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 福島県南相馬市から出荷された牛肉から国の基準を超える放射性セシウムが検出され、その一部が流通し、消費されたと言う報道を、各紙時系列順(ほぼ)に以下並べた。
 
 先ずはご一読願おうか。
 
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朝日 南相馬から出荷の牛肉、セシウム検出 基準の4.6倍 

 http://www.asahi.com/national/update/0709/TKY201107080733.html
関連トピックス原子力発電所
 東京都は8日、福島県南相馬市内の畜産家が出荷した黒毛和牛1頭の首部の肉から、国の基準(1キログラムあたり500ベクレル)の4.6倍にあたる2300ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。同じ畜産家が出荷した残り10頭についても検査をしたところ、9日、すべてから3200~1530ベクレルの同セシウムが検出された。都によると、牛肉から基準を超える放射性物質が検出されたのは初めて。
 計11頭は、食肉処理後にすべての肉が加工施設内に保管され、流通していない。福島県は9日、県内の畜産関係団体などを緊急に集め、出荷自粛など今後の対応を協議する。出荷自粛の対象地域を、南相馬市以外に拡大するかどうかや、えさの管理の在り方について検討する。
 都の説明では、中央卸売市場食肉市場・芝浦と場(港区)で食肉処理後、放射能検査を実施した。
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産経 【放射能漏れ】「健康に影響するレベルでない」 セシウム検出の福島産肉牛

  http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110712/dst11071201150002-n1.htm
2011.7.12 01:14
 福島県南相馬市の農家が出荷した肉牛から最大で暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)の6・4倍にあたる3200ベクレルの放射性セシウムを検出。同じ農家が出荷し、一部で消費された別の肉牛も基準値を超えていたことが判明し、消費者からは健康被害を心配する声が上がった。ただ、専門家は「流通しているものをたまたま食べても健康に影響はない」との見方を示す。
 国の定める暫定基準値は、基準値レベルで汚染された食品を1年間継続的に摂取しても問題のない数値で設定している。食肉の場合、汚染された同じ牛を繰り返し食べ続けることは考えにくいため、厚生労働省は「健康へ影響を及ぼすことはない」としている。
 立命館大の安斎育郎名誉教授(放射線防護学)によると、1キロ当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出された肉を200グラム食べると、被曝(ひばく)線量は0・0016ミリシーベルトになる。今回最も数値が高い牛肉(3200ベクレル)で換算すると0・01ミリシーベルトだ。安斎教授は「毎日食べている食事にはカリウム40という天然の放射性物質が含まれており、人はカリウム40で年間0・2ミリシーベルト被曝している。0・01ミリシーベルトはこの20分の1。何回か食べても、放射線が目に見えて健康に影響するレベルではない」と話す。
 ただ、「消費者にとっては、行政が定めた基準値が守られていなかったということが深刻な問題。安全だといわれるほかの食物も汚染されているのではないかと不安になる」とも指摘。日本分析センターの池内嘉宏理事は「汚染しているかどうかは肉自体を調べなければ分からない」と検査の重要性を訴えている。
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読売 セシウム汚染牛流通、原発周辺出荷の全頭検査へ

 福島県南相馬市の農家が出荷した肉用牛11頭から国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、同じ農家が原発事故後に出荷した別の牛の肉が少なくとも10都道府県に流通し、一部は消費されていたことが11日、東京都などの調査で分かった。
 一方、農林水産省と福島県は同日、この農家の稲ワラから規制値の約57倍に相当する同セシウムを検出したと発表。県は、原発周辺の緊急時避難準備区域と計画的避難区域の全牛農家約230戸の出荷した全頭を対象に、肉の放射性物質の検査を行う方針を決めた。
 南相馬市の農家は、11頭を出荷する前の5月30日から6月30日までに6頭の牛を東京・芝浦の食肉処理場などに出荷。都が流通先に残っていた肉を調べたところ、1頭から最大で規制値の6・8倍となる1キロ当たり3400ベクレルの同セシウムが検出された。
 業者の保管する伝票類を調べたところ、東京、神奈川、大阪、静岡、愛媛の5都府県の卸売業者や小売業者に流通していたことが判明。さらに、愛媛県などの卸売業者を通じ、北海道、千葉、愛知、徳島、高知県の業者にも渡っていた。
(2011年7月12日03時07分  読売新聞)
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毎日 放射性物質:セシウム汚染牛肉9都道府県流通

