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日米の防衛相、外相が会談する日米「2プラス2会議」が開催され、幾許かの合意もなったと言うので各紙が一斉に社説に取り上げた。
但し、どうやらいつもの「朝日グループ」と「産経グループ」に二分されてしまったようで、前回社説比較した「イタリア「脱原発」」ほどには面白い比較にはならなさそうだ。
だが、まあ、イタリアの似非・脱原発(*1)なんかよりも遥かに我が国に直結している日米2プラス2会議だ。我が方の「2」があいつとこいつかと思うと力が抜ける事夥しいが、ゾンビ首相の歩く政治空白が「日米首脳会談!」をやらかすよりはまだ増しと、気を取り直して比較するとしよう。
但し、どうやらいつもの「朝日グループ」と「産経グループ」に二分されてしまったようで、前回社説比較した「イタリア「脱原発」」ほどには面白い比較にはならなさそうだ。
だが、まあ、イタリアの似非・脱原発(*1)なんかよりも遥かに我が国に直結している日米2プラス2会議だ。我が方の「2」があいつとこいつかと思うと力が抜ける事夥しいが、ゾンビ首相の歩く政治空白が「日米首脳会談!」をやらかすよりはまだ増しと、気を取り直して比較するとしよう。
今回比較する四大紙+二紙の社説とURLは以下の通り。例に拠っての四大紙+産経のレギュラーメンバー五紙に東京を加えた六紙の比較。と言う事は、産経新聞が1月に1度ほどやる「社説検証」の比較対象だな。
(1) 産経 日米2プラス2 対中シフト実効性高めよ http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110623/plc11062303100008-n1.htm
(2) 日経 日米で対中戦略の詰め急げ http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E2EAEAE3EBE7E2E0E1E2E4E0E2E3E38297EAE2E2E3?n_cid=DSANY001
(3) 読売 日米戦略目標 同盟を深化し中国と対話を(6月22日付・読売社説) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110621-OYT1T01170.htm?from=any
(4) 毎日 日米安保協議 「対中」は多角的外交で http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20110623ddm005070153000c.html
(6) 東京 日米2プラス2 米国学び中国と対話を http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011062302000038.html
比較項目は例によって朝日と産経の社説を読み比べて、以下の項目を選択した。
(1) 日米2プラス2の意義と評価
(2) 対中国対策としての日米会議
(3) 日本の取るべき対中対策
(4) 普天間基地移設問題に対する意義
(5) 迎撃ミサイル第三国移転の意義
(6) そのほか特記事項
比較表の方は例によって、朝日の方の主張を赤字で、産経の方の主張を青字で、両紙にはない主張で各紙独自の物は太字下線で示した。
比較項目は例によって朝日と産経の社説を読み比べて、以下の項目を選択した。
(1) 日米2プラス2の意義と評価
(2) 対中国対策としての日米会議
(3) 日本の取るべき対中対策
(4) 普天間基地移設問題に対する意義
(5) 迎撃ミサイル第三国移転の意義
(6) そのほか特記事項
比較表の方は例によって、朝日の方の主張を赤字で、産経の方の主張を青字で、両紙にはない主張で各紙独自の物は太字下線で示した。

さてこうやって一表にまとめてみると・・・案外主張が錯綜している。ために「(言及なし)」と言う項目が目立つ。東京新聞の社説なんて、比較項目6項目の内半分しか埋まっていない。
六紙の社説を通読すると、大きなキーワードは「対中対処・対中外交」であり、小さなキーワードとして「普天間基地移設問題」と「迎撃ミサイル第三国移転」が浮かんでくる。が、小さなキーワードの方は全6紙共通のキーワードではないから、勢い「(言及なし)」が増える。それだけ、論点に幅が出来た社説群と言えよう。つまり、前言とは異なり「今回は朝日グループと産経グループに単純に二分は出来ない」と言う事。但し、いつもどおり朝日と産経はその論調がガラリと異なる。
ガラリと異なるのは、例えば評価項目(1)「日米2プラス2の意義と評価」である。朝日の赤字は端的に言ってこの日米2+2会議の成果を高くは評価していない。「日米同盟を深化させたと言うが、退化を止めただけだろう」と言う立場である。この項目について実に「(言及なし)」となった東京新聞以外の産経含む4紙が「日米共通の戦略目標を掲げた事(産経、読売、日経)」「アジア太平洋地域の安定に有効(読売)」などを挙げて高く評価しているのに対して、朝日は2+2会議の成果そのものを貶め、東京に至っては無視している形だ。つまりこの評価項目(1)については、「朝日グループ」は朝日と東京の2紙のみで劣勢だ。
