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[震災で普天間PR]政治利用に見識を疑う http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-22_15716/
2011年3月22日 09時26分米軍や海外からの緊急援助チームが被災地に入り、懸命に活動してくれている。福島第1原発で消防、警察、自衛隊員、東京電力職員らが命懸けで原発災害を防ごうと闘っている。その献身は称賛に値する。
深刻な事態にあった同原発3号機への放水任務を終えて東京に戻った東京消防庁の緊急消防援助隊。19日夜に記者会見した幹部の一人が「隊員の家族に申し訳なかった」と声を詰まらせた様子から、彼らがさらされた危険の重大さをあらためて思い知らされた。
原発への出動をメールで妻に知らせた同隊の佐藤康雄総隊長は、「日本の救世主になってください」と一行の返信を受けたという。家族も重い覚悟を強いられただろう。
ニュースが刻々と伝える原発事故の状況はここ数日、膠着(こうちゃく)状態が続いていた。その膠着こそが、放射能汚染が拡散する原発災害をぎりぎりのところで食い止めている作業の結果であることを再認識させられる。
作業員の安全を守りながら、一日も早く危機的な事態が回避されることを祈ってやまない。
20日には宮城県石巻市で大震災発生から217時間ぶりに80歳の祖母と16歳の孫が倒壊したがれきの中から救出された。被災地に一筋の光が差すようなニュースだ。
被災現場での捜索や避難所での支援など、災害の最前線で体を張る職業人たちがいる。死者・行方不明者が2万人を超え、現地の惨状は想像を絶するだろう。
先週末にトルコ、南アフリカ共和国から救助隊が到着した。ロシアも第1陣に続き、第2陣を派遣した。19日までに16カ国・地域の救助隊が日本に入った。
米軍は「トモダチ」の作戦名で約6000人を投入、大規模な救援活動を実施している。在沖海兵隊もヘリ部隊を緊急派遣したほか、強襲揚陸艦が秋田沖を拠点に自衛隊の求めに応じながら補給支援に当たっている。
同盟国ばかりでなく、隣国の中国、ロシア、遠い欧州、南アフリカなど世界中から寄せられる支援と善意に感謝したい。国の別なく災害の最前線で使命感を胸に活動する救助隊員、兵士、民間ボランティアら全ての人に敬意を表したい。
ただ在沖米海兵隊が「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」とアピールしているのは理解に苦しむ。災害支援を理由に現施設規模を維持する必要性を主張する。
普天間移設問題が日米間の重要な懸案であることを承知しながら、米軍当局が震災の政治利用を画策しているのなら、文民統制の観点から見逃せない。
それとこれとは別である。
ごちゃ混ぜにすると、災害の一線で使命感を持って「トモダチ作戦」に従事する兵士らに失礼だ。火事場泥棒に似た行為に兵士を巻き込むことになるからだ。
基地問題と絡める救援を被災者はどう受け止めるだろうか。震災の政治利用は厳に慎むべきだ。
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琉球新報よりは大分マシ
東日本大震災において、日本の同盟国たる米国が、空母初めとする相応の規模の救援隊を投入し、結構な実績を挙げてくれている事は、「広く知られている」とは言い難いが、紛れもない事実である。
その証拠と言うべきか、琉球新報社説が「アピールするぐらいなら救援なんてするな。」と言わんばかりの非人道的社説を掲げ、当ブログがこれを槍玉に挙げて、その支離滅裂振りと普天間基地に対する評価基準の根源的誤りを指摘したのも、記憶に新しいところだ。
球新報社説「それでも普天間はいらない」を斬る! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34928130.html
「[震災で普天間PR]政治利用に見識を疑う」と、既に槍玉に挙げた琉球新報と似たようなタイトルの社説を、今度は沖縄タイムスが掲げた。これを見逃す手はないだろう。
