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 ゾンビ首相にして歩く政治空白である菅直人(*1)が、私の目には姑息としか言いようがない内閣改造・・・と言うよりは「大臣ポスト増設」を実施し、引き続いて「退陣3条件」なんて物をぶち上げやぁがッたものだから(*2)、各紙の社説が出揃ったんだか出揃わないんだか良く判らない状態になってしまった。
 
 エーイ、面倒だ。纏めて社説比較してやる!
 
 と言う訳で、今回比較するのは四大紙+産経のレギュラーメンバー五紙に東京と沖縄タイムスを加えた合計七紙。社説のタイトルとURLは以下の通り。「内閣改造人事」と「退陣3条件」の両方で社説を書いているのは産経と朝日だけだから、これはこれで興味深い比較になりそうだ。
 
(1)産経 閣僚人事 延命の悪あがきにすぎぬ  http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110628/stt11062803280000-n1.htm 
 民主党 「人災」の共犯になるのか  
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110629/stt11062903160000-n1.htm

(3)読売 首相退陣条件 復興へ政治空白長引かせるな  http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110627-OYT1T01265.htm?from=any

(4)毎日 首相退陣条件 延命優先せぬ幕引きを  http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110628k0000m070146000c.html

(5)朝日 復興関連人事―被災者を忘れてないか   http://www.asahi.com/paper/editorial20110628.html?ref=any
 退陣3条件―自民党よ大人になって  http://www.asahi.com/paper/editorial20110629.html?ref=any

(6)東京 菅内閣人事 復興推進できる態勢か  http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011062802000031.html

(7)沖縄タイムス [首相退陣3条件]復興早ければ退陣早し  http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-06-29_19852/
 
 評価項目は例によって朝日と産経の社説を読み比べて、以下の6項目とした。
 
(1)内閣改造人事に対する評価
(2)退陣3条件に対する評価
(3)菅直人に求める対応
(4)政府民主党に求める対応
(5)自民党ら野党に求める対応
(6)そのほか特記事項
 
 比較表の方は、例によって朝日の方の主張を赤字で、産経の方の主張を青字で、両紙にはない主張で各紙独自の物は太字下線で示した。今回は記事2本を取り上げた産経、朝日の例もあるので、社説タイトル、URL、掲載時期の欄は上下ニ段組とし、上段を「内閣改造人事」を取り上げた記事について、下段を「菅直人退陣三条件」に関する社説について記載した。タイトルを一応の判定基準としたが、内容的には両方に触れている社説もあるから、必ずしも明確な分類ではないが・・・内閣改造だけ社説にしたのが日経と東京。退陣三条件だけ社説にしたのが読売、毎日、沖縄タイムスと言うのは仲々興味深いグループ分けだ。
 
イメージ 1

 
 評価項目(1)「内閣改造人事に対する評価」は概して良くない。「なんとも心もとない(朝日)」はまだ良い方で、多くは自民党との対立を先鋭化し国会運営を難しくしたと非難し、産経に至っては国会運営のなんかを見越した菅直人政権の延命策だと断じる。産経から朝日まで、これだけこぞって非難される事象も珍しい。
 評価項目(1)についてユニークなところでは東京新聞の評価がある。他紙社説では触れられても居ないレンホウ行政刷新担当大臣が大臣から降格された事を取り上げ、
 
東1> 民主党の看板政策だった行政の大胆な見直しによる財源捻出が、
東2> 震災復興に向けた「増税大合唱」の中で、葬り去られたと思えてならない
 
と嘆いてみせる。それどころか、この嘆きが東京新聞社説の唯一の主張であったりする。だから比較表では東京新聞はこの評価項目(1)以外全部「(言及なし)」と言う、恐ろしいほどに薄っぺらな社説になっている。その主張が「レンホウ大臣Come Back!」なのだから、主張の中身も薄っぺらだ。成程、上記東1>「行政の大胆な見直しによる財源捻出」が民主党のマニュフェストにも大書された大看板であった事には私も同意する。が、その実行は、正にそのレンホウ”大臣”が幾たびも実演した「仕分け作業」が財源捻出には殆ど役に立たなかった時点で鍍金が剥がれ落ちており、大看板は倒れている。何を今更「レンホウCome Back」なものか。馬鹿も休み休み言うが宜しかろう。
 
