奇妙な一致[原発と基地]問題
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昔から、恐らくは共産主義と言うイデオロギーが確立して以来、左翼と言う奴は宣伝の上手さが際立っている。それは、「右翼」と比較すると一層明らかになる。
何しろ「右翼」と言う奴は、昔も今もイメージが悪い。戦前戦中の「軍国主義日本」では良いイメージであったかのごとく喧伝される事もあるが、「左翼」の方が知識階級の必要条件かの如く考えられ、道徳的にも科学的にも高次の存在と考えられた事に比べれば、何ほどの事もない。流石に「道徳的に」とか「科学的に」とかはソ連崩壊以来相当怪しくなったが、「社会主義勢力は平和勢力」だの「社会主義国の核は平和的核」だのと、臆面も無く公言され、人文科学は愚か自然科学にまで「思想性」即ち「社会主義らしさ」が堂々と求められた事も、さして昔の事ではない。
私は根っからの右翼であり、殆ど生まれつきであり、モスクワ放送、北京放送、平壌放送で耳を鍛えて、そんな左翼陣営の美辞麗句巧言麗色に対する免疫をつけて居たから、左翼の宣伝にも、そうそう引っかからないが、それは左翼の宣伝術が鈍化したり鈍ったりした事は意味しない。
実際、今回取り上げた、東京新聞や沖縄タイムスの社説を読むと、実に上手いところを突くものだと感心する。無論、意識的にが無意識にか、そんな左翼陣営の宣伝に格好の材料を提供する菅直人率いる民主党政権(*1)も相当なものであるが。
何しろ、原発である。福島第一原発事故は記憶に新しいどころかいまだ東電他が奮闘中の事案であり、先頃遂に「戦死者」を出したばかりか、1号機の炉心メルトダウンしていたと言う衝撃的な事実が判明している。メルトダウンは衝撃的事実だが、別に事態は悪化したわけではない。何度も書くが私を含めて日本人や福岡原発近隣の住人に対して放射能は、大気中及び摂取する水や食糧を通じて影響するのであるから、これらの放射能計測値に異変がない限り、どんな事態が明らかになろうと、直接の影響なぞありはしないのである。が、インパクトや話題性と言う意味で、これ以上の題材は一寸他にないだろう。
それと普天間基地移設問題を結びつける。米上院で「嘉手納統合案」なるものが浮上して、「是で現行日米合意の辺野古移設案は米側からも否定された。」とぶち上げれば、大いに盛り上がる向きもあろう。
その上に「普天間基地をはじめとする沖縄の基地負担」と「福島はじめとする原発負担」も、「共に弱者を金で縛って原発/基地を押し付ける不平等だぁぁぁ!」と煽れば、浜岡原発停止「要請」を世の実に7割近くが支持してしまうような(*2)オッチョコチョイの世論何ぞはイチコロだろう。
左様世論は、な。
その世論は、忌まわしくも恐るべき事に一昨年夏の衆院選挙結果で民主党に[憲政史上最多の衆院議席数]を与えて「政権交代」を実現。かの外交音痴の安保白痴・鳩山を日本国首相に押し上げて、私をして、魂の自由を愛してやまない私をして、我が国に於ける民主主義に対して絶望させかけたのだから、忘れようったって、忘れられるものじゃない。
失望すれども、絶望せず1-衆院選自民惨敗民主大勝を受けて- http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29646281.html
失望すれども、絶望せず2-衆院選自民惨敗民主大勝を受けて- http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29646287.html
失望すれども、絶望せず3-衆院選自民惨敗民主大勝を受けて- http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29646294.html
その忘れようもない一昨年夏衆院選挙結果が如実に示すところは、世論と言うものは大多数の意見ではあっても、大多数の意見と言うだけで、正しいと言う保証も無ければ、愚かで無いと言う保証もない、と言う、極当たり前の事実である。それが選挙結果ともなれば「政権交代」なんて事も実現してしまうのだが、正気の沙汰とは思われないような選択だって行なわれうる、と言う紛れもない事実だ。
さて、そんな世論をイチコロにしそうな今回取り上げた「普天間基地移設問題」と「原発問題」を結びつけ、受益者負担や負担の平等を説く東京新聞社説及び沖縄タイムス社説であるが・・・・
寝言は寝て言え。
