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 いや、まあ、私と朝日新聞・琉球新報・沖縄タイムすらのバカ新聞、もとい、アカ新聞との間には、少なくとも普天間基地移設問題初めとする日本の安全保障に関する限り海よりも深く山よりも高い懸絶があるのだから、こと安全保障問題について意見が対立するのはデフォルト状態であるとは言え、こいつはまた・・・今回取り上げるのは、防衛相が漸く「国境の島」与那国島へ沿岸監視部隊を配備すると公表したことを受けての琉球新報社説。先ずは例によって、ご一読願おうか。
 
 
転載開始====================================================================================

与那国陸自配備 「断絶の海」にするのか 

 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-177128-storytopic-11.html
2011年5月16日      
 軍隊というものは自らの存在理由を求め続ける。存続は経費がかさむので、常に削減圧力にさらされるからだ。
 防衛省が与那国島へ沿岸監視部隊を5年以内に配備する方針を表明した。だが今回、政治が大局観に基づいて防衛官僚を制御した形跡は全くない。これでは「政治主導」どころか「軍事官僚主導」そのものだ。菅政権は官僚を制御できず、制御の意思もないと正直に言うべきだ。
 2009年に与那国町の町長・町議会議長らの連名で配備を要望したことが出発点になった。島の活性化が重要な動機だろう。
 だが自衛隊が陸海空の自衛隊を配置する対馬(長崎)は1980年に5万人だった人口が05年には3万8千人に減った。全国各地の過疎地を見ても、自衛隊に頼って実現した活性化など存在しない。
 町が進めてきた台湾との独自交流の努力も水泡に帰す。相手への警戒感を露骨に示すのだから当然だ。鳩山由紀夫前首相が「友愛の海」にすると言った東シナ海を「断絶の海」にするのだろうか。
 町が申請した「国境交流特区」を政府は却下した。国境の島に人が住み続けることこそ、最大の安全保障策であろう。島嶼(とうしょ)防衛と言うなら、国は特区をこそ認可すべきだ。そして遠隔医療・遠隔教育を導入するなどして、島民の生活の質の保証を図るべきだ。
 自衛隊は従来、「ソ連の大規模着上陸侵攻」を最大の仮想敵としていたが、冷戦終結でその論理が通用しなくなった。削減圧力にさらされたから、今度は北朝鮮・中国への反感をあおり、「西方重視」「南西諸島重視」と言い始めた。
 だが東アジアは相互に貿易関係を高めている。他国住民のいる島に侵攻などすれば国際的に猛烈な非難を浴びる。国際的に孤立すれば中国経済はたちまち瓦解する。
 侵攻などあり得ない。自衛隊の規模の維持のためにこしらえた虚構だ。新防衛大綱も「本格的な侵略が生起する可能性は低い」と認めている。
 ひとたび侵攻があれば、大規模だろうと小規模だろうと国際的には侵略とみなされ、戦争の引き金となる。「本格的侵略」がないなら、小規模もあり得ないのだ。
 軍は住民を守らない。守るどころか、むしろ住民の命を犠牲にして本土防衛の時間稼ぎをしたのは沖縄戦で実証済みだ。活性化の鍵は平和的な人の交流にこそある。
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百年兵を養い、万一に備えてこそ国防ではないか。


 いやまあ、何処から斬り込んだら良いものやら、迷うぐらいの社説だ。
 
 が、本質的には、次の2行がその根幹だろう。
 
1> 侵攻などあり得ない。自衛隊の規模の維持のためにこしらえた虚構だ。
2> 新防衛大綱も「本格的な侵略が生起する可能性は低い」と認めている。
 Nutz!
 正しく平和憲法の申し子。平和を愛する諸国民の正義を信じ、憲法9条が最大の抑止力と信仰していれば、中国のデモ隊が掲げた「沖縄解放」の文字も目に入らなければ、中国共産党政府がぬけぬけと抜かす「核心的利益」も、尖閣諸島に遊弋している「漁船」や「漁業監視船」も、全く目に入らないか、気にならないらしい。何しろ上記1>「自衛隊の規模の維持のためにこしらえた虚構だ」そうだから。
 
 上記2> 「本格的な侵略が生起する可能性は低い」 だぁ?それがどうした。万一に備え、ただ一日がために百年兵を養うのが国防だ。言わば安全保障は保険中の保険であり「生起する可能性が低い」から無視しうる、商業ベースとは異なる。勿論期限や予算は無限ではないから、対処するのに物理的限界はあるが、与那国島に部隊を配備する事は、対処可能な範囲内だ。
 
 しかもこの配備は、琉球新報社説も認めるとおり、与那国町の町長・町議会議長の要望にも基づいている。町長町議会議長の目論見が地域振興にあり、仮に琉球新報社説の指摘どおりにその地域振興が目論見通りに行かないとしても、それこそ与那国町の勝手であって琉球新報のあずかり知るところでは在るまい。それとも、基地に伴う地域振興は沖縄の一手専売にしようという目論見だろうか。だとしたら、随分図々しい話だ。基地が集中しているのは沖縄ではあるが、基地があるのは、沖縄に限らない。
 
 当該社説は地域振興には基地誘致よりも別の手段を取るべきだと論じる。これはある部分正しかろうが、議論のすり替えだ。当たり前だが防衛省は地域振興のために与那国島に部隊を配備するわけではあるまい。それは切っ掛けになるかもしれないし、結果として振興される事は両者にとって喜ばしかろうが、決して、目的ではない。
 
