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北京と上海を結ぶ中国版新幹線が今月30日に営業運転を開始するそうだ。中国版と言い状、日本どドイツからの技術導入によっているから、「新幹線パクリ号」等と呼ばれたりするのだが、その開業前メディア公開があって、産経(共同)と東京が記事にしている。仲々美事な対比である。
先ずは両紙の記事、ご一読願おうか。
転載開始==============================================================================
先ずは両紙の記事、ご一読願おうか。
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産経記事 「小刻みな上下震動」中国版パクリ新幹線、メディアに公開 北京-上海間、時速300キロ
高速鉄道開業を前にメディアに公開された中国版新幹線「和諧号」=27日、北京南駅(共同)
中国政府は27日、北京と上海を結ぶ高速鉄道のメディア向け試乗会を開催、高速鉄道に投入される中国版新幹線「和諧号」を内外にアピールした。30日の開業を前に開かれた試乗会で、報道陣は和諧号のうち、ドイツのシーメンス社の技術を導入して製造した車両に乗車。列車は北京南駅を出発後、およそ10分後には時速300キロに達した。不快とは言えないが、小刻みな上下振動を感じる。初めて導入されたビジネスクラスは運賃1750元(約2万2千円)と航空券並み。1列3席で、足を伸ばしても前の座席につかないほどゆったりしたスペースを確保した。運賃555元(約7千円)の2等席は1列5席だが、日本の新幹線より座席の幅が狭く、少し窮屈だ。この車両は1月の試験走行で、営業運転する列車としては世界最速の最高時速487・3キロを達成したが、安全面への配慮などから鉄道省は当面、最高時速300キロで営業運転する。(共同)
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東京記事 中国新幹線に試乗 豪華な装備最小限の揺れ
27日朝、北京南駅で上海に向かう高速鉄道「和諧号」を撮影する各国報道陣=渡部圭撮影
【上海=渡部圭】中国で三十日開業予定の北京-上海間の高速鉄道の試乗会が二十七日あった。中国の技術力を内外にアピールしようと三百人以上の国内外メディアが招待された。既に他区間で導入されている日本の新幹線に似た「和諧号」が、千三百十八キロを最短四時間四十八分で結ぶ。開業は国威発揚を狙い、来月一日の共産党創立九十周年に合わせたとみられる。乗車したのはドイツのシーメンス社などの技術を基に改良した十六両編成の「CRH380B型」で、午前九時、静かに北京南駅を出発し、上海虹橋駅に向かった。カーブが少なく、畑地や平原に造られた高架をほぼ一直線に走る。十分ほどすると速度表示が三百六キロになった。当初は最高時速三百五十キロの予定だったが、安全性の観点から二百五十~三百キロに下げた。
革張りの座席がベッドのように平らになるビジネスクラス(千七百五十元=二万一千円)は、専用テレビモニターなども装備された豪華ぶり。高速になるとやや揺れを感じるが、飲み物のコップは安定し、駅の到着時に窓際に立てたペンのキャップが倒れることもなかった。日本の川崎重工業などの技術を基にし、先頭車両の先端部が長い「CRH380A型」も北京-上海間を走る。一部中国紙が米国で特許申請すると報じ、波紋が広がっているが、この日乗り合わせた車両製造会社の広報担当者は「車両はいずれも最新型で、外国の技術は一切使っていない。知的財産権は中国にある」と話した。
==============================================================================転載完了
鮮明な対比
さて如何であろうか。
章題の意味は二紙の記事を読み比べれば明らかだろうが、対比を見ていこうか。例えば、この中国版新幹線の走行中の揺れについての記述。
産1> 不快とは言えないが、小刻みな上下振動を感じる。
東1> 高速になるとやや揺れを感じるが、
東2> 飲み物のコップは安定し、駅の到着時に窓際に立てたペンのキャップが倒れることもなかった。