「受益者負担」「負担の平等」耳障りは良かろう。一見正しそうにも見える。が、原発の立地条件とて、水力・地熱ほどではないにしても、相当に厳しい。何しろ地盤を相応に選ばねばならない。幾ら「電力の大消費地が都会」だからとて、そうそう都会近くに広大な(*3)原発施設を建設出来るとは限らない。否、出来る方が珍しかろう。
それでも原発の方は、まだ「受益者負担」の方向に、立地条件、原発建設地を選定しうる。
日本国の安全保障は、日本と言う国土の地理的条件を免れようがない。航空機やミサイル、空母や無人機などの兵器の発達及び射程・航続距離の延伸などが、その条件を緩和する事はありうるが、(*4)沖縄が日本と中国の最前線に位置する事は、対馬が元寇の前哨戦となったのと同様に、地政学的歴史的に免れようのない条件である。
第一、日本の安全保障は日本人全体の保障であるから、その恩恵は人数比例では首都・東京はじめとする人口密集地域=都会が大きいに決まっている。対するその負担、なかんづく基地負担は、前線・国境に近い島嶼部や辺境地に兵力が集中するのだから、「基地負担」が「不平等」なのは理の当然。平等だったらむしろ不思議なぐらいだ。
言い換えれば、こと安全保障に関する限り、少なくともその基地負担に「受益者負担」だの「平等」だのを要求すると言うのは、机上の空論であり、詭弁に近い。
それを、福島原発事故を契機に盛り上がる反原発・脱原発の勢いにかこつけて、「安全保障の基地負担平等」を訴える、沖縄タイムス及び東京新聞の社説は、好意的に言っても平和ボケ。
単純に言っても鳩山級の安保白痴。
一寸勘繰れば我が国の安全保障に仇為す国賊である。
如何に東京新聞。
如何に、沖縄タイムス。
<注釈>
(*1) どちらかに賭けろと言われれば、意識的な方に賭けるな。所詮は同じ穴の狢だ。(*2) ついでに菅直人の首相続行を支持する者まで増えてしまうような。(*3) それでも太陽熱や風力に比べれば、相当コンパクトだが。(*4) 例えば、普天間基地に駐屯する海兵隊ヘリ部隊が「他の部隊との連携のためにヘリで20分の距離に駐屯する必要がある」と言う条件は、ヘリやそれに変わる輸送手段の速度によって延伸しうる。V-22オスプレイの導入などは、その距離を延伸しうる筈だ。現状ではその距離が、鹿児島県まで届かないのは、「沖縄にとって残念」な事かも知れないが。
それにしてもV-22の導入さえ、やれ欠陥機だの事故が多いだのと、反対していたのではないかね。ま、いつもの事だが。
【参考】当ブログの普天間基地移設問題記事(抜粋)
以下の普天間基地移設問題経緯シリーズは番号順になっており、(1)は「変心、変身、また変針」まで遡る。
(26)までの記事は以下URLに独立させた。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32456004.html
(27) 鳩山首相の負の遺産―普天間基地移設問題経緯(27)― http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32800905.html
URL: http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32800999.html
(28) 選挙対策あって政策なし―普天間基地移設問題の経緯(28)― http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33419360.html
理解し難い社説「琉球新報 [海兵隊沖縄配備] 真実を隠すのは何故か」を斬る http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35238501.html根拠がないのは鳩山公約だ-琉球新報社説 「辺野古移設は根拠がない」を斬る! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35186923.html一読意味不明の沖縄タイムス社説 「[返還合意15年]ちゃんと議論し直そう」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35067129.html原点からしてズレている- 琉球新報愚論 「県内移設呪縛との決別を」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35067086.html球新報社説「それでも普天間はいらない」を斬る! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34928130.html