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「国是」と言うのもナントモ厳しい言い回しだ。もうちょとっと下位レベルの表現だと「ドクトリン」と言う事になるのだろうが、歴史的にはアメリカの「モンロー主義」、ドイツの「3B政策」、イギリスの「3C政策」なんてのが「国是」と言う事になろう。
wikipediaによればこの「国是」と言う奴、「その国の大部分の政策の方向性を決定付ける、国民の支持を得た方針」と定義され、必ずしも成文化されている訳ではないそうだ。さらに先の京大入試数学カンニングで有名になったYahoo知恵袋の「日本の国是は何ですか?」に対するベストアンサーには、以下の項目が「日本の国是」として挙げられている。
(1) 戦争放棄
(2) 国民主権
(3) 国連中心外交
(4) 非核三原則
このYahoo知恵袋ベストアンサーにもあれこれ突っ込みたいところであるが(*1)、今回取り上げるのは東京新聞社説が言う「国是」。当該社説は「武器輸出禁止は日本の国是だ」と断言されているのだが・・・先ずは、ご一読願おうか。
<注釈>
(*1) 素直に是認出来るのは(2)ぐらいで、(1)もさることながら(3)の有名無実振りたるや「友愛の海」なみであり・・・・
転載開始==============================================================================
東京新聞社説 ミサイル輸出 国是なし崩しにするな 2011年6月14日
北沢俊美防衛相はシンガポールでゲーツ米国防長官と会談し、日米で共同開発を進めているミサイルの第三国への輸出を認める方針を伝えた。武器の禁輸方針になぜ風穴を開けようとするのか。このミサイルは、飛来する弾道ミサイルを迎撃するミサイル防衛(MD)システムに含まれる海上発射型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」で、一九九九年から日米で共同技術研究を進めてきた。米国と日本が保有するイージス艦から発射するため、第三国への輸出は想定する必要がなかった。風向きが怪しくなったのは、二〇〇六年六月、日米交換公文で事前同意のない第三国への供与を禁じた時点である。事前同意さえあれば、武器禁輸の例外扱いとなっている米国を経由して、日本の技術で製造されたミサイルを第三国へ輸出できる余地が生まれた。米国はSM3ブロック2Aを地上発射型とする改造を進めている。オバマ米政権は核開発疑惑のあるイランの弾道ミサイルを迎撃するため、東欧にレーダー、ミサイルなどのMDシステムを置き、地上発射型のSM3ブロック2Aを一八年にポーランドへ配備する計画を明らかにしている。MDシステムの東欧配備は米軍が武器類を持ち込み、運用する。第三国への輸出は含まれないのに、日本に輸出容認を迫るのは、将来、SM3ブロック2Aを他国に売却する狙いと推測できる。一方、日本側の狙いは、かなりはっきりしている。今月二十一日、日米安全保障協議委員会(2プラス2)の開催が見込まれているが、確定していない。沖縄の普天間飛行場移設など日米が合意した案件が軒並み足踏みしているからである。せめて米国が求めるミサイルの第三国移転で正式合意できるならば、2プラス2の開催が確実になるというハラだろう。菅直人政権は、昨年十二月閣議決定した「防衛計画の大綱」に武器輸出三原則の緩和を含めようとした。連携を想定していた社民党の反対で先送りされたが、北沢防衛相に至っては一〇年一月、防衛産業が集まった賀詞交歓会で見直しをぶち上げている。ミサイルの第三国移転を認めれば、なし崩しのうちに武器輸出が解禁されかねない。ましてや菅政権は末期状態にある。日本は武器輸出三原則を堅持し、一発の弾丸も一丁の銃も輸出してこなかった。その国是を議論らしい議論もないまま転換してはならない。
==============================================================================転載完了
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我が国の国是とは何か?