今回の沖縄タイムス社説は、その大半を米軍を含む諸外国からの救援に謝意を表し、消防、警察、自衛隊員、東京電力職員を讃える内容で占めている。ここまでは先ずはまともな、人間的、人道的な反応と言ってよかろう。が、其処は沖縄タイムス。最後の10行ほどにしっかり社説タイトルに銘打った内容を以下の通り盛り込んでいる。
1> ただ在沖米海兵隊が
2> 「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」とアピールしているのは理解に苦しむ。
3> 災害支援を理由に現施設規模を維持する必要性を主張する。
4> 普天間移設問題が日米間の重要な懸案であることを承知しながら、
5> 米軍当局が震災の政治利用を画策しているのなら、文民統制の観点から見逃せない。
6> それとこれとは別である。
7> ごちゃ混ぜにすると、
8> 災害の一線で使命感を持って「トモダチ作戦」に従事する兵士らに失礼だ。
9> 火事場泥棒に似た行為に兵士を巻き込むことになるからだ。
10> 基地問題と絡める救援を被災者はどう受け止めるだろうか。
11> 震災の政治利用は厳に慎むべきだ。
上記1>~11>を勝手に要約するならば、以下のようになる。
12>) 震災救援で米軍が普天間基地の重要性をPRしている。
13>) しかし、震災救援と普天間基地移設問題は別問題だ。
14>) 震災の政治利用は慎むべきだ。
15>) 米軍が勝手にPRしているならば、文民統制上問題だ。
さて、上記12>)は単なる事実の確認だ。今回の東日本大震災で沖縄にまとまった米軍が駐留していることが大いに役立ち、これを「米軍が」PRしたのも事実だろう。
上記13>)には私も同意するところである。今回沖縄に駐留している米軍が東日本大震災に役立ったのは御同慶の至りであり、普天間飛行場に駐留する米海兵隊を含めて、日本として、日本人として、感謝すべきだ。
が、先行記事にもした通り、仮に今回の震災で沖縄駐留米軍が毛筋ほどにも役に立たなかったとしても、沖縄に駐留する米軍の我が国安全保障上の意義に変わりはないのだから、「普天間基地移設問題」と「米軍による震災救援」は別問題だ。
「別問題」と言う認識でのみ沖縄タイムスと一致するが、「ではどうするか」と言う方向は、私と沖縄タイムスは全く別問題であろう事は、上記7>~9>が示している。
ついでに書くならば、上記10>「 基地問題と絡める救援を被災者はどう受け止めるだろうか。」と言う問いに対しては、「 基地問題に関わらず、被災者は救援されるのだから、少なくとも謝意はあって然るべし。」であるし、「 基地問題が絡む救援は拒否すべし。」の意図ならば、なんとも酷薄というか非人道的と言うべきだろう。マグニチュード9の地震と大津波は、駐留米軍の騒音とは全く比較にならない大災厄だからである。
上記14>)「震災の政治利用」は、先行記事にも書いたが、いわばお国柄だ。「無私の震災救援」が救援の理想である事は認めるが、無私の震災救援よりも、震災救援に何らかのメリットを見出す救援の方が多いのは道理。被災者に必要なのは救援であって、無私であるかメリットを得ているかはさしたる問題ではない。従って上記14>)「震災の政治利用は慎むべき」と言うのに私は賛成しない。沖縄タイムスにとって残念かも知れないが、今東日本大震災に救援に駆けつけている官民問わぬ外国団体も、表向きは兎も角、本音では賛成しないだろう。
15>)に到っては噴飯ものと言うべきで、文民統制の意味を全く理解していない。そりゃ自衛隊が勝手に自己PRしたら内局やら防衛相やらからとがめられて大騒ぎになるのは、田母神元空幕長更迭で示されたところであるが、これは日本が、日本の軍隊である自衛隊がまともに国民扱いされていない状態が、異常なのだ。
米軍人は米国民であり、米軍は米国では立派な圧力団体だ。その自己PRが文民統制になぞ触れよう筈が無い。
総じて言うならば、今回取り上げた沖縄タイムスの社説は、先行取り上げた琉球新報の社説よりは大分マシではある。
だが、これが社説と、沖縄タイムス社の主張であるとするならば、沖縄タイムス社と言うのは、随分ちゃちな新聞社であると、断ぜざるを得ない。