  http://mainichi.jp/flash/news/20110712k0000m040112000c.html
 
 福島産の牛肉から放射性セシウムが検出された問題で畜産農家の調査をする県の職員ら=福島県南相馬市で2011年7月10日午前、小林努撮影 福島県南相馬市の畜産農家が出荷した黒毛和牛11頭から暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、同じ農家が出荷した別の6頭の牛肉が5都府県の食肉販売・卸売業者に販売されていたことが東京都の調査で分かった。さらに少なくとも9都道府県に流通し、148キロ以上が小売店などで売られたが、厚生労働省は「継続的に大量摂取しなければ健康に影響はない」としている。
 流通が確認されたのは、北海道、東京、神奈川、千葉、静岡、愛知、大阪、徳島、高知の各都道府県。
 静岡市保健所は11日、市内の業者が27.8キロの肉を仕入れ、残っていた肉から1キロ当たり1998ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表。一部は飲食店などで客に出されたという。東京都によると、都内の卸売業者が保管していた肉から、最大で暫定規制値の6.8倍に当たる3400ベクレルが検出された。
 大阪府も11日、2頭分の肉が府内を中心に流通していたと発表。うち数キロ分が贈答用として消費された可能性があるという。横浜市では小売店で52キロ分が販売された。愛媛県によると、17.6キロ分が県内の業者を通じて高知、徳島両県のスーパーに送られ、販売されたという。愛媛県内での流通は確認されていない。
 ◇餌の稲わら7万5000ベクレル
 福島県は11日、餌の稲わらから1キロ当たり7万5000ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。農家は福島第1原発事故後に屋外にあった稲わらを与えたと認めており、県は牛が「内部被ばく」したと断定。計画的避難、緊急時避難準備の両区域内にある農家約260戸から出荷される肉牛の全頭検査の実施を決めた。
 県は餌の管理状況をチェックするため、11日から両区域の立ち入り調査に着手。両区域外についても今後、立ち入り調査するとともに、1農家当たり少なくとも1頭のサンプル検査を行う方針だ。
 県の調査によると、井戸水や配合飼料には問題はなかったが、稲わらからは飼料の暫定許容値(1キロ当たり300ベクレル)を大幅に超える7万5000ベクレルの放射性セシウムが検出され、水分量を補正して計算した場合でも1万7045ベクレルに達した。
 稲わらは原発事故後、4月上旬まで水田に野ざらしで置かれていた。和牛を出荷した農家は緊急時避難準備区域内にあり、1頭当たり1日約1.5キロを食べさせていたという。
 県の調査に対し「震災後に配合飼料が手に入らなくなり、食べさせてしまった」と説明したという。【種市房子、野倉恵、小玉沙織】
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国の基準は常食した場合。偶々喰ったが何だと言うのか。

 言うもサラナリなんだが、「放射性物質についての国の基準」ないし暫定基準は、「この食品をこの濃度で常食したならば、健康に影響がでるかも知れない」レベルとして示されている。
 であるからして、よし朝日報道タイトルにある通り「基準の4.6倍」のセシウムを含む牛肉であろうとも、好き好んで毎日食うならまだしも、一度や二度偶々喰ったぐらいで何ほどの事があるものか!と思っていたら、ちゃんと産経の記事で報じられていた。
 
産1> 立命館大の安斎育郎名誉教授(放射線防護学)によると、
産2> 1キロ当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出された肉を200グラム食べると、
産3> 被曝(ひばく)線量は0・0016ミリシーベルトになる。
産4> 今回最も数値が高い牛肉(3200ベクレル)で換算すると0・01ミリシーベルトだ。
産5> 安斎教授は「毎日食べている食事にはカリウム40という天然の放射性物質が含まれており、
産6> 人はカリウム40で年間0・2ミリシーベルト被曝している。
産7> 0・01ミリシーベルトはこの20分の1。
産8> 何回か食べても、放射線が目に見えて健康に影響するレベルではない」と話す。
 
 牛肉に含まれる放射性物質濃度から、体内被曝の被ばく線量に換算し、その影響を評価する。これぞ報道のあるべき姿ではないか。
 
 一読してわかる通り、上掲記事で産経のように内部被ばく線量に換算してその影響を定量的に評価した記事はなく、「継続的に大量摂取しなければ健康に影響はない」と付記していれば良い方だ。これでは「いたずらに放射線に対する恐怖を煽るばかりのアジ報道」と言われても仕方あるまい。
 
 産経以外の他紙も、上掲以外の記事で別途正しい知識を報じているのかも知れないが・・・
 
 産経以外の各紙も、上記の通り冷静なデータ評価を報じる事を、希望する。期待は出来そうにないな。)