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 漸く提出された内閣不信任案を受けて、各紙が社説で取り上げている。当然ながら朝日が展開するのは菅直人擁護論だが・・・・まあ、例によってご一読願おうか。
 
転載開始====================================================================================

不信任案提出―無責任にもほどがある

 ついに自民、公明、たちあがれ日本の3党が、菅内閣の不信任決議案を衆院に提出した。
 いま、国会の使命は東日本大震災の復旧・復興に向けた予算や法律づくりだ。それなのに露骨な権力ゲームにふける国会議員たちに強い憤りを覚える。 (*1)
 内閣不信任案は、野党の政権攻撃の切り札だ。それを切るなら、もっとわかりやすい理由と明確な展望が要る。そのどちらもないではないか。 (*2)
 自民党の谷垣禎一総裁は、きのうの党首討論で、震災と原発事故への対応の不手際などを理由に挙げた。
 確かに、原発事故の情報公開は遅れ、迷走を重ねている。だが、自民党がこれみよがしに攻め立てることへの違和感をぬぐえない。情報公開への消極姿勢も危機管理の甘さも、自民党政権でも指摘されてきたことだ(*3)。国策として原子力発電を進めたのも自民党だった。(*4)
 だからこそ、各党が力を合わせて危機を乗り越えてほしい。それが国民の願いだろう。(*5)
 谷垣氏は菅直人首相が辞めれば、「党派を超えて団結する道はいくらでもできる」という。
 だが「菅おろし」に同調するのは、小沢一郎元代表ら民主党の「反菅」勢力だ。両者は、民主党マニフェストの撤回か、固守かで百八十度違う。首相を代える一点でのみの協調であり、その先の政権構想も描けまい。(*6)
 「急流でも馬を乗り換えよ」と唱えるのなら、せめて乗り換える馬とともに、その行く先を明示しなければ無責任だ。 (*7)
 野党よりもっと、あぜんとさせられるのは、民主党内の動きだ。首相指名で菅氏に投じ、政権を誕生させた連帯責任を都合よく忘れたようだ。 (*8)
 首相に知恵と力を貸し、叱咤(しった)し、政治を前に進める。それが与党議員の責任だ。なぜ、被災地を回り、支援策を考え、首相に実現を迫る努力を、もっとしないのか。 (*9)
 野党が提出する不信任案への賛成は筋が通らない。内閣を倒そうとするのなら、まず離党してから行動すべきだ。賛成しても除名されないと考えているなら、非常識にもほどがある。(*10)
 不信任にひた走る議員は、可決されても、この震災下では衆院解散・総選挙はできないと踏んでいるように見える。だとしたら、本来の解散権を縛られたような状況のもとで不信任を行使する政治手法に、姑息(こそく)とのそしりも免れない。 (*11)
 こんな不信任騒動をしなければ、政治は進化できないのか。政治全体が不信任を突きつけられる事態を憂う。 (*12)
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<注釈>

(*1) へー、権力ゲームがなかったら、菅直人がまともに国会を動かせたと信じる根拠はどこら辺にあるのかね。
 
(*2) 震災以来3ヶ月でろくに首相としても国家元首としても機能していない。外国人献金問題はこっそり返してうやむやにしようとしているし、尖閣諸島沖「漁船」衝突ビデオは未だ非公開のままだ。国際会議では我が国の主権を全く主張しようとせず、お詫びと反省を披露するばかりで実も誠意もない。これ以上に明白でわかりやすい理由があったら、ぜひともうかがいたいもんだ。
 
(*3) ああ、今政権に自民党があったならば、朝日による糾弾は今のような大甘では無かったろう事は認めよう。だが、今政権の座にあるのは民主党であり、朝日指摘の「自民党の欠点」を克服するモノとして期待されたはずの民主党だ。その期待が外れたのは大いに糾弾されるべきであるし、その糾弾を「自民党も政権与党時代には要していた」などとして、自民党による追及を緩める理由にはならない。今、自民党は政権与党ではなく野党なのだから、野党の強みで攻め立てるべきであり、その追及を同時に他山の石とし、再び政権与党に返り咲いた際の糧にすべきであろう。
 