さーて、如何であろうか。
「如何であるか」は、東京新聞社説の主張「武器輸出禁止は日本の国是」と考えるか否かで、大いに異なるだろう。当該社説にある通り、
1> 日本は武器輸出三原則を堅持し、一発の弾丸も一丁の銃も輸出してこなかった。
と言うのは事実で、恐らくは反論も出まいが(*1)、この事実は「日本には(*2)武器輸出の実績がない。」と言うだけに過ぎず、この事実自体が「武器輸出禁止は日本の国是である」事を証する物ではない。
「如何であるか」は、東京新聞社説の主張「武器輸出禁止は日本の国是」と考えるか否かで、大いに異なるだろう。当該社説にある通り、
1> 日本は武器輸出三原則を堅持し、一発の弾丸も一丁の銃も輸出してこなかった。
と言うのは事実で、恐らくは反論も出まいが(*1)、この事実は「日本には(*2)武器輸出の実績がない。」と言うだけに過ぎず、この事実自体が「武器輸出禁止は日本の国是である」事を証する物ではない。
ああ、こんな言い方をしている事からも知れようが、私自身は「武器輸出禁止は日本の国是」なそとはこればっかしも思ってはいない。そりゃ武器輸出三原則があり、武器を輸出しない旨の国会答弁があった事も承知している。であればこそ、過去から現在に至るまで、日本政府の凡その方針であったのは事実であろう。一定割合の国民の支持を受けているであろう事も想像に難くない。何しろこの世には、社民党支持者(*3)だって一定割合で居るのだから。が、私は先述のYahoo知恵袋ベストアンサーが「日本の国是」としている「非核三原則」さえ虚構であると喝破し、我が国安全保障の前にはそんなものは吹き飛ばせと主張しているぐらいだ。核武装なんぞより遥かにレベルが低い「武器輸出禁止」如き(*4)が「国是」なぞとはおこがましい、と考えている。
非核三原則は虚構である1-核密約調査を巡って- http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32092292.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32092309.html
従って、私と東京新聞社説とは、そもそも「国是」の認識が天と地ほどにも開いているのであるが、その開きを無視して当該社説を見ると・・・1000字ほどの社説の大半は、「海上発射型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を通じて日本の武器輸出が解禁されそうな経緯」に費やされており、武器輸出禁止及び解禁の是非について触れたのは、殆ど最後の一節のみ。
2> ミサイルの第三国移転を認めれば、なし崩しのうちに武器輸出が解禁されかねない。
3> ましてや菅政権は末期状態にある。
1> 日本は武器輸出三原則を堅持し、一発の弾丸も一丁の銃も輸出してこなかった。
4> その国是を議論らしい議論もないまま転換してはならない
これを要約すれば、この1000字ほどの東京新聞社説は、「武器輸出禁止は日本の国是なのに、議論しないまま転換されようとしている。これを許すな。」となる。主張は明確だが、なんと薄っぺらい社説だろうか。
先述の通り、私に言わせれば、上記1>は「事実の追認」にしか過ぎず、その事実は「武器輸出禁止は日本の国是」とするものではない。従って上記4>噴飯モノなのであるが、引っかかるのは上記3>だ。「菅政権が末期状態」と言うのは私も同意するところであるし、末期どころか今すぐ即死して欲しいぐらいだが、「菅政権の末期状態」と「武器輸出解禁と言う『国是の変更』」の相関がいまひとつわからない。「菅政権は末期状態だから、武器輸出禁止解除と言う『国是の変更』を行なうだけの時間的猶予がない。」の意味だろうか。
もしそうであるならば、私(*5)が再読したぐらいでは容易に理解できなかった上記の解釈を、東京新聞読者は即座に理解するのだろうか。
さらには、「武器輸出禁止」を「日本の国是」と、東京新聞読者諸君は考えているのだろうか。
如何に、東京新聞読者。
非核三原則は虚構である1-核密約調査を巡って- http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32092292.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32092309.html
従って、私と東京新聞社説とは、そもそも「国是」の認識が天と地ほどにも開いているのであるが、その開きを無視して当該社説を見ると・・・1000字ほどの社説の大半は、「海上発射型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を通じて日本の武器輸出が解禁されそうな経緯」に費やされており、武器輸出禁止及び解禁の是非について触れたのは、殆ど最後の一節のみ。
