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 当ブログの一番目立つところに長い事鎮座ましましている記事は、当ブログも初期の頃から変わらず「民主主義国家の国民には、一定レベルの軍事知識が不可欠である。」だ。
 
民主主義国家の国民には、一定レベルの軍事知識が不可欠である。 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/12932026.html

 何しろ私は「戦争気違い」と綽名された小学生の頃以来、倦まず弛まず戦史・軍事・兵器・戦略・戦術研究を趣味として来たから、そんじょそこらの「軍事評論家」や「兵器オタク」よりは随分と年季が入っている。であればこそ我が国に未だはびこる「平和ボケ」に対しては可能な限り攻撃を加え続けており、それ故にこんな記事を当ブログ初期の頃から看板にしている。
 
 我が国平和ボケの典型が戦略爆撃に対する認識であるとは、「戦略爆撃入門」に記したところであるが、其処まで本質的な平和ボケでなくとも、我が国の兵器開発生産に対する事実誤認若しくは無知と言うのも相当なものがある。

 そりゃ我が国は今のところ武器輸出はしていないから、我が国産兵器を海外に喧伝する必要はなく、マスコミの徹底した自衛隊無視・軍事忌避と相まって、国産兵器やその開発生産状況なんて知識が一部マニアや専門家の占有物となっている観は否めない。が、書店に行けばその程度の知識を得るのにさほど苦労しない雑誌や書籍が売られているし(*1)、防衛白書だって防衛装備年鑑だって刊行されているのだから、左様な知識も国民の興味一つで容易に集められるものだが(*2)、そもそもそんな事に興味を持たない国民に対しては、無知蒙昧を啓いてやるのが知識ある者の使命とも言えるだろう。
 
 
 まあ、そんな大上段に構えた使命感は兎も角、一覧表にまとめたのは我が国の現状装備する三自衛隊のミサイル。陸海空三自衛隊について、対艦ミサイル、対空ミサイル、対戦車ミサイルの3×3ジャンルについて、国産/共同開発/ライセンス国産/海外調達 に分類してみた。言うまでもないだろうが最前者=国産=独自開発が我が国の防衛技術上最もメリットがあり、最後者=海外調達 は要するに輸入であるから、我が防衛技術上のメリットは最も少ない。それを強調するために、国産の方はゴシック体で、海外調達は赤字で記している。
 
イメージ 1
表を一部修正。陸自のHellfireを追記し、SM-3Block2を黒字に修正した。
 
 一覧されれば明白であろうが、相当部分のミサイルが我が国の独自開発品である。先述の通り我が国は今のところ兵器の輸出はしていないから、これら我が国独自開発のミサイルは自衛隊三軍にしか売られていない。と言うことは、数は余り出ないと言うことであり、民生品などに比べて長期的に生産できると言うメリットはあろうが、商売上の旨味と言う点では、やはり厳しいものがあろう。それでも国産ミサイルメーカー(*3)は頑張って我が国の防衛技術を研鑽している。
 
 言うまでもないだろうが、防衛技術の高さと言うのも、戦車や戦闘機の数などの「ミリタリー・バランス」には現れないが、抑止力の一つだ。
 
 一覧表で注目すべきなのは、赤枠で囲った「海上自衛隊の対空ミサイル」だろう。このジャンルにはいまだに国産開発ミサイルがない。その主力たる「エリアディフェンスSAM」スタンダードシリーズSM-2、SM-3Block1はいずれも海外調達、つまり米国からの輸入品だ。血の赤い日本人である私としては、少なからず口惜しい。
 
 イージス艦発射の弾道ミサイル防衛用SM-3Block2の日米共同開発が、注目され、期待される所以でもある。
 

<注釈>

(*1) 店によっては少し特殊なコーナーにあったりするが。アダルト雑誌の隣にその手の雑誌・書籍が並んでいる本屋なんかは、書店主の偏見及び悪意が滲み出ている様に思われる。

(*2) 誠に幸いな事に。

(*3) これがまた我が国には多いんだ。普通の国はミサイル造るメーカーなんてあって1社。米国でもレイセオン社とロッキード・マーチンの2社で、その国の装備するミサイルは独占または寡占状態なのが普通だ。が、我が国のミサイルメーカーは、三菱重工、三菱電機、川崎重工、東芝と、少なくとも4社ある。