(*4) I agree. だが、如何に自民党が原発を推進していようが、福島原発事故への不手際とは、直接の関係はあるまいが。
 
(*5) 自民党が民主党に協力すれば、菅直人がまともになるとでも言うのかね。
 
(*6) それでも菅直人が今のまま自衛隊三軍最高指揮官の座にあるよりは、幾分増しに思えるのだがね。
 
(*7) こいつは新たな朝日新聞社説の菅直人擁護理由ではあるな。「政党政治の成熟」なる大義名分や「危機に当たっては協力しよう」と言う浪花節や「6月に政治イベントがあるからそれまで待て」の執行猶予論ではなく「菅直人に代わる首相が明確でない」と言う。
 じゃ、逆に尋ねようかね朝日新聞社説よ。「菅直人に替わるべき次期首相が明確ならば、責任は果たしているのだから、大手を振って不信任決議をして良い」と言うのだな。 Yes or No?
 「次期首相は、不信任可決後の総選挙で民意が決める。」と言うのも、一つの解だと思うがいかが。Yes or No?
 
(*8) ま、所詮は綱領一つ無い、野合の衆だ。そんなモンだろう。今頃気づくなよ。
 そんな奴バラを煽りに煽って大量に国会議員様にしちまった責任を、朝日新聞は覚えているのかね。(イヤケッシテソンナコトハアルマイ)
 
(*9) 言うだけならタダだが、やるだけ無駄だろうね。「僕は原子力に物凄く強いんだ。」と抜かし、震災翌日に福島第1原発を直接視察して、今の菅直人の体たらくだぞ。民主党の陣笠議員が現地報告したぐらいで、そいつが変わるものかよ。
 
(*10) 一般的には正しい正論だ。ただし、民主党では通用しない。
 非常識を絵に描いたのが、今の民主党ではないか。問責決議を受けてその地位を追われたはずの閣僚が閣内に返り咲いたり、裁判の被告になってもなお「党員資格停止」にしかならない元代表がいたり、外国人献金を受け取った外相は流石に外相を辞めたが首相はそのまま居座ったり、等等・・・
 これでは「離党せずに不信任賛成」と言う議員が続出するのは、理の当然だろう。
 
(*11) 不信任の目的が総理大臣含む内閣の排斥であるならば、解散総選挙ではなく内閣総辞職でも、その目的は達せられる。解散総選挙ほどに国会議員の身分にインパクトが小さいのも事実であるし、解散総選挙が難しい状況なのも事実だろう。
 であるならば、そんな状況にも拘らず、「不信任可決ならば解散総選挙だ」と公言して圧力をかけようと言う菅直人及び民主党政府の方は、姑息でないのかね。
 「解散総選挙はない」と言うのが真実ならば、菅政権には内閣総辞職しか選択肢は無いわけだが、あたかも解散総選挙があるかのごとくハッタリをかけている事になる。一方不信任に賛成する民主党議員は、総選挙は無いと言う安全地帯から不信任に賛成していることになるが、ハッタリをかける菅直人政権と、安全地帯にいる民主党不信任賛成議員と、どちらが姑息であろうか。
 「解散総選挙はない」が虚実で、総選挙がありうるならば、菅直人政権の脅しは脅しとしての実態があり、民主党不信任賛成議員は見込み違いをしていたことになる。が、この場合、どちらも「姑息」とは言われまい。せいぜい後者が「愚か」と言うだけだ。
 いずれにせよ、朝日新聞社説のこの「姑息(こそく)とのそしりも免れない。 」派、誤っている事になる。
 「こそく」とルビを振るのも、情けない物があるが。「麻生太郎首相(当時)は漢字が読めない」キャンペーンを張っていた朝日の社説が、だ。
 
(*12) 呵呵大笑。朝日新聞が、政治全体を、憂うとさ。
 

【参考】 当ブログで取り上げた主な朝日の菅直人擁護論

(1) 征馬すすまず―朝日社説 「危機の中で「倒閣」の愚」を斬る! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35308746.html
 
(2) したり顔だが何も言っていない朝日社説-「1次補正成立―政争はやめるにしかず」を斬る!  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35204365.html
 
(3) 論理的破綻-朝日社説「内閣不信任案―その前にやる事がある」を(遅蒔きながら)斬る! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35376461.html