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 言うもサラナリであるが、私は血の赤い日本人だ。日本人であるが故に,いろんな意味で天皇陛下を尊敬している。

直接陛下にお会いする栄に浴した事はないが、客観的に見たって陛下は世界屈指の長期王朝の末裔であり、究極の育ちの良さを誇っている。主観的に見れば「日本一の紳士」であり「日本の良いところを一身に体現したような人」である。「天長恋」なんて古い言葉を持ち出すまでもなく、尊敬するのが普通であろう。

「天皇陛下の有難味を知らない人は、水や空気や大地の有難味を知らない人だ。」と評したのは山岡荘八だか吉川英二だか海音寺潮五郎だか忘れてしまったが、肯けるものがある。
 「天皇陛下は日本の臍のようなもので、一見何の役にも立たないように見えて、いざと言うときにはここに力が集まるのだ。」と評したのは、確か阿川弘之だったと思う。明治維新における尊皇攘夷や、大東亜戦争(太平洋戦争)終結時の陛下の玉音放送なんて史実を想起すると、実に上手い事を言うもんだと感心する。

その日本の臍・天皇陛下が、今般我が国を襲った未曾有の大災害である東日本大震災に望み、御言葉を発表された。

その御言葉がビデオメッセージと言う形を取ったところは、「ハイテク」であり、時代ではある。

が、災難にあった民草に対して天皇陛下が御言葉を賜ると言うのは、わが国最古の歴史書(*1)記紀(*2)にも記された仁徳天皇陛下の炊煙の故事にも通じるものであり、我が国の伝統即ち皇祖皇宗以来の天皇陛下の伝統だ。

ああ、これ以上は語るまい。以下に天皇陛下の御言葉を掲載しよう。
 

天皇陛下のお言葉全文

 この度の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9・0という例を見ない規模の巨大地震であり、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています。地震や津波による死者の数は日を追って増加し、犠牲者が何人になるのかも分かりません。一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています。また、現在、原子力発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ、関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切に願っています。
 現在、国を挙げての救援活動が進められていますが、厳しい寒さの中で、多くの人々が、食糧、飲料水、燃料などの不足により、極めて苦しい避難生活を余儀なくされています。その速やかな救済のために全力を挙げることにより、被災者の状況が少しでも好転し、人々の復興への希望につながっていくことを心から願わずにはいられません。そして、何にも増して、この大災害を生き抜き、被災者としての自らを励ましつつ、これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています。
 自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体の人々、諸外国から救援のために来日した人々、国内のさまざまな救援組織に属する人々が、余震の続く危険な状況の中で、日夜救援活動を進めている努力に感謝し、その労を深くねぎらいたく思います。
 今回、世界各国の元首から相次いでお見舞いの電報が届き、その多くに各国国民の気持ちが被災者とともにあるとの言葉が添えられていました。これを被災地の人々にお伝えします。
 海外においては、この深い悲しみの中で、日本人が、取り乱すことなく助け合い、秩序ある対応を示していることに触れた論調も多いと聞いています。これからも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています。
 被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく、身体(からだ)を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう、また、国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者とともにそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています。

<注釈>

(*1) と言うよりは、万葉集と並んで「わが国最古の文献」であるな。
 
(*2) 言うもさらなりだが、古事記と日本書紀。

追記

 タイトルを「力よ宿れ!」としたのは、井沢元彦氏が指摘する、我が国に古来から意識的・無意識的にあるとされる言霊思想による。
 一度発せられた言葉には相応の霊力を持つと考える言霊思想は、「最悪事態の予想と予防」を「縁起でもない事」と封じてしまうから、今回の福島原発に発生した容易ならざる事態の遠因とも言えるのであるが、逆にそれ故に日本人にとっては骨がらみの思想ないし宗教でもある。
で、その日本人にとって骨がらみの宗教・言霊思想を逆手にとり、日本でも有数の祭司であるとも言える天皇陛下のお言葉に託して、「力よ宿れ!」とその霊力を増強し、以って陛下の大御心、御言葉を、現実化してしまおうと意図したのが、先行記事のタイトルである。

無論私自身は理系人間で不信心者であり、言霊思想の弊害も上記の通り認識しているから、私によって高められる言霊の力なぞ、たかが知れているだろう。それが証拠に当ブログでは、小沢一郎、鳩山由紀夫、菅直人らを呼び捨てにし始めて久しいが、今だ誰一人として国会議員一つ辞める気配がない。卑近なところでは正真正銘掛け値なしの売国奴と当ブログが認定した民主党は土肥衆院議員でさえ「倫理審査調査委員会会長(!?)辞任」と「民主党離脱」でお茶を濁そうとする始末だ。
 
土肥衆院議員、民主党を離党 竹島文書問題  http://www.asahi.com/politics/update/0315/TKY201103150313.html

さはさりながら、東電、警察、自衛隊と、日本の総力を結集して福島原発の事態を解決しょうとし、以って国民の安全を確保して、宸襟を安んじ奉ろうとしているのだ不信心者の私が、言霊の力を借りようとしたとて、罰は当たるまい。(*1)
 
 力よ、宿れ。
天皇陛下の御言葉に。