることながら、発電コストが電力会社から買うよりも高くつくからであることはほぼ間違いない。電力会社から電気を買うより安く付くならば、コスト削減に血眼に成っている日本の企業がこれを動かさない手はないのだから。

 であるならば、仮に管直人の大甘予想通りかそれ以上(*2)に「埋蔵電力」即ち電力会社以外の自家発電能力があったとしても、その「埋蔵電力」の発掘は、高コスト電力の増加と言う事であり、さらに仮に自家発電電力の余剰分を電力会社が買い上げるならば、それは菅直人肝いりの「再生可能エネルギー法」に於ける太陽光発電電力と同様、高価買い上げしなければならなくなる。
 而して、そんな自家発電電力高価買取法と言う新たなバラマキ政策が成り立つまで、態々高コストになるとわかっている自家発電電力を使おうと言う者は少数派であるし、幾ら菅直人がアジッたところで多数派になる気遣いはない。
 
 逆に言うと、抱き合わせになってしまう「自家発電電力高価買い上げ法」に言及も着想もすることなく「企業の自家発電の有効活用」などといったところで、それは掛け声倒れにしか終りようがない。せいぜいが、政府の無策に拠る電力不足の責任を、民間が偶々保有していた自家発電能力に尻拭いしてもらうに過ぎない。
 
 統計上の自家発電能力に如何に余裕があろうとも、自家発電のほうが高コストであれば、上記の事態は変わらない。この場合は仮にネット上の噂どおり、原発数十基分の自家発電能力があろうとも、同じ事だ。
 
 もし自家発電のほうが低コストならば、既に相応の企業は自家発電を活用している筈だ。
 
 と考えれば、管直人の「自家発電で安定した電力供給」と言う施策が、浅慮で、浅薄で、場当たりな、思いつきであることは余りに明白である
 
 上記報道の通り、「埋蔵電力」が少なくて幸いだ。充分な「埋蔵量」があった日には、管直人の口先だけの「脱原発」実績で、更なるゾンビ期間延長が目論まれたろうし、朝日辺りがその「実績」を絶賛したであろう事も、間違いない。
 
 尤も、菅直人は今もなおそのゾンビ期間を延長し続けている。
 
 如何に、国民。
 

<注釈>

(*1) そうでなければ、節電と並ぶ「電力の安定供給のための手段」等と言わないだろう。無論、それは、先述の通り、他人の褌も良いところなのだが。
 
(*2) そう、ネット上の一部噂になっているように。