2> ミサイルの第三国移転を認めれば、なし崩しのうちに武器輸出が解禁されかねない。
3> ましてや菅政権は末期状態にある。
1> 日本は武器輸出三原則を堅持し、一発の弾丸も一丁の銃も輸出してこなかった。
4> その国是を議論らしい議論もないまま転換してはならない
これを要約すれば、この1000字ほどの東京新聞社説は、「武器輸出禁止は日本の国是なのに、議論しないまま転換されようとしている。これを許すな。」となる。主張は明確だが、なんと薄っぺらい社説だろうか。
先述の通り、私に言わせれば、上記1>は「事実の追認」にしか過ぎず、その事実は「武器輸出禁止は日本の国是」とするものではない。従って上記4>噴飯モノなのであるが、引っかかるのは上記3>だ。「菅政権が末期状態」と言うのは私も同意するところであるし、末期どころか今すぐ即死して欲しいぐらいだが、「菅政権の末期状態」と「武器輸出解禁と言う『国是の変更』」の相関がいまひとつわからない。「菅政権は末期状態だから、武器輸出禁止解除と言う『国是の変更』を行なうだけの時間的猶予がない。」の意味だろうか。
もしそうであるならば、私(*5)が再読したぐらいでは容易に理解できなかった上記の解釈を、東京新聞読者は即座に理解するのだろうか。
さらには、「武器輸出禁止」を「日本の国是」と、東京新聞読者諸君は考えているのだろうか。
如何に、東京新聞読者。
<注釈>
(*1) 「外国の道路は滑走路にも使える。軍用機が使う滑走路ならば、これは武器だ。」などの屁理屈や、「実は極秘裏に武器を輸出していた。」と言う「裏情報」でもない限り、だが。(*2) 自動車、工作機械、家電製品、カメラ、原発まで、戦前には想像もできなかったような多様な輸出品があるにも関わらず、(*3) 「憲法9条が最大の抑止力」と素面で公言してしまえる党首を頂く党に投票出来てしまう方々。いや、実にめでたい。(*4) 「核武装」と「武器輸出」。いずれも現状の我が国では決断していない選択肢であるが、その決断の重大さは段違いだ。(*5) 私自身の主義主張思想が東京新聞とは大いに異なる事には同意する。が同時に、異なるが故に、異なるからこそ、耳を傾ける価値があるとも考えているから、東京新聞だろうが朝日新聞だろうが赤旗だろうが、「言わんとする事は理解しよう」と考えている。考えているが故に、「何を言いたいのか」が気になるのだ。
.参考
(1.)Yahoo知恵袋 日本の国是って何ですか?power_of_dreams1000さん
質問日時: 2009/8/6 09:44:01
解決日時: 2009/8/21 06:01:56
回答数: 1
閲覧数: 56ベストアンサーに選ばれた回答mightyladyjpさん戦争放棄
国民主権
国連中心外交
非核三原則
(2.)wiki 国是
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国是(こくぜ)とは、その国の大部分の政策の方向性を決定付ける、国民の支持を得た方針のことであり、基本的には長期的に維持される。憲法と違い、内政・外交その他諸々の分野全てを網羅するものでは無く、内政のみ、もしくは外交のみに作用するということも決して珍しいことではない。そもそも法律として明文化されるとは限らない。よって法的拘束力が無い場合が珍しくない。大抵は「○○主義」などというように簡潔な表現で呼称できる。上記にあるように長期的に遂行されるものであるため、これによってその国の性格付けがなされやすい。逆に言えば、国是を知ればその国の性格がある程度知ることができると言える。国是の形成は、その国の建国のプロセス、もしくはその国の歴史上の大きな転換点となるような出来事上から形成される場合が多い。例えば建国する際の目標であったものが、建国後そのまま国是としているケースである。このように歴史と密接に絡んでいるのが常であるため、その国の国是を理解するには、その国の歴史を学ぶ必要があると言える。明治維新の初期に、明治政府は明治天皇の勅問という形式で「開国和親」を国是とすることを諸藩代表(公議所・上局)にその是非を問い、その結果明治2年5月28日(1869年7月7日)にこれを是とするいう勅答を行った。非核三原則は現在の日本の国是とされるが、現実には「核を持ち込まない」という原則が守られていないといったことや核抑止力を確保する点で非核三原則を守ることに異論もある。軍政時代の韓国では、反共が国是とされた。1985年、兪成煥国会議員が「韓国の国是は、反共ではなく統一」と発言したところ、同議員は国家保安法違反で即時逮捕された。韓国当局は記者会見で「韓国の国是は反共」と改めて強調した。