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転載開始====================================================================================
【放射能漏れ】
核燃料、完全露出し溶融 調整した水位計で測定 福島第1原発1号機 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110512/dst11051210130005-n1.htm
2011.5.12 11:48福島第1原発の状況について説明する、東京電力の松本純一・原子力立地本部長代理=12日午前、東京・内幸町の本店
東京電力は12日、福島第1原発1号機で、調整をした水位計で原子炉圧力容器内の水位を測定したところ、水位は通常時の燃料上端から5メートル以下で、長さ4メートルの燃料が完全に露出して溶け落ち、圧力容器底の水で冷やされているとみられると発表した。調整前の測定では、約1・5~1・7メートルが露出している状態とされていたため、想定外の低水位。ただ圧力容器の表面温度は、上部から下部まで100~120度と比較的低く、東電は「(燃料の)冷却はできている」と強調している。東電は燃料を冷やすために圧力容器内に毎時6~8トンの注水を続けていたが、対策が的確でなかったおそれがある。1号機は新たな冷却システムの設置を準備しているが、いまだに圧力容器内の状態を把握しきれていないことで、今後の計画にも影響しそうだ。東電はこれまで、炉心の損傷割合は55%と推定していた。
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報じられているのは、判明した福島原発1号機の現状。原子炉の炉心を収めた格納容器内の水位を漸く測定できたのは良いが、燃料棒よりも低い水位と判明し、燃料棒が水面から完全に露出している事が判明したと言うもの。この測定結果に伴い、1号機の燃料棒は相当部分が溶け落ちて格納容器内の水面に落下。此処で冷却されているものと推定できるとの発表。格納容器表面の温度が、上から下まで100℃から120℃と比較的低いのがその根拠だ。
今回報じられるような大規模な炉心溶融と言うのはいわゆるメルトダウンであり、私も恐れていた事態である。冷却優先と言う東電の方針を私も支持し続けてきたのも、一つにはかかる事態を避けるためだった。不幸にして1号機の炉心は水面から露出、それも完全露出してしまい、それだけ大規模な炉心溶融に到ったものと、推定せざるを得ない。
事此処に到る前に手はなかったのか。例えば震災直後に冷却の真水が不足した際に、海水冷却を早期に決断していればどうだったか、と言う検証も、無論必要だろう。今後の原発安全向上のためにも。
一方で不幸中の幸いは、東電発表の格納容器温度を信じるならば、溶融して格納容器底にたまった核燃料は、格納容器内に(まだ)在る水で冷却され、再臨界には到っていないと推定できる事だ。再臨界に到れば格納容器の底さえ熱で破られるとか、冷却している水を熱で分解して水素を発生し、新たな水素爆発につながりかねないところであるから、そんな事態は回避できている。その回避にある程度寄与しているのが、少なくとも水素爆発以降一貫して来た、東電の冷却優先方針であるとも言えよう。
無論、世に数多在る俗説(*1)の通り、「東電の発表は全て信用できない。」と考えるならば、この格納容器表面温度も信用ならず、溶融した核燃料は格納容器底に貯まって再臨界に到っているとも考えられる。この場合、早晩格納容器の底は再臨界した燃料の熱で破られると考えるべきであり、そうなったら今度は圧力容器に貯めた水での冷却を図るべきであるから、東電が進めていたとされる「水棺」の進捗が極めて重要になる。
その「水棺」の進捗状況もまた東電発表に頼るしかないから信用できないとしても、格納容器の底を再臨界した核燃料熱で破ってしまったら、落下する核燃料は圧力容器の温度を上昇させる筈で、こうなったら福島第1原発1号機の建屋外からも、赤外線放射の異常等で検地出来る筈だ。福島第1原発には世界の注目が集まっており、その集まる注目の一部は米軍の無人偵察機であり、各国の偵察衛星なのであるから、幾ら東電が情報隠蔽に長けていたとしても、圧力容器の異常温度上昇は、一寸隠せそうにない。