 さらに当該社説は、自衛隊批判へとつなげる。が、どうしてこうまで明きメクラになれるのかと、人の心の妙に打たれざるを得ない。
 
3> 自衛隊は従来、「ソ連の大規模着上陸侵攻」を最大の仮想敵としていたが、
4> 冷戦終結でその論理が通用しなくなった。
5> 削減圧力にさらされたから、今度は北朝鮮・中国への反感をあおり、
6> 「西方重視」「南西諸島重視」と言い始めた。
 
 心此処に在らざる明きメクラに何を言っても栓なさそうであるが、一体何処に目をつけているのやら。北朝鮮による拉致被害や中国の軍備拡張路線は冷戦中からの継続ではあるが、北朝鮮の核開発と弾道ミサイル実験、核実験。尖閣諸島は愚か沖縄本島まで「核心的利益」と領土的野心を剥き出しにして来た中国は、いずれも冷戦後の厳然たる事実ではないか。
 
 >「北朝鮮・中国への反感をあおり」 だと?煽っているのは間違いなく、北朝鮮であり中国ではないか。海保庁の巡視船に二度にわたって体当たり攻撃をかけたその張本人を擁護するため日本人を逮捕監禁しレアメタルを禁輸して見せた中国や、核実験を強行して見せ、当の昔に日本に対して宣戦布告と抜かしている北朝鮮は、「日本に対する反感」を煽っては居ないとでもいうのかね。笑止な。
 
7> 東アジアは相互に貿易関係を高めている。
8> 他国住民のいる島に侵攻などすれば国際的に猛烈な非難を浴びる。
9> 国際的に孤立すれば中国経済はたちまち瓦解する。
 
 上記7>「貿易関係を高める」ことが戦争の抑止になるというのは全く奇怪な理屈である。例えば、日本全土を占領する気ならば、一時的に「貿易関係悪化」した所で充分釣りが来る貿易収支であろうに。
 上記8>も実に奇怪な理屈だ。ロシアは北方領土を、韓国は竹島を、それぞれ占領して其処に居た我が国民を追い出しさえしたが、未だに占領している。どうしてこの次は「国際的に猛烈に非難を浴びる」事を期待出来るのだろうか。
 況や中国の当初侵略で上記8>「国際的に猛烈に非難を浴びる」上記9>「 国際的に孤立すれば中国経済はたちまち瓦解する」なんて無邪気に期待する気が知れない。尖閣諸島沖中国「漁船」体当たり攻撃で、中国は日本に対するレアメタルの実質禁輸まで実施したが、一体どれ程の「国際的非難」があがっただろうか。期待するのは沖縄新報社説の勝手だが、そんな危うくも当てにならないシロモノに、我が国の安全保障を賭けるわけには行かない。其処には我が国の主権と、私自身の生命財産をも含まれているのだから。
 
10> ひとたび侵攻があれば、大規模だろうと小規模だろうと国際的には侵略とみなされ、
11> 戦争の引き金となる。
12> 「本格的侵略」がないなら、小規模もあり得ないのだ。
 
 ハァ?一体誰と誰の戦争だ?我が国への侵攻であるから、我が国と侵略国の戦争は既に勃発していて、「戦争の引き金」もヘッタクレもありはしない。「国際的には」と言っているのだから、恐らくは日本以外の外国軍と侵略国軍との「戦争」しかありえない。が、湾岸戦争のクウェートのように、侵略されたらいつもいつも多国籍軍が駆けつけて侵略軍を懲らしめてくれるなどと、何を以って無邪気に信じられるのやら。ソ連軍がアフガニスタンを侵略したとき、誰か軍隊を派遣したか?中国がモンゴルを侵略したときは?第一、自国を守ろうともしないような国を、誰が好き好んで同胞の血を流す戦争まで起こして、守ろうとすると言うのだ。「平和を愛する諸国民」かぁ?平和を愛する諸国民が、我が国に対する侵略だけは看過せずに我が国に都合のよい戦争だけは起こしてくれると信じているのならば、政治信条と言うよりは宗教、否、狂信だな。
 
 我が国は日米安保条約を結んでいるし、そのお陰で我が国への侵略戦争に米軍が参戦してくれることはある範囲で期待出来る。
 が、イラクのクウエート侵攻のように多国籍軍が編成されたり、況や朝鮮戦争以来編成さえされたことのない国連軍が編成されて、我が国に対する侵略者を撃退してくれるなんて事を、当てになぞ出来るものか。
 で、当該琉球新報社説の〆は、やっぱり「沖縄戦」に行き着くらしい。
13> 軍は住民を守らない。
14> 守るどころか、むしろ住民の命を犠牲にして本土防衛の時間稼ぎをしたのは沖縄戦で実証済みだ
15> 活性化の鍵は平和的な人の交流にこそある。
 此処まで断言できれば、正しく信心だな。
 
 第一上記14> 「住民の命を犠牲にして本土防衛の時間稼ぎをした」と言う事は、正しく「日本本土の住民を一定の範囲で守った」と言う事に他ならない。「沖縄県民斯ク戦エリ」と打電されたとおりである。その戦功を全く無視して、「沖縄県民を犠牲にしたから」上記13>「軍は住民を守らない」では、余りにも不当な評価であろう。
 
 敢えて断言しよう。平和を愛する諸国民の正義を信じ、それに我が国の主権と国民の生命財産を委ねるだけの覚悟が無ければ、かかる琉球新報社説を支持するべきではない。
 
 而して、左様な支持者を私は非難し、攻撃する。
 貴方の生命財産を左様なお伽噺に賭けるのも貴方の自由だ。だが我が国の主権や、私の生命財産を、そんなものに賭けてもらっては困る、と。
 
 言い換えれば、我が国の主権を守るためには、「断絶の海」とて恐れるべきではない。
 侵略者を漫然と受け入れる「友愛の海」なんぞより、遥かにマシだからである。