何しろ東京の記事はタイトルからして「最小限の揺れ」であるからちょっとしたものだ。が、上記東2>の様に「飲み物のコップは安定し、駅の到着時に窓際に立てたペンのキャップが倒れることもなかった。」と言うだけで「最小限の揺れ」と言うのはどう考えても誉め過ぎだろう。逆に「コップが安定せず、窓際に立てたキャップが倒れる」電車がどれぐらいあるか考えればわかる事だ。
内装に対する評価も対比が見られる。
東3> 革張りの座席がベッドのように平らになるビジネスクラス(千七百五十元=二万一千円)は、
東4> 専用テレビモニターなども装備された豪華ぶり。
産2> 初めて導入されたビジネスクラスは運賃1750元(約2万2千円)と航空券並み。
産3> 1列3席で、足を伸ばしても前の座席につかないほどゆったりしたスペースを確保した。
産4> 運賃555元(約7千円)の2等席は1列5席だが、日本の新幹線より座席の幅が狭く、少し窮屈だ。
章題の意味は二紙の記事を読み比べれば明らかだろうが、対比を見ていこうか。例えば、この中国版新幹線の走行中の揺れについての記述。
産1> 不快とは言えないが、小刻みな上下振動を感じる。
東1> 高速になるとやや揺れを感じるが、
東2> 飲み物のコップは安定し、駅の到着時に窓際に立てたペンのキャップが倒れることもなかった。
何しろ東京の記事はタイトルからして「最小限の揺れ」であるからちょっとしたものだ。が、上記東2>の様に「飲み物のコップは安定し、駅の到着時に窓際に立てたペンのキャップが倒れることもなかった。」と言うだけで「最小限の揺れ」と言うのはどう考えても誉め過ぎだろう。逆に「コップが安定せず、窓際に立てたキャップが倒れる」電車がどれぐらいあるか考えればわかる事だ。
内装に対する評価も対比が見られる。
東3> 革張りの座席がベッドのように平らになるビジネスクラス(千七百五十元=二万一千円)は、
東4> 専用テレビモニターなども装備された豪華ぶり。
産2> 初めて導入されたビジネスクラスは運賃1750元(約2万2千円)と航空券並み。
産3> 1列3席で、足を伸ばしても前の座席につかないほどゆったりしたスペースを確保した。
産4> 運賃555元(約7千円)の2等席は1列5席だが、日本の新幹線より座席の幅が狭く、少し窮屈だ。
ビジネスクラスの内装の豪華さを喧伝する東京に対して、産経は先ず料金が航空機並みであることを示し、ビジネスクラスのスペースは誉めるものの、運賃が1/3ほどの2等席については「新幹線より座席の幅が狭く、少し窮屈だ。」と断じる。観光案内としては東京記事で良いのだろうが、情報量は産経記事の方が上だろう。
極めつけは東京記事の締め。
東5> 一部中国紙が米国で特許申請すると報じ、波紋が広がっているが、
東6> この日乗り合わせた車両製造会社の広報担当者は
東7> 「車両はいずれも最新型で、外国の技術は一切使っていない。知的財産権は中国にある」と話した。
極めつけは東京記事の締め。
東5> 一部中国紙が米国で特許申請すると報じ、波紋が広がっているが、
東6> この日乗り合わせた車両製造会社の広報担当者は
東7> 「車両はいずれも最新型で、外国の技術は一切使っていない。知的財産権は中国にある」と話した。
そりゃ上記東5>で米国での特許申請の波紋を記述し、他にも
東8> 日本の川崎重工業などの技術を基にし、先頭車両の先端部が長い「CRH380A型」
東8> 日本の川崎重工業などの技術を基にし、先頭車両の先端部が長い「CRH380A型」
東9> ドイツのシーメンス社などの技術を基に改良した十六両編成の「CRH380B型」
とも報じているから、上記東7>の「外国の技術は一切使っていない。知的財産権は中国にある」があからさまな嘘である事は一寸考えればわかる事だが、それにしてもこんな一方的な中国政府御用達の発言で記事を締める東京新聞の報道姿勢を疑う・・・・と言うよりは、改めて中国様べったりの東京新聞報道姿勢が再確認されたと言えよう。
その点では産経記事のほうがスパイスが効いているね。何しろタイトルに一言。「中国版パクリ新幹線」と入れただけで、上記東5>~東9>の事情を美事に現している。
さらに言うならば、産経の報道は共同通信の転載であるから、記事の内容である揺れや内装に対する評価は産経の文責ではないが、このタイトルは産経の文責と考えられるから、なおの事、「中国版パクリ新幹線」が光る事になる。
さらに言うならば、産経の報道は共同通信の転載であるから、記事の内容である揺れや内装に対する評価は産経の文責ではないが、このタイトルは産経の文責と考えられるから、なおの事、「中国版パクリ新幹線」が光る事になる。