つまり、仮に東電の発表が全て嘘だとして、1号機原子炉の核燃料が再臨界にいたっていると言う最悪事態を想定しても、再臨界した核燃料はまだ圧力容器を熱するには到っていない。最悪でも圧力容器内の水で冷却されていると言う事である。即ち圧力容器底面を再臨界で熱しているわけではないから、当面圧力容器が熱で破られる可能性はない。其処に至るまでに水素を発生している可能性はあるから、新たな水素爆発の可能性はある。圧力容器内の注水と共に、水素爆発対策が、必要になろう。
勿論、東電の発表が事実ならば、先述の通り核燃料はまだ格納容器内に止まり、再臨界にも到っていない。この場合は再度の水素爆発の可能性も今のところ低いと言えるから、先の水素爆発のような大規模な放射性物質の大気拡散は防げていると言える。この場合、格納容器内への注水続行だろう。工程表の見直しを実施すると報道されているが、基本的に日程の遅れはあっても、工程の大変更は無いものと推定できる。基本的には、現方針の続行となろう。
現工程表の前提としてた状況よりも悪化している事態が判明したのは事実であるから、これを機会にまたも「石棺!セッカン!せっかん!!」と大合唱が起きることも想定されるが・・・先行記事にもした通り、冷却も冷温停止もせぬまま石棺に封じ込めようというのは極めて無責任な「臭い物に蓋」であり、先にあった水素爆発以前にその石棺が完成し、且つ先にあった水素爆発にその石棺が堪えない限り殆ど無意味な石棺である。
石棺方式早期採用により、原子炉冷却を放棄していれば、1号機炉心のメルトダウンはさらに早まり、メルトダウンによる再臨界の可能性はさらに高まったであろうと、断言できる。この場合、原子炉への注水が早期に中止されるから、放射性物質汚染水が今ほどには大量に無く、その一部が石棺内に封じ込められた筈ではあるが、地下水や土壌や水路を通じて海洋へ放射性物質はやはり流れた筈である。(*2)
さらには、再臨界に到った核燃料が熱で周囲を溶かしながら沈下して行くという「チャイナシンドローム」と言う悪夢を、事態制御不能のまま引き起こしかねないのが、件の石棺方式である。従って、先行記事にもした通り、石棺方式の福島原発への早期採用と言うのは、幻想である。
石棺幻想 -福島原発事故処理法としての石棺方式を考える http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35166775.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35166813.html
今回報じられるような大規模な炉心溶融と言うのはいわゆるメルトダウンであり、私も恐れていた事態である。冷却優先と言う東電の方針を私も支持し続けてきたのも、一つにはかかる事態を避けるためだった。不幸にして1号機の炉心は水面から露出、それも完全露出してしまい、それだけ大規模な炉心溶融に到ったものと、推定せざるを得ない。
事此処に到る前に手はなかったのか。例えば震災直後に冷却の真水が不足した際に、海水冷却を早期に決断していればどうだったか、と言う検証も、無論必要だろう。今後の原発安全向上のためにも。
一方で不幸中の幸いは、東電発表の格納容器温度を信じるならば、溶融して格納容器底にたまった核燃料は、格納容器内に(まだ)在る水で冷却され、再臨界には到っていないと推定できる事だ。再臨界に到れば格納容器の底さえ熱で破られるとか、冷却している水を熱で分解して水素を発生し、新たな水素爆発につながりかねないところであるから、そんな事態は回避できている。その回避にある程度寄与しているのが、少なくとも水素爆発以降一貫して来た、東電の冷却優先方針であるとも言えよう。
無論、世に数多在る俗説(*1)の通り、「東電の発表は全て信用できない。」と考えるならば、この格納容器表面温度も信用ならず、溶融した核燃料は格納容器底に貯まって再臨界に到っているとも考えられる。この場合、早晩格納容器の底は再臨界した燃料の熱で破られると考えるべきであり、そうなったら今度は圧力容器に貯めた水での冷却を図るべきであるから、東電が進めていたとされる「水棺」の進捗が極めて重要になる。