だが、評価項目(2)及び(3)、先のキーワードで言う「対中対処・対中外交」となると、俄然朝日グループが盛り返す。今回2+2会議では中国に対する警戒姿勢が明確に打ち出された事は朝日も取り上げるが、朝日は取り上げて事実を伝えるのみ。東京は「米国を見習って中国と対話せよ。」と闇雲に(*2)訴えるばかり。毎日は「「対中国」の柱が外交の強化でなければならないのは明らかだ。」と「外交も軍事も国益追求の手段であり、その意味では同格だ。」と言う私にとっては常識に属する事を無視してくれる始末。読売・日経は日米同盟の深化と共にインド、豪州、東南アジア諸国などとの連携を強めて粘り強く対話するよう明確に訴えている。これに対し産経は、やはり「多国籍間での重層的な対中シフト」を高く評価する点で読売・日経に共通するが、「対話」は直接には登場しない。「重要なのは、戦略・対応であって、対話ではない。」と言う私と同じ意見であるが故、と言うのは我田引水か、或いは読み込みが過ぎようか。
評価項目(4)「普天間基地移設問題に対する意義」に触れているのは東京を除く五紙で、いずれも日米同盟深化の関連で触れ、同盟深化の障害になっているのが普天間基地移設問題である事で認識は一致する。
が、その解決方針となると、産経が現行日米合意どおりの辺野古移設を掲げ、毎日が反対に
毎1> 「移設先を含めて「日米合意」を見直すとともに、
毎2> 移設実現までの間、普天間周辺住民の危険性を除去する具体策を検討するよう主張してきた。」
のに対し他の三紙は朝日を含めてこの社説では解決方針について述べていない。と言う事は、この評価項目(4)については、朝日対産経ならぬ毎日対産経と言う構図になっており、ほか三紙は一応(*3)中立。東京は番外と言う形だ。
評価項目(5)「迎撃ミサイル第三国移転の意義」について触れているのは朝日、産経、毎日の三紙のみ。産経が日米同盟深化の証左としてトモダチ作戦と並び賞する高い評価を与えているのに対し、朝日・毎日は「やっぱり」の武器輸出三原則を根拠の「なし崩し合意反対」だ。
以上から、いつもの通り今回の社説比較を数式化すると、以下のようになろうか。
東京 ⊂ 朝日 ≒ 毎日 < 読売 ≒ 日経 < 産経
一番右の不等号は、前述の「我田引水ないし読み込み」を込みでの評価だ。
その分を差し引いても、今回は東京社説の出来の悪さが目立つな。地方紙が全国的問題を取り扱う限界、などとは言いたくない。地方紙の読者と言えども、一国民であるならば、一国民的視点も、時には必要であろう。
評価項目(5)「迎撃ミサイル第三国移転の意義」について触れているのは朝日、産経、毎日の三紙のみ。産経が日米同盟深化の証左としてトモダチ作戦と並び賞する高い評価を与えているのに対し、朝日・毎日は「やっぱり」の武器輸出三原則を根拠の「なし崩し合意反対」だ。
以上から、いつもの通り今回の社説比較を数式化すると、以下のようになろうか。
東京 ⊂ 朝日 ≒ 毎日 < 読売 ≒ 日経 < 産経
一番右の不等号は、前述の「我田引水ないし読み込み」を込みでの評価だ。
その分を差し引いても、今回は東京社説の出来の悪さが目立つな。地方紙が全国的問題を取り扱う限界、などとは言いたくない。地方紙の読者と言えども、一国民であるならば、一国民的視点も、時には必要であろう。
<注釈>
(*1) 何度も繰り返しているが、先日イタリアが実施した国民投票は、「イタリアが脱原発を辞めて、原発を持つ事にするか否か。」だ。結果は圧倒的多数で「現状のまま・脱原発維持」となったが、これでタダの一基の原子炉も止まったわけでもなければ、止める計画でもない。その意味でイタリアの国民投票結果によって、「脱原発」は、タダの半歩も進んではいない。せいぜい、「退歩するのを免れた」だけだ。(*2) と言うか無闇にと言うか・・・「話せば判る」は話にも相手にも拠ろうが。中国相手に武力も背景とせず領土問題やガス電問題話したって、話になぞなるわけがない。(*3) あくまで「一応」だが。
番外編(論外編?)
実は今回社説比較と同じ時期に、沖縄二紙=琉球新報及び沖縄タイムスもまた同じく「日米2+2会議結果」を受けての社説を掲げている。掲げているが・・・・案の定と言うか「無理もない」と言えなくもないのだろうが、どちらも普天間基地移設問題一色で、とてもじゃないが今回社説比較の同じ土俵には上げられなかった。
「それが地方紙の、地元自身を扱う地方紙の限界」と言うのは本文記事にもある通りありそうな説ではあるが・・・認めたくないな。
田舎町のガリ版新聞でも、全国的視点ぐらいは持てるはずだ。それを持つのが、社会の木鐸たる任を担うマスコミ(*1)であろう。
「貴男の仕事は、新聞を出す事よ!」―「おお!エルサレム」より、第1次中東戦争=イスラエル独立戦争の際、新聞社兼印刷所を爆弾テロで爆破された新聞社長が妻に言われた言葉(*2)―
(7) 琉球新報 2プラス2 民主政治蝕む歴史的汚点 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-178466-storytopic-11.html
<注釈>
(*1) そんなマスコミが暁天の星であることは百も承知しつつ。(*2) さらに言えば、彼は妻の言葉に納得し、ガリ版一枚だけの壁新聞とは言え、この日の新聞を発行して見せた。