 評価項目(2)「退陣3条件に対する評価」は、賛否両論と「言及なし」に三分された。触れていないのは先述の通り東京新聞と、読売、沖縄タイムスの三紙。
 
産1> 相変わらず退陣時期を明示していない。政治空白は広がる一方ではないか。
 
と真っ向から非難する産経に対し、日経は退陣三条件のうち特に再生エネルギー法について触れ、以下のように一定の正当性・理解を示す。
 
日1> 政策の方向性は間違っていないとしても、
日2> 政権延命の理由にすることには与野党を通じて批判が強い。
 
 これらに対して退陣三条件を絶賛するのは朝日と毎日である。
 
朝1> はっきりしてしまえば驚く内容ではない。
朝2> やれやれ、これでようやく政治の混乱が収まり、前へ動きだす。
 
毎1> 3条件で身を引くのは現状では妥当な線と言える。
毎2> 与野党は合意形成に全力を挙げ、政治の歯車を前に回すべきである。
 
 この評価項目(2)での菅直人退陣三条件への絶賛が、評価項目(3)~(5)及び社説自体の結論を決めているようだ。特に評価項目(5)「自民党ら野党に求める対応」で自民党に多くの注文をつけ、朝日は「大人になれ」政権与党であるはずの民主党や管直人の傍若無人なガキッぷりを忘れ果ててしたり顔で自民党に説教垂れているし、毎日は毎日で手放しに再生エネルギー法を絶賛して、政治を動かすにも退陣三条件をさっさと呑めと主張する浅薄とも浅慮とも表し難い。否、度し難いというのが適切な表現だろう。
 
 度し難さなら沖縄タイムスも負けていない。退陣三条件には直接触れていないが、管直人の「粘り腰」のエネルギー源を脱原発の世論にあると勝手に推定して賞賛し、自民党には朝日毎日と同様にしたり顔での説教だ。
 
沖1> 首相が退陣3条件を示した以上、
沖2> 野党は「復興第一」のスローガンを掲げて法案審議に柔軟に対応したほうがいいのではないか。
沖3> 非協力的態度で首相を追い詰めるという発想は、政治の混迷を深めるだけで、
沖4> 復興にとってはマイナスである。
 
 したり顔の説教は結構だが、菅直人自信や民主党の責任については全く頬かむりと言うダブルスタンダードはどこから来るんだろうね。
 
 読売新聞社説の薄さは、東京新聞に次ぐ。だから比較表でも「(言及なし)」が目立つ。但し、
 
読1> これ以上、政治空白や政策の停滞を長引かせてはならない。早期の辞任を改めて求めたい。
 
と言う結論から、主張している部分は少なくとも、結論に実は詰まっている。「レンホウCome Back」とは、一寸比較にならない。
 
 日経及び産経は菅直人とさらには政府、民主党に批判的であり、その意味では「我が同志」でもある。
  
日3> 退陣を表明した首相が執行部と十分な意思疎通をしないまま人事や国会運営の方針を決める。当然ながらこの2紙は
日4> 場当たり的な対応を繰り返す民主党は、もはや政権与党の体をなしていない。
 
と日経は民主党を「もはや政権与党の体をなしていない。」とまで非難するし、産経も
 
産1> 現状を打開するためにも、
産2> 首相に早期退陣の明言を促し、
産3> 応じなければ党代表辞任を求める毅然(きぜん)たる対応をとるべきだ。
 
と民主党に一定の期待を表しつつ、打倒菅直人を宣言している。
 
 以上から、今回取り上げた社説を例によって数式化するならば、以下のようになろうか。
 
沖縄タイムス ⊂ 朝日 ≒ 毎日 ≠ 読売 < 日経 ≒ 産経
論外:東京
 
 今回社説比較のワースト社説は、東京新聞で決まり、だな。
 

<注釈>

(*1) この称号も好い加減飽きが来ているのだが、何しろご当人は相変わらずゾンビで相変わらず歩く政治空白で、何よりも一番恐ろしいことに相変わらず首相なものだから、こちらも辞めるに辞められない。鳩山の称号のように、増強していくかな。
 
(*2) これまた私に言わせれば、花道だの目処だの四の五の抜かさずに即座に辞めろ、と主張する。考えても見ろ。今この瞬間に菅直人がポックリ死んだとしても、現状のの政治空白なり、政治空転なりが現状より悪化するだろうか??次の首相選びが即座に始る分、現状より遥かにマシではないか。
 菅直人が現状を改善する事があるとしたら、解散総選挙を決断した時のみだろう。
 良い菅直人は、死んだ管直人のみ、か。