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「丸い卵も切り様で四角、モノも言いようで角が立つ。」と言う。同じ事を同じ人間が言うにしても言いようで角が立ったり取れたりするのであるから、同じ事象に対し違う人間の評価は180度違ってしまっても不思議はない。況や私と沖縄タイムスとの間には、例えば普天間基地移設問題に対する「原点」からして違うのであるから、その懸絶は海よりも深く山よりも高いのが道理である。であるならば、沖縄にMV-22オスプレイの配備が正式に通達される、と言うニュースに対する反応が、私と沖縄タイムストで大いに異なっているのも当然ではある。
今回取り上げるのは、その沖縄タイムスが、MV-22オスプレイ沖縄配備正式決定を受けての社説。
今回取り上げるのは、その沖縄タイムスが、MV-22オスプレイ沖縄配備正式決定を受けての社説。
ついでに補足説明しておくならば、MV-22は「チルトローター機」と呼ばれる、いわばヘリコプターとプロペラ機のあいのこ。主翼に取り付けたプロペラを垂直に立てることで垂直離着陸を可能としたプロペラ機と言えば、コンセプトは伝わるだろう。

勿論プロペラは普通のプロペラ機のように水平にもでき、巡航飛行時にはこの形態になるから、「一風変わったプロペラ機」に見える。売り物は「プロペラ機並みの速度及び航続距離と、ヘリコプター並みの垂直離着陸性能」であり、概念的には相当古くからあるが、実用化なったのはMV-22がほぼ人類初。そんなラジカルな機体であるから、「開発段階で墜落事故が頻発し、飛行の安全性に不安がある」等と沖縄タイムスに評価されてしまうのも故なしとはしないが、一方で、「既存のヘリコプターよりも高速での飛行が可能なMV-22の配備」は、普天間基地の移設先条件として海兵隊が示していると言う「20分の飛行距離以内」を機体性能で拡張するものであり、MV-22を以ってしても「普天間基地の県外移設」は可能ではないが、「普天間基地の移設先候補を拡張」する可能性はある、と私なんぞは思うのだが・・・まあ、以上は私の意見だ。
先ずは例によって、沖縄タイムス社説をご一読願おうか。
先ずは例によって、沖縄タイムス社説をご一読願おうか。
沖縄タイムス社説
転載開始====================================================================================
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オスプレイ配備]これはもう人権問題だ
開発段階で墜落事故が頻発し、飛行の安全性に不安がある垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備を米政府はいよいよ正式に伝達してくる。日米両政府はそこに県民の生活があることを無視できるのだろうか。ゲーツ国防長官が6月初旬にシンガポールで予定する北沢俊美防衛相との会談で、米軍普天間飛行場に来年配備する方針を伝えるという。米軍にとっては単なる機種変更、との気持ちがあるかもしれない。しかしこの決定は沖縄と日米両政府との信頼の糸を断ち切る事になりかねない。なぜなら、両政府が「危険性」を認めた飛行場でいまも日常的に軍用機が飛び交うことさえ、非人道的だからだ。危険性を認知しながら放置するだけでなく、安全性に疑問がある軍用機を配備する両政府の冷徹さは理解を超える。事故は必ず起きる。どれほど人知を尽くして防波堤を築こうが、いつか予期せぬ落とし穴にはまる。東日本大震災で原子力発電所の「安全神話」は崩壊し、菅政権は静岡県の浜岡原発の原子炉を止めさせた。危険な普天間で日常的に軍用機を飛ばしているのは人命への差別ではないか。日米両政府は普天間の名護市辺野古移設が「非現実的」(レビン米上院軍事委員長)であっても、「普天間を継続使用する」(ウィラード米太平洋軍司令官)つもりだ。宜野湾市の住宅地をオスプレイが旋回し、普天間に着陸していく光景を想像するだけでいたたまれない。沖縄だけでなく、米本国、ハワイにある海兵隊航空基地で同様に配備計画があるが、米政府は自国では配備前の環境影響評価を実施した。カリフォルニアなど西海岸への配備に伴う評価の最終報告書によると、エンジンの種類がプロペラ輸送機と同じオスプレイの騒音は、飛行中はヘリコプターよりも低レベルだが、着陸時に騒音最高値がヘリを上回ると評価する。報告書で指摘するのは主に自然への影響だ。野生動物が神経質になる繁殖期に騒音は最も有害であることや「ヘリが100メートル圏内に入るとフクロウは巣から逃げた」との論文を随所に引用する。オスプレイを使った訓練は、河岸、湖岸、春に出現する水たまりなど環境変化に敏感な生息域を十分に考慮することを義務づけ、環境マップで示された立ち入り禁止区域を避けるよう指示する。沖縄とは基地周辺の環境が違いすぎる。繁殖期に気を配り、春季の池さえ保護する米軍と、住宅や学校、病院上空で容赦なく爆音をまき散らす在沖米軍が同じ集団とは信じがたい。政府の「負担軽減」という言葉が詐欺にさえ聞こえる。沖縄での基地運用がいかに「非人道的」であるかを再確認するとき、人としての尊厳さえも傷つけられたような深い悲しみを覚える。オスプレイの普天間配備を正式に伝達するとき、米軍のダブルスタンダード(二重基準)が際だつだろう。これは人権問題だ。
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