その「水棺」の進捗状況もまた東電発表に頼るしかないから信用できないとしても、格納容器の底を再臨界した核燃料熱で破ってしまったら、落下する核燃料は圧力容器の温度を上昇させる筈で、こうなったら福島第1原発1号機の建屋外からも、赤外線放射の異常等で検地出来る筈だ。福島第1原発には世界の注目が集まっており、その集まる注目の一部は米軍の無人偵察機であり、各国の偵察衛星なのであるから、幾ら東電が情報隠蔽に長けていたとしても、圧力容器の異常温度上昇は、一寸隠せそうにない。
つまり、仮に東電の発表が全て嘘だとして、1号機原子炉の核燃料が再臨界にいたっていると言う最悪事態を想定しても、再臨界した核燃料はまだ圧力容器を熱するには到っていない。最悪でも圧力容器内の水で冷却されていると言う事である。即ち圧力容器底面を再臨界で熱しているわけではないから、当面圧力容器が熱で破られる可能性はない。其処に至るまでに水素を発生している可能性はあるから、新たな水素爆発の可能性はある。圧力容器内の注水と共に、水素爆発対策が、必要になろう。
勿論、東電の発表が事実ならば、先述の通り核燃料はまだ格納容器内に止まり、再臨界にも到っていない。この場合は再度の水素爆発の可能性も今のところ低いと言えるから、先の水素爆発のような大規模な放射性物質の大気拡散は防げていると言える。この場合、格納容器内への注水続行だろう。工程表の見直しを実施すると報道されているが、基本的に日程の遅れはあっても、工程の大変更は無いものと推定できる。基本的には、現方針の続行となろう。
現工程表の前提としてた状況よりも悪化している事態が判明したのは事実であるから、これを機会にまたも「石棺!セッカン!せっかん!!」と大合唱が起きることも想定されるが・・・先行記事にもした通り、冷却も冷温停止もせぬまま石棺に封じ込めようというのは極めて無責任な「臭い物に蓋」であり、先にあった水素爆発以前にその石棺が完成し、且つ先にあった水素爆発にその石棺が堪えない限り殆ど無意味な石棺である。
石棺方式早期採用により、原子炉冷却を放棄していれば、1号機炉心のメルトダウンはさらに早まり、メルトダウンによる再臨界の可能性はさらに高まったであろうと、断言できる。この場合、原子炉への注水が早期に中止されるから、放射性物質汚染水が今ほどには大量に無く、その一部が石棺内に封じ込められた筈ではあるが、地下水や土壌や水路を通じて海洋へ放射性物質はやはり流れた筈である。(*2)
さらには、再臨界に到った核燃料が熱で周囲を溶かしながら沈下して行くという「チャイナシンドローム」と言う悪夢を、事態制御不能のまま引き起こしかねないのが、件の石棺方式である。従って、先行記事にもした通り、石棺方式の福島原発への早期採用と言うのは、幻想である。
石棺幻想 -福島原発事故処理法としての石棺方式を考える http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35166775.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35166813.html
事態は確かに工程表の前提としていた状況よりも悪いと判明した。工程表の見直しは必要だろう。
だが、遅れや改善はあっても、後退はない。
石棺方式などと言う撤退、否、敵前逃亡もない。
前進せよ、東電。
Tohden Vor!!
だが、遅れや改善はあっても、後退はない。
石棺方式などと言う撤退、否、敵前逃亡もない。
前進せよ、東電。
Tohden Vor!!
<注釈>
(*1) 先行記事としたパスビー「教授」なんかはその類だ。(*2) その量が、今よりも少なかった可能性ならある。また、先行記したとおり「水素爆発発生以前に、水素爆発に堪える石棺を完成した」ならば、大気への放射性物質拡散は防げた可能性はある。
が、僅か3日で(1号機の水素爆発は震災翌日。3号機爆発は震災3日後)そんな石棺が完成した可能性は、如何に日本の土木建築業でも